『たてもの怪談』あらすじとネタバレ感想!加門七海が送る建物にまつわるホラー
元祖たてもの怪談。加門七海の場所にまつわる最恐怪談実話。
「建物」にまつわる怪しい話が満載の怪談実話集。自身の引っ越しにまつわる不思議な話やオカルト的蘊蓄満載の「引越物語」、自宅での恐怖体験、訪れた文化財で出会った“この世ならざるモノ”、東京都庁などの風水事情考察など、加門七海ならではの怖い怪談実話。文庫化にあたり、子供時代を過ごした町にある、増改築をした奇妙な家の物語「建物かいだん」を書きおろし。
Amazon商品ページより
加門七海さんならではの建物怪談実話集である本書。
怪談自体はもちろんのこと、加門さんらしい語り口や考え方も面白く、怖さだけでない魅力があります。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
道の話ー終わらない話
『魔の道』について、加門さんがこれまでナニカが潜んでいると記してきました。
続報がないことを願っていたものの、依然としてナニカは潜んでいるということで、再び筆をとって書いた話。
視覚的には分からないけれど、何かの通り道があり、その強さが語られています。
幽霊文化財
古い物には霊が宿る。
そんなことが言われていますが、ここでは北海道の萬念寺にある『お菊人形』に憑いているものについて語られます。
ホーンテッド・スウィート・ホーム
加門さんが大学の時、一番初めに知り合ったというTさん。
Tさんには霊感があり、加門さんは彼女の方が強さが上だといいます。
そのことが裏付けられたのは、加門さんがTさんの自宅に招かれた時でした。
夜遊び好き……らしい
加門さんが南にある小さな村を訪れた時の話。
その一帯には同じ苗字の表札がほとんどで、外との行き来があまりない様子がうかがえます。
さらに村唯一の神社まで同じ苗字を名乗っていて、その違和感に加門さんは興味を持ち、調べ始めます。
ひとり旅の醍醐味
十日誓ひとり旅の中で、加門さんは神社や寺ばかり巡っていました。
その旅の終盤で立ち寄った宿。
加門さんは理由が分からないが違和感を抱いていて、その原因を探していると、とんでもないものに遭遇します。
お化け屋敷の話
加門さんは遊園地のお化け屋敷が怖いといいます。
理由は、本物が混ざっていることがあるから。
そのことに関するエピソードとして、ここでは浅草にあった花やしきがあげられます。
在宅怪談
加門さんが家に戻ると、今に蓑虫が浮かんでいました。
それ自体はおかしなものではありませんが、都会のマンションの七階に、しかも不在にしていた数時間のうちに現れたのはどうも違和感がある。
この時はおかしなことが起きませんでしたが、ここから家に関する怪談が語られます。
引越物語
家がほしい。
加門さんのずっと以前から抱いていた夢。
それを実現するべく色々調べますが、これが一筋縄ではいかなく、それは加門さんらしい霊的なものに由来していました。
東京の「顔」ー風水の話
東京といえば、で表される顔。
近年でいうとスカイツリーの登場が大きな変化でしたが、それでも多くのものが長年、顔として保ち続けています。
ここで加門さんは平成三年、都庁が新宿に移転したことについて、風水的な検討をします。
建物かいだん
加門さんが幼い頃の話。
当時は気が付かなかったが、今思えば変な家だった、あるいは変になってしまった家があるといい、そのエピソードが語られます。
感想
生活に密接した建物
今回は『建物』怪談ということで、テーマを絞っているにも関わらず、バリエーションは豊かです。
あとがきで加門さんも言及していますが、建物は人間の生活に密接していて、切っても切り離せないからです。
普段暮らしている家から、旅行などで訪れる場所。
建物自体に問題があることもあれば、その場所自体に何かがあり、建物が変わっても違和感が拭えないこともあります。
本書では明確な怪異が登場することは少なく、怖い気がする程度のもので終わるものもありますが、それがまた怖いです。
他人事ではなく、自分もいつかどこかで体験してしまうのではないか。
そんな身近さがあるからです。
軽妙な語り口
加門さんの性格ゆえか、怖い話でもどこか軽快で、背筋が凍るようなことはありません。
このバランスが絶妙で、怖いものが見たいのに怖すぎるのは無理。
そんな読者のわがままに見事に対応しています。
一方で、怖さを純粋に求めている人からすると、かなりマイルドです。
カレーでいえば甘口で、決して大人が望むような辛口ではありません。
僕は加門さんの作品を何冊か読んでいるのであらかじめ予想はしていましたが、それでももう少し怖さがほしい、そんなことを思いました。
おわりに
決して他人事ではない。
いつ自分にも訪れるか、あるいは気が付いていないだけで、身近にあるのではないか。
そんな距離感が最後まで拭えず、適度な怖さを維持しながら読むことができました。
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