『悪魔の微睡』あらすじとネタバレ感想!青山の異変に立ち向かうシリーズ第五弾
神は誘う――「あなたも“善く”なりましょう」。佐々木事務所最大の危機!
最近、青山幸喜の様子がおかしい。言葉の全てが強く正しく厳しく、怖い。聖書の教えを布教する怪しげな動画チャンネルも運営しているようだ。
Amazon内容紹介より
佐々木るみは気づく。彼の目に宿る奇妙な光に……。
青山を案じ、調査に乗り出したるみは、彼の祖父が遺した手記を入手する。
戦後すぐの出雲、人々は目から黒い液体を垂れ流し「善くなった」と歓び、家々を覗き込んでは同じ“眼”を探す――。
青山を救う鍵はどこに!? るみはお荷物新米事務員・長尾アカリと共に、佐々木事務所最大の危機に立ち向かう!
佐々木事務所シリーズ第五弾となる本書。
前の話はこちら。

青山の穏やかなのに厳しい態度。異変を感じつつも、力を失ったるみに何ができるのか。
前回から登場している長尾アカリが良くも悪くも目立ち、シリーズとして新たな読み応えになっています。
本書についてnoteで芦花公園さんが色々書いていますが、ネタバレ満載なので、ご注意ください。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
異変
ここ最近の青山の変わりぶりが描かれます。
聖書の教えを説く動画チャンネルを運営し出し、これまでの彼だったら考えにくい行動です。
加えて穏やかな顔つきなのに言葉が厳しく、他人を受け入れて許すという青山の良い点がそぎ落とされています。
るみはそのことに気が付きつつも、なかなか核心に触れられずにいました。
手記
いくつかの依頼をこなした後、るみは青山の祖父の手記を入手することができました。
祖父はアイルランド人の血が流れるハーフで、牧師でありエクソシスト。
手記には、祖父が経験したとある怪異について書かれていました。
出雲
時代は戦後。
青山の祖父は出雲を訪れていました。
紹介された大國という神父のもとを訪れ、ここで青山の祖父が呼ばれた理由が語られます。
この土地では神有月に神々を迎える風習があり、神が通る道を空け、通り過ぎるまで決して目を合わしてはいけません。
秋里恵子という少女が参加していましたが、彼女は立ち上がって目を開けてしまったのです。
そこから恵子はよく分からない言葉を口にするようになり、翌日から予言を始めました。
感想
青山の変貌ぶり
本書はまず、青山の変貌ぶりに驚きました。
動画や普段のコミュニケーションでも、一見すればいつもの彼のように見えます。
しかし、すぐに青山ならこんなことをするはずがない、言うはずがないという違和感が次々に募ります。
青山の姿形をした何か。
るみもアカリも気が付いていますが、しばらくどうすることもできません。
終盤まで絶えず不安感があったので、早く逃れたいと自然とページをめくる手が早くなりました。
アカリの評価
芦花公園さんも言及していますが、アカリの評価はまず人によって分かれます。
性格が良くても、見た目が良くても、人に好かれない人というのは存在していて、彼女はまさにそれです。
空気が読めない。間が悪い。余計なことをいちいちしてしまう。
よくここまで嫌われる属性を盛り込んだなと逆に感心してしまいました。
個人的には、嫌いではありません。
というのも、アカリの視点から見ると言ってしまったことに対する自覚があり、どうにかしたいけれどどうにもできないという葛藤があるからです。
普通に可哀想です。
あと、アカリの思いがけない行動が道を開く役目に繋がることもあり、今後のシリーズでも重宝しそうな予感。
読者の受けが良ければですが。
出雲での出来事
青山の祖父のパートはかなりしんどかったです。
戦後で、外国人に対してまだまだ偏見が多いことが容易に想像できる時代。
彼はそれを受け止めながらも役目を全うしようとしますが、今回現れたものは強大すぎました。
瞬く間に出雲の土地に広がり、人々をおかしくしていく。
青山の祖父が信用していた人たちも次々と犯されていく様は、まさに絶望です。
おわりに
大満足の一冊でした。
一方で、今後の展開が読めないので、ふわふわした感覚もあります。
芦花公園さん自体もまだ決めていないようなので、頭の中で今後の彼らがどんな道を歩んでいくのか、好きに想像して待ちたいと思います。
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