『秋の花』あらすじとネタバレ感想!女子高生の墜落死に迫るシリーズ第三弾
幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。
Amazon商品ページより
シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。

今回は私の高校時代の後輩二人にスポットライトが当たるのですが、かなり重ためです。
悪とは言えなくても、人間の複雑な心がなせることというか、読んでいて胸にくるものがありました。
シリーズの中でも特に円紫さんが救いになった話ではないでしょうか。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
過去
私と正子との話の中で、高校時代の話がでます。
私は生徒会に所属していて、文化祭の運営にも関わっていました。
その文化祭ですが、今年は中止になったのだといいます。
理由は、開催前に生徒が学校の屋上から落ちて亡くなってしまったからでした。
しかもその人は津田真理子といい、私が小学生の頃からの知り合いでした。
状況
真理子がなぜ屋上にのぼったのか、いまだに分かっていません。
屋上の鍵は閉まっていて、鍵は事務室にあります。
つまり開けようと思わなければ、入れない場所ということになります。
しかも時間帯が夜のため、真理子が自分の意志で開けた線が濃厚です。
これだけ見ると自殺に思えますが、当時の真理子の様子は思いつめたようなものがなく、自殺する理由など誰にも思い当たる節がありませんでした。
結局、事故という形で世間では認知されていました。
二人
真理子を語る上で、和泉理恵は外せません。
彼女もまた私の知り合いで、真理子と小学生の時からずっと一緒でした。
私は葬式に参加していて、その時の理恵の様子に心を痛めています。
そんなある日、私の家の郵便受けに教科書の見開きのコピーが入っていました。
科目は政治経済で、サインペンで書き込みもされています。
不思議に思っていると、後日、理恵と会って知ります。
これは真理子の教科書のコピーで、コピーだととることはできないことを。
感想
疑い
本書では最初に真理子の墜落死が提示され、教科書のコピーから私がそこに巻き込まれていきます。
当時の状況を知れば知るほどに、理恵がどのように関係しているのかが気になります。
はじめ、理恵の憔悴した様子は、親友の真理子が亡くなったから当たり前だと思っていました。
ところが、次第にそれにしても憔悴していて、何か他にも理由があるように見えてきます。
教科書のコピーの件もあるため、理恵が何か関与しているのでないか。
そもそもこれは事故なのか。それとも。
そんな疑いが次々に出てきて、読者は私と一緒にその疑念を胸に抱えながら読んでいくことになります。
重ため
本書では私の高校時代の話を追う関係で、正子や江美、円紫の出番は少な目です。
つまり、私の支えになってくれる存在がいないということになります。
私が疑念を抱き、不安になっても、それを晴らしてくれる存在はなく、終始重たい空気が流れています。
もちろん最後には円紫さんが救ってくれるわけですが、それでもそこまで一人で頑張った私は偉いです。
ここでもまた私の新たな一面、先輩として責任感を持って動く姿を見ることができて、とても満足感がありました。
人間の複雑さ
僕は本書を読んで改めて、人間の複雑さに気が付きました。
好きとか嫌いとか。
そういう白黒では分けられないことがあまりに多く、その時々によってそれらの感情は簡単にひっくり返ります。
とても感情的で、論理的ではない生き物。
それは自分にも当てはまることで、だからこそ絶対の正しさを求めない柔軟性であったり、他者を受け止められる器の大きさがほしいと、強く思いました。
個人的にはシリーズの中でもかなり好きな話でした。
おわりに
本シリーズは謎そのものではなく、そこに流れる感情や描写が魅力なんだと再認識しました。
こんなに丁寧に作り込まれた作品が読めて、今回も幸せでした。
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