『殺しへのライン』あらすじとネタバレ感想!文芸フェスで起きた殺人を描くシリーズ第三弾
『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。傑作『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に並ぶ、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!
Amazon商品ページより
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
本書では登場人物が限定された島が舞台で、一癖も二癖もある人物が勢揃いということで、ミステリにはもってこいの設定です。
最初から最後まで上質でとにかく面白いので、一気読み必至です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
プロモーション
ホロヴィッツは著作である『メインテーマは殺人』の刊行を控え、関係者とプロモーションについて打ち合わせをします。
実はホロヴィッツ、ホーソーン両名を招待している文芸フェスがあって、オルダニー島で開催されるのだといいます。
オンライン・カジノの有名企業が島のあらゆる事業を支えていて、戦時中はナチスに占領されていました。
犯罪発生率は極めて低く、ナチス占領時代を除けば、この島では一度も殺人が行われていません。
ホロヴィッツは不便な立地やフェスの知らない参加者に気乗りせず、なんとか断ろうとしますが、なぜかホーソーンは乗り気。
それによってホロヴィッツは強引な話を止めることができず、二人でフェスに参加することが決まってしまいます。
文芸フェス
文芸フェスというものの、参加者は作家といってもホロヴィッツは縁もないような人ばかりでした。
不健康な料理が売りのシェフ、目の見えない霊能者、戦争史家、児童文学作家、朗読詩人、そしてホロヴィッツとホーソーン。
この時点で楽しいイベントになるとは到底思えませんでした。
それでもホロヴィッツは何とか楽しもうとしますが、フェスに集まる人たちの間で良からぬ雰囲気が流れていて、和やかさとは無縁でした。
そして、事件が起きます。
奇妙な死体
パーティーの翌日、ホロヴィッツはホーソーンの口から殺人があったことを告げられます。
殺害されたのはフェスの後援者で、オンライン・カジノの会社の最高経営責任者であるチャールズ・ル・メジュラーでした。
巨万の富を得た彼は人から羨まれる、恨まれる理由が十分にあり、ある意味、被害者としては妥当です。
問題は、死体の状態でした。
チャールズの自宅にある隠れ家と呼ばれる建物で死体は見つかったのですが、喉にペーパーナイフが突き刺さり、右手を残して残りの四肢は梱包用テープで椅子に固定されていたのです。
これ以上ないほど残酷な殺害方法で、誰が何のためにこんな方法を選んだのか。
それが事件を解く鍵となることは容易に想像がつきます。
ホロヴィッツは一生懸命知恵を働かせて事件に挑みますが、真相にはかすりもしません。
そうこうしているうちに、ホーソーンは真実にたどり着き、驚くべき事件の全容を明らかにします。
感想
上質なミステリは健在
シリーズ第三弾ですが、フェアかつ上質なミステリは健在です。
どころか、巻数を経るごとに増している感さえあります。
文芸フェスで訪れた犯罪発生率の極端に低い島。
そこに集う一癖も二癖もある作家たち。
まず設定の時点で、ものすごくそそられます。
殺人事件がこれから起きますよ、といわんばかりの状況で、不謹慎ですがそれがいつ起こるのかワクワクが止まりませんでした。
実際に事件が発生すると死体の状態が不自然で、そこに隠された謎を解き明かすために読者は頭をフル回転させることになりますが、謎解きの過程が丁寧かつ面白いです。
小さなヒントを得て一つ謎が解けても、それが事件にどう繋がるのか分からない。
それを繰り返すと、ある時、急にパズルのピースのように組みあがり、事件の全体像が明らかになる手法は鮮やかでお見事でした。
二人の関係
本書でも相変わらずホロヴィッツとホーソーンの関係は良好とは言い難いものです。
ホロヴィッツは何とかしてホーソーンの思考を読み取ったり、彼のことを知ろうとしますが、いつでも空回りしてしまいます。
真面目で常識的な思考をしているのですが、どこかずれて感じられるところがまず面白い。
そして、本書においてホーソーンの過去が匂わされます。
彼は一体どんな過去を背負い、今に至るのか。
二人の関係については次巻以降に持ち越しで、読者の最大の関心事であることに変わりはありません。
じれったいと思いますが、それを含めて本書を楽しんでもらえたらと思います。
おわりに
これまで以上にミステリにうってつけの舞台で、心置きなく楽しめた作品でした。
ホーソーンに対する関心は高まるばかりなので、次作で少しでも彼のことを知れることを切に願っています。
次の話はこちら。
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