『一九八四年』あらすじとネタバレ感想!ディストピアを描く不朽のSF小説
“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。
「BOOK」データベースより
僕は村上春樹さんの『1Q84』が好きで、そこから本書に辿り着きました。
本書が近未来を描くのに対し、『1Q84』は近過去を描いたのだと、村上さんはいいます。
本書は一部の人間にとって都合の良い社会を築くために事実を改竄するようなディストピア社会。
冷戦下に執筆されたこともあって、現代(2023年)からすると、決して未来すぎるという話ではありません。
しかし、本来の人間としての生の喜びが失われたこの社会には嫌悪感を抱くし、どうしようもなく救いのないこの世界にどうしようもなく惹かれてしまったのも事実です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
背景
物語の世界は1984年。
第三次世界大戦を経て、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの三つに分断されていました。
主人公であるウィンストンはオセアニアにいて、真理省の役人として働いていました。
送受信を同時に行うテレスクリーンという機器が登場し、全ての音や行動が監視されています。
また『思考警察』という存在も登場し、一挙手一投足が監視されているという前提で、暮らさないといけません。
つまり、ここはディストピアでした。
政府
政府には真理省の他に、平和省、愛情省、潤沢省の四つの機能に分類されています。
真理省は報道、娯楽、教育および芸術、平和省は戦争を管轄、愛情省は法と秩序を維持し、潤沢省は経済問題を引き受けています。
法律というものは一切なく、どんな行為でも違法行為ではありません。
しかし、政府の厳しい監視によって問題行為が発覚した場合は、長期の強制労働や死刑が執行されるので、人々に自由はそれほどありません。
ウィンストンは冒頭、日記を始めますが、これも下手したら死刑に値するほどの行為ということで、いかに厳しい監視にあっているかが分かります。
疑問
この世界では言語が厳しく規制され、日々厳しくなっています。
目的は、政府の考えと異なる異端な思考が言語に依存しているのであれば、その言語を取り除くことによって、異端な思考を不能にすることです。
これによって人々は知らず知らずのうちに思考すらも管理され、政府の都合の良いことしか考えられなくなっていました。
そんな中、ウィンストンはその状況に疑問を抱き、日記に手記を残すことで自分の思考を保とうとします。
やがてウィンストンは同じような考えを持つジュリアと出会い、惹かれ、彼女と共に政府に反抗することを決意します。
感想
静かなディストピア
本書の描くディストピアは、決して表面上は暴力的ではありません。
歴史や言語など、あったことをなかったことに改竄して、人の記憶までも改竄してしまうので、知らない人からすればこのディストピアの状況が当たり前。
不満を抱くことすらありません。
しかし、思考を奪われていない僕からすると、本書の世界観はまさにディストピアそのもので、読み進めるたびにこの世界に迷い込んだら発狂しそうだと思いました。
というか、僕のいるこの世界がすでに厳しく統制されていて、僕も気が付かないうちに都合の良い方向に動かされているのかもしれない。
そんな思考も楽しむことができ、昔の作品であるということを一切感じることはありませんでした。
序盤がやや単調
本書の序盤はウィンストン視点での描写ばかりで、会話というものがほとんどありません。
かつ改行も少ないので、やや単調で、退屈するかもしれません。
しかし、ジュリアが登場するあたりで双方向のやりとりが生まれ、物語に起伏が出てきますので、まずはそのあたりまで多少の辛抱をして読むことをオススメします。
コツとしては、細かい設定が覚えられなくても本書の醸し出す嫌な雰囲気が損なわれることはありませんので、何となく嫌だなと思いながら読めばOKです。
おわりに
これからも先も読み継がれるであろう。
そんな確信が持てるスケール感があり、唯一無二の世界観がありました。
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