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『円 劉慈欣短篇集』あらすじとネタバレ感想!『三体』著者がおくる十三の物語が詰まった短編集

harutoautumn
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三百万の軍隊を用いた驚異の人間計算機により十万桁まで円周率を求めようとする「円」など全13篇を収録した短篇集、待望の文庫化

Amazon商品ページより

『三体』で世界にその名を知らしめた劉慈欣さんによる短編集である本書。

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十三篇もの作品が収録されているので、劉慈欣さんの魅力を余すところなく集めた作品となっています。

『三体』のモチーフの原型があちこちに散りばめられているので、知っている人であれば思わずにやついてしまうはずです。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

鯨歌

ワーナーおじさんは高純度のヘロインを大量に有していますが、税関の厳しさゆえにアメリカ本土に持ち込めずにいました。

あらゆる方法が防がれる中、ワーナーおじさんの息子は大学で知り合った海洋生物学者・ホプキンズを推薦します。

彼は天才で、提案した方法は、クジラを外部から制御し、運んでもらうことでした。

地火

炭鉱労働者の過酷な人生を描いた作品。

劉欣(リウ・シン)の父親は、長年、炭鉱で吸い込んだ粉塵の影響で肺をやられ、亡くなっていました。

劉欣は安全に石油や天然ガスを採掘できるようたくさん勉強し、二十年後、あるプロジェクトを任されます。

郷村教師

私財を投じて子どもたちを教育する教師の話。

彼の命は物語冒頭ですでに尽きようとしていました。

さらに貧しい山村の厳しい状況も描かれ、なかなかハードです。

繊維

並行宇宙のことを繊維(ファイバー)と呼ぶ世界観の話。

別の繊維に紛れ込んでしまった男女が登場し、お互いの常識が通じないため、なかなか話が進まないところが面白いです。

メッセンジャー

趣味でヴァイオリンを弾く老人の話。

彼のもとにメッセンジャーを名乗る青年が現れ、彼の気にすることについて教えてくれます。

物語の仕掛け自体は一目瞭然ですが、短くも味わい深い作品です。

カオスの蝶

わずかなことが後に大きな違いを生み出すというバタフライ効果がテーマになっている話。

それを科学的に利用可能にし、利用した結果、どうなるかというところが非常に興味深かったです。

詩雲

短編『吞食者』の後日譚でありますが、読んでいなくてもそこまで影響はありません。

全知全能に思える神のような存在が、漢詩の魅力にとりつかれるというのが面白いバランスです。

栄光と夢

あるオリンピックを描いた話。

参加国はアメリカとシーア共和国で、勝敗によって両国の間で勃発しかけている戦争の行方が決まりますが、それはシーアにとって圧倒的不利な状況でした。

円円のシャボン玉

円円(ユエンユエン)は幼い頃からシャボン玉が大好きで、それは成長しても変わりませんでした。

優秀な成績をほこるにも関わらず、円円の興味はシャボン玉に注がれ、それがやがて偉業に繋がります。

二〇一八年四月一日

執筆当時の十年後を描くというテーマで執筆された話。

技術が発達したものの、貧富によってさらなる格差が生まれ、新たな悩みが生じていました。

人工冬眠技術が登場し、そこから三体のエッセンスが感じられると思います。

月の光

彼のもとに未来の自分から電話がかかってきます。

未来の彼は未来の惨状を伝え、それを変える方法を教えてくれます。

彼はそれをもとに未来を変えるべく動き出しますが、それが新たな惨状を生み出します。

人生

親の記憶遺伝を持った子どもを生み出す話。

ほとんどが会話形式で、博士と母親、胎児という奇妙な組み合わせで繰り広げられる会話が中心です。

人間の可能性を考える話で、とても印象的でした。

表題作。

『三体』に登場するVRゲームの一部を短編に構成しなおした話で、円周率の計算が肝になります。

しかし、この時代に計算できるほどの高性能な機器はなく、その代わりに使用されたのは三百万人もの兵でした。

感想

驚きの幅広さ

劉慈欣さんというとSFのイメージがあり、本書にはそのイメージ通り、あるいはそのイメージをさらに深めてくれる作品が数多く登場します。

しかし、組み合わせや角度を変えることで方向性や面白さは大きく変わり、劉慈欣さんの幅広さを改めて思い知らされました。

壮大で味わい深い

普通の小説家であれば、それだけで長編を描きそうなほどの豊富なアイディア。

劉慈欣さんはそれを惜しげもなく短編に詰め込み、未練もなくスッキリと書き切っているのも印象的でした。

いくらでも広げられるのに、それを凝縮して圧倒的な密度で作品にする。

そんな大作が十三作も収録されているので、満足感が半端ありません。

濃厚すぎて少し胃もたれするくらいで、数日に分けて読んだ方がより楽しめるかもしれません。

おわりに

劉慈欣さんの入門書として、もしかしたら最適な一冊かもしれません。

もし本書にドハマりしたという方は、一つの方向性を極めた『三体』シリーズも読むことを強くおすすめします。

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