『極楽に至る忌門』あらすじとネタバレ感想!土地に巣くう手のつけられない怪異の正体とは?
最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった土地の怪異
四国の山奥にある小さな村。そこには奇妙な仏像があり、大切に祀られていた。帰省する友人・匠に付き添い、東京から村を訪れた隼人は、村人たちの冷たい空気に違和感を抱く。優しく出迎えてくれた匠の祖母の心づくしの料理が並ぶなごやかな夕食の最中、「仏を近づけた」という祖母の言葉を聞いた瞬間、匠は顔色を変える。その夜、匠は失踪し、隼人は立て続けに奇妙なことに巻き込まれていくが――。東京での就職を機に村を出て、親族の死をきっかけに戻ってきた女性が知った戦慄の真実。夏休みに祖父の家にやってきた少年が遭遇した恐るべき怪異。昭和、平成、令和と3つの時代の連作中篇を通して、最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった、恐ろしい土地の因縁と意外な怪異の正体が浮き彫りになっていく……。ホラー文庫30周年記念、書き下ろし作品。
Amazon商品ページより
芦花公園さんの作品でお馴染みである、物部斉清が登場する本書。
手に負えない怪異にはちゃんと理由があって、恐怖とともに人間の愚かさが語られるところが特に面白かったです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
友人との帰省
志村隼人は大学に入学後、同級生の籠生匠と知り合います。
匠は人当たりが良いものの、仲が良いといえるのは隼人くらい。
隼人はそんな彼と仲良くなる中で、実家への帰省についてきてくれないかと頼まれます。
四国の山奥にある匠の実家は、どこで何をしているのか筒抜けも同然。
東京生まれ東京育ちの隼人には理解できないものでしたが、色眼鏡をかけずに見ようと考え、二人で匠の実家に向かいます。
頷き仏
隼人は、匠の実家で彼の祖母と会います。
優しい人でしたが、彼女から『頷き仏を家に近づけた』という話を聞きます。
匠は少し震えていますが、隼人には意味が分かりません。
祖母がいうには、頷き仏とはいわゆる民間信仰なのだといいます。
見た目はお地蔵さんで、お願いはせず、ただいつもありがとうございます、と手を合わせるような存在とのこと。
おかしいことはありませんでしたが、匠は見てくると突然家を出てしまい、隼人は祖母に止められてとどまることになります。
行方不明
そのあと、家に電話がかかってきて隼人が出ます。
相手は意味の分からない言葉を話し、隼人は電話口の相手に抗議しますが、祖母は強制的に電話を奪って切ってしまいます。
不穏な空気の中、隼人は一夜を過ごしますが、翌日、祖母が亡くなっているところを発見します。
そして、匠は依然として帰ってきません。
隼人がやってきて訪れた大きな変化。
見知らぬ土地で、隼人は少しずつ抱いていた違和感や恐怖をさらに感じることになります。
感想
違う存在
本書には地方にずっと伝わる習慣、言い伝えが登場し、隼人はそれに直面することになります。
どれだけ偏見を持たずにいようと意識しても、どうしても受け入れられない。
習慣が違うから、というよりも、もはや生物として違っているのではないか。
それくらい隼人にとって、匠の実家があるその土地の文化は異質でした。
どれだけ隼人の常識の中で間違っていると訴えても、彼の味方をしてくれる人はいない。
この恐怖は想像を絶するもので、民俗的な作品の醍醐味が味わえます。
物部はあくまでおまけ
本書には物部が登場し、作品内において重要な役割を果たしてくれますが、僕はあくまでおまけ程度かなと思っています。
彼の存在が本書の魅力を押し上げていることは紛れもない事実ですが、それは彼が登場するまでの積み重ねがしっかりあるからです。
決して物部が登場するから良作になった、というわけではありません。
とはいうものの、彼が登場してからは、彼の発言一つ一つが胸に突き刺さり、どうやってもページから目が離せませんでした。
おわりに
芦花公園さんの描くホラーは複雑で、何かを解決あるいは取り除けば済むという話は少ないです。
頑張っても何ともできない理不尽さ。
その味わいが最高で、今回も大いに楽しむことができました。
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