サスペンス

『連続殺人鬼カエル男』あらすじとネタバレ感想!世間を震撼させたカエル男の正体は?

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。

「BOOK」データベースより

タイトルと表紙の時点でずっと興味を惹かれていた本書。

表紙からしてどこかコミカルなのかと思いきや、とんでもない。

怒りや憎しみなどを感じさせない無慈悲な殺害方法、震え上がり暴徒と化した市民。

絶望という言葉が似合うシーンがいくつも登場し、ミステリとしてだけでもなくサスペンス、ホラーとしても楽しむことが出来ました。

ちなみにドラマ化もされています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

異常殺人

マンションで見つかったのは、一糸まとわぬ姿の女性が口からフックで吊られている死体でした。

その付近には、子どもが書いたような幼稚な犯行声明文。

後に『カエル男』と呼ばれる犯人によるはじめての殺人です。

刑事の渡瀬と古手川は捜査に乗り出しますが、この事件はこれから起こる最悪の出来事の発端に過ぎませんでした。

見えてこない犯人

死体から見えてくることは、犯人は死体を死体と思っていないこと。

単なるオブジェとしか考えておらず、それは異常者の考えでした。

犯罪心理学の権威は犯行声明文に注目し、犯人の幼児性を指摘。

いつもであれば事件を盛り上がるよう脚色、抽出するメディアですが、今回ばかりは拭えない不安から大人しく、それだけ事件の与える世間へのインポクトの大きさがうかがえました。

被害者の近辺からは恨みを持つ人物など犯人と思われる人物は浮上せず、警察の捜査はなかなかうまくいきません。

連続殺人から分かった法則性

そんな中で第二、第三の殺人が起こります。

どちらも第一の殺人に負けず劣らずの異常な有様で、世間はますます震え上がります。

しかし、幸か不幸か連続殺人となれば関連性が見えてきて、犯人特定に結び付くヒントが出てくるものです。

渡瀬たちはちょっとした思いつきで三つの事件の間にある法則性に気が付きますが、自分の発想を疑います。

そんなことで殺人を犯すはずがないと。

やがて他の人もそのことに気が付き、世間は恐怖に震え、自分の安全を確保しようと暴徒と化します。

犯人だけでなく見えない市民にも対応しなければならない警察ですが、やがてカエル男の正体に気が付きます。

ようやく一連の出来事に終止符を打てたと安心するところですが、事件の裏にはまだ秘密が隠されていました。

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感想

キャッチャーで正統派

タイトルや表紙で真っ先に興味が惹かれると思いますが、もちろんそれだけではありません。

異常者によると思われる殺人を誇示するかのような死体、見えない犯行動機、連続殺人に隠されたまさかの法則性。

どれも掴みとして抜群で、かつ掴んだ後も離さない、むしろグイグイ引き込む強い魅力を持っています。

設定としては派手でキャッチャーですが、犯人に辿り着くまでのプロセスは至って論理的で、ミステリとして正統派ともいえます。

これだけの要素が含まれているのですから面白くないわけがなく、ミステリ好きにも耐えうる内容になっています。

最後まで気が抜けない

ここまでの内容であれば良作で終わるかもしれません。

しかし、本書の結末にはどんでん返しがいくつも仕掛けられています。

残り百ページ切ったあたりからは怒涛の展開で、突きつけられた事実に頭が追い付かないことが何回もありました。

なぜそうなった?

そんな疑問が脳内を駆け巡り、古手川と同じ視点で物語を読み進めている感覚でした。

このどんでん返しが本書の最大の魅力になっていて、そこまで味わってしまうと単なる良作ミステリで終わらないことがよく分かると思います。

グロテスクな描写に注意

本書はミステリ、サスペンスとしてかなり面白いですが、その反面、グロテスクな描写もまたかなり含まれています。

死体の凄惨な様子はもちろんのこと、暴徒と化した市民との戦いなど暴行シーンが多く、痛みを想像して縮み上がることも少なくありません。

テイストこそ違いますが、『殺戮にいたる病』を読んだ時の感覚を思い出しました。

判断がつかないという人は、ネタバレにならない範囲でレビューなどを参照し、読めそうかどうか自分に聞いてみてください。

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おわりに

久しぶりにアクション系とは違った意味で手に汗握って読んだ作品でした。

表紙やタイトルだけの色物ではない、本物の迫力が本書にはあります。

ちなみに続編もありますので、気に入った人はこちらもぜひ読んでみてください。

次の話はこちら。

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