『フルメタル・パニック! アナザー7』あらすじとネタバレ感想!
戦場で初めて経験した死の感触を未だ振り切れずにいる達也。そんな中、手痛いダメージを受けた新生D.O.M.S.には新型〈レイヴン〉が投入された。囚われの菊乃は次なる戦いを呼び寄せてしまうのか、それとも―
Amazon商品ページより
シリーズ第七弾となる本書。
前の話はこちら。
前巻でついに一線を越えてしまい、非日常に大きく傾いてしまった達哉。
そこから彼は何を思い、どう行動に移すのかが描かれ、大きな成長と物語のさらなるスケールアップが感じられる内容になっています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
死の影響
前巻、達哉はついに人を殺すということを経験します。
それも、単なる敵とは異なる旭を。
このことは達哉に大きな衝撃をもたらし、いまだに気持ちの整理がつかずにいました。
一方で、旭の死は姉である菊乃にも大きな影響をもたらします。
菊乃は現在、達哉たちに拘束されていますが、表面上はいつも通りでも、行動の端々で旭の死がこたえていることが分かります。
立て直し
クララ率いる新生D. O. M. S.は前回の戦いで多くのASにダメージを負い、立て直しの必要がありました。
レイヴンがさらに二体補充される予定ですが、船で移動する達哉たちに届けるためには調整が必要です。
そこでユースフから提案されたのは、ソマリランドでの受け取りでした。
各々がしっかり根回ししているため比較的安全が担保されていて、菊乃はそこでしかるべき相手に引き渡される予定です。
久しぶりの上陸で、つかの間の休息を満喫する一同。
このまま順調にいけば問題ありませんでしたが、そうはいきません。
脱走
サミーラが見張りをしている時、菊乃は彼女をうまく挑発し、隙を見て脱走します。
クララを人質により、ヘリで離脱しようとしますが、そこに新型であるレイヴン三号機が登場。
搭乗者はユースフで、特殊な電子兵装によってヘリを墜落させることに成功します。
本来であれば殺害されもおかしくない状況でしたが、達哉はそれでも菊乃を生かすことを選択し、彼女もまた達哉の気持ちに応え、大人しくします。
ようやく菊乃から必要な情報を聴取できるようになり、ミハイロフたちがカエサル・プロジェクトなるものを実行するためにガルナスタンに向かっていることが明らかになります。
次の指針が見えてくるのですが、戦闘はさらに激化し、達哉たちはさらなる試練にさらされます。
感想
受け入れ
本書の序盤では、旭の死というものをどう受け入れて次に進むのかが焦点になっています。
達哉は求めに応じてとはいえ人を殺してしまい、それをどう乗り越えるのかが注目されますし、菊乃もまた素の自分と兵士としての自分の間で揺らぎ、感情を完璧に制御できるパーフェクトな人間でないことが明示されます。
そこから二人は旭の死を受け入れ、選択をするわけですが、それによってシリーズは新たな舵を切ります。
流れが変わって結末に向けて進路を定めた巻でもあるので、そういった意味でも重要性が高い話でした。
巨悪の影
カエサル・プロジェクトという言葉がついに登場し、これが最後に至るまで物語の根幹に居座ることになります。
本書では全貌が明かされませんが、その異様さは否が応でも伝わるような描写がなされ、その解決のために物語が展開していくことが容易に想像できます。
本格的にその異様さ・異常さが描かれるのは次巻以降になりますが、フルメタシリーズらしい規模の大きい内容になっているので、読んでいてワクワクが止まりませんでした。
おわりに
最終局面までまだまだ続きますが、ゴールがぼんやりではありますが見えてくる話でした。
新戦力も加わり、バトル面でも派手さ・緊迫感など諸々パワーアップしているので、あらゆる面で今後の話が楽しみです。
次の話はこちら。
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