『三体Ⅲ 死神永生』あらすじとネタバレ感想!壮大な物語を締めくくるシリーズ第三弾
三体文明の地球侵略に対抗する「面壁計画」の裏で、若き女性エンジニア程心(チェン・シン)が発案した極秘の「階梯計画」が進行していた。目的は三体艦隊に人類のスパイを送り込むこと。程心の決断が人類の命運を揺るがす。シリーズ34万部以上を売り上げた衝撃の三部作完結!
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帰還命令にそむいて逃亡した地球連邦艦隊の宇宙戦艦〈藍色空間〉は、それを追う新造艦の〈万有引力〉とともに太陽系から離脱。茫漠たる宇宙空間で、高次元空間の名残りとおぼしき“四次元のかけら”に遭遇する。〈万有引力〉に乗り組む宇宙論研究者の関一帆は、その体験から、この宇宙の“巨大で暗い秘密”を看破する……。
一方、程心(チェン・シン)は、雲天明(ユン・ティエンミン)にプレゼントされた星から巨額の資産を得ることに。補佐役に志願した艾AA(アイ・エイエイ)のすすめで設立した新会社は、数年のうちに宇宙建設業界の巨大企業に成長。人工冬眠から目覚めた程心は、羅輯(ルオ・ジー)にかわる二代目の執剣者(ソードホルダー)に選出される。それは、地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に握る立場だった……。SF最大の賞ヒューゴー賞をアジア圏で初めて受賞した『三体』に始まり、全世界に旋風を巻き起こした壮大な三部作、ついに完結。
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シリーズ第三弾で、完結作となる本書。
前の話はこちら。
壮大だった物語はさらに広がりを見せ、誰も予想できないような結末を迎えます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
死までの時間
雲天明(ユン・ティエンミン)は末期のがん患者で、多額の治療費がかかっていました。
治療費は彼の父親の貯蓄から出されていて、天明の姉はそれをよく思っておらず、彼の死を望んでいました。
そんなある日、天明のもとを大学時代の同級生・胡文(フー・ウェン)が訪れ、多額のお金を天明に渡します。
それは、かつて天明が出したアイディアが事業として大成功したことに対する、胡文なりの誠意でした。
天明はそのお金で最高の治療を希望しますが、それでももはや完治は望めず、代わりに彼はあることを実行に移します。
プレゼント
天明は胡文からもらったお金を使って、DX3906という名前の星を買います。
それを匿名で、大学時代の憧れの女性・程心(チェン・シン)にプレゼントします。
これで思い残すことはなく、天明は安楽死を希望します。
命が終わりを迎えようとするその時。
安楽死は急遽中止され、天明の視界にとある人が入ります。
それは、程心でした。
彼女は、安楽死法は天明のために作られたのだと、意味の分からないことを言いました。
階梯計画
面壁計画の裏で行われていた話。
PDC(惑星防衛理事会)戦略情報局、通称PIAは、三体艦隊とその母性を直接偵察することを目的としていました。
程心は航空宇宙エンジンの設計に携わっていましたが、すでに時代遅れの技術であると感じていて、PIAの新たなポストを提示されたことで、そちらに移ります。
PIAでは三体艦隊に向けて探査機を送ることを検討していますが、それにはいくつかの問題がありました。
推進力については目途が立ちましたが、探査機の重量が極めて軽いことが条件となっていて、人一人を送るのがやっとです。
そこでPIAが出した結論は、人間の脳だけを送り、届いた先の三体人によって蘇生してもらうというとんでもない計画でした。
当然、倫理的な問題が浮上し、余命宣告された末期患者の中から探すことで決まり、天明がそれに選ばれたのでした。
感想
理解の及ばないスケール
二作目である『黒暗森林』で綺麗に終わっていたため、本書は蛇足ではないかという声が少なからずあります。
僕も多少ではありますが、それを感じていました。
しかし、本書を読んでそんなことはなく、本書は『三体』という物語を締めくくるのに必要なピースだったと思うようになりました。
前作で三体危機が去ったものの、人類を襲う新たな脅威。
予想もしていなかった展開の数々に理解が追いつかず、終始圧倒されたまま本書を読み終えることになりました。
この物語を創造するにあたって、どれだけの知識とアイディアを必要としたのだろう。
著者の劉慈欣さんにはただ頭が下がるばかりです。
感情移入は難しい?
僕が良作かどうか選ぶ基準として、感情移入できるかどうかがあります。
もちろん海外作品であれば著者の育った文化と日本の文化が違うので、それを考慮する必要があります。
しかし、それを加味しても本書は感情移入しにくい作品だなという印象を受けました。
例えば程心の人間性。
誰とも知らない人から星をもらって喜び、ずっと気にしていなかった元同級生に対して涙を流しながら階梯計画に組み込み、決断できないことで人類を窮地に追い込む。
ただただその時の状況に流されているようで、主人公としてどうなの?というのが本音です。
というか、三体作品自体が女性に対して特有の認識、あるいは願望を投影していて、そんな人いるか?ということが何度もありました。
本書が面白いことは間違いありませんが、感情移入することは難しい。
それを念頭に置いて読むと、余計なストレスがかからないかもしれません。
二回目の読書からが本番
本書を本当に楽しむのであれば、少なくとも二回は読む必要があると感じています。
上下巻で千ページ近いので簡単に何度も読めるボリュームではありません。
しかし、複数回読むからこそ分かる面白さがあり、本書にはその価値が十二分にあります。
個人的なオススメはじっくり一回読むよりも、さらりと複数回読むことです。
物語の全体像が見えてくると物語の流れ、理論の吸収度が格段に上がるので、一回で完璧に理解しないようにすることが大事だと感じました。
おわりに
ここまで壮大で世界を広げてくれる作品にリアルタイムで出会ったのは、はじめての経験でした。
記憶が薄れた頃に読み直して、その世界観のディティールをよりはっきりさせたいと思います。
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