『いつまでもショパン』あらすじとネタバレ感想!岬洋介シリーズ第四弾
ポーランドで行なわれるショパン・コンクールの会場で、殺人事件が発生した。遺体は、手の指10本が全て切り取られるという奇怪なものだった。コンクールに出場するため会場に居合わせたピアニスト・岬洋介は、取り調べを受けながらも鋭い洞察力で殺害現場を密かに検証していた。さらには世界的テロリスト・通称“ピアニスト”がワルシャワに潜伏しているという情報を得る。そんな折、会場周辺でテロが多発し…。
「BOOK」データベースより
岬洋介シリーズ第四弾となる本書。
前の話はこちら。
タイトルの通り、ショパンがテーマとなっていて、彼の音楽やその解釈ついて議論されています。
物語の舞台はポーランドとシリーズ初の海外になっています。
またテロが絡んでくる関係でシリーズの中でもかなり殺伐としており、音楽の持つ力についても考えさせられる内容になっています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
ショパン・コンクール
物語の舞台はポーランド。
そこではショパン・コンクールが開催され、全世界の有望なピアニストが一堂に会していました。
このコンクールは他の国際コンクールと比べても別格といわれ、実力や運以外のものが作用する不思議な領域といわれています。
特にポーランドにおいてショパンの曲とは国の心そのものであり、特別視されています。
ある者は一族や国の威信をかけて、ある者は純粋に音楽の高みを求めてショパン・コンクールに参加します。
その参加者の中に、最高齢のピアニストとして岬洋介がいました。
テロ
一方、ポーランドでは大統領を乗せた飛行機が墜落する事故が起きていて、それがテロ組織と繋がることが分かっています。
犯行に及んだ人物はアルカイダに所属していて、目的は出兵しているポーランド軍を撤退させることでした。
つまり、テロリストはポーランド軍が撤退するまでポーランドに潜伏している可能性が高く、捕らえるチャンスともいえます。
そのテロリストは仲間内で『ピアニスト』というコードネームで呼ばれていました。
ピアニストの正体
ショパン・コンクールが順調に進む中で、会場で死体が発見されます。
死体は刑事のもので、胸を撃たれているだけでなく、手の指全てが切断されて持ち去られていました。
警察はピアニストの仕業だと推測して捜査します。
しかし、なかなか有力な手掛かりは得られず、ポーランドの街はテロの標的となって多数の死者を出してしまいます。
ピアニストの正体は誰なのか。
この状況下でも中止されないコンクールにおいて、音楽はどんな役目を果たされるのか。
どちらの難題においても岬は毅然と立ち向かい、ついにピアニストの正体が明らかになります。
感想
国境を超える音楽
物語の舞台が海外ということで、自ずと岬の物語における立ち位置が異なっています。
従来通りの日本であれば音楽家としてだけでなく、敏腕検事である岬恭平の息子ということもあり、捜査に対する影響力を多大に持っています。
ところが海外から見た岬はまだ無名であり、音楽科としてはじめは注目されておらず、その存在感が出てくるまでに少し時間がかかります。
シリーズ読者からすれば序盤は物足りないかもしれませんが、心配はご無用。
音楽は言葉の通じない人間同士にも通ずるコミュニケーションツールであり、岬は自身のピアノでその存在感を見せつけ、すぐに注目されます。
あとはいつものように冴えて頭脳から事件を推理し、誰もたどり着けない真実を明らかにしてくれます。
ポーランドというこれまでの岬の名声が通じない環境だからこそ余計に彼のすごさが伝わり、一人のピアニストとして世界と渡り歩けることを証明してくれました。
そして、誰よりも真摯に音楽と向き合っているところを見せてくれ、このシリーズの面白さを改めて教えてくれました。
どんでん返しの結末
音楽の描写がいつも通り瑞々しく、臨場感があったことは言うまでもありませんが、ミステリの核となる事件、推理も面白かった点が良かったです。
テロという政治的な要素を含み、罪のない人の命が一瞬で消えていく虚しさ。
そんな状況で無力とも思える音楽が果たす役目。
序盤の推理をくつがえす、予想すらしなかった結末。
ミステリとしても一級品であり、驚きを求める読者の欲求をきっと満たしてくれると思います。
一方で、テロという一方的な暴力はあまりに多くの命を奪うため、犯人を捕まえてもスッキリしない読了感は、人によっては好まないかもしれません。
おわりに
岬の音楽にかける思いが海外の有望なピアニストすら凌駕することが描かれ、改めて音楽に真摯に向き合う素敵なシリーズ作だと分かりました。
音楽の楽しみ方、事件の面白さ共にシリーズ一だと僕は思います。
次の話はこちら。
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