『図書館の魔女 第四巻』あらすじとネタバレ感想!壮大な世界がついに終わるシリーズ最終巻
海峡地域の動乱を期するニザマ宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座するは、宦官宰相の専横を忍んできたニザマ帝、アルデシュ軍幕僚、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師は追い詰められるのか?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
「BOOK」データベースより
シリーズ第四弾にして最終巻となる本書。
前の話はこちら。
六〇〇ページ以上の大ボリュームで描かれる壮大な世界観。
ずっしりと手にかかる重さに圧倒されましたが、読み始めるとキリヒトやマツリカたちの活躍に胸が躍り、同時に彼らとの別れが近づいていることに寂しさを感じていました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
誤算
冒頭、ミツクビの様子が描かれます。
彼の目論見通り、マツリカの左手は動かなくなりましたが、それで黙る彼女ではありませんでした。
マツリカ一向はそれで止まることなく、ニザマを訪れました。
ミツクビはその明晰な頭脳ですぐに彼女の目的に気が付きます。
ここでは彼の優秀さだけではなく、その異常性が描かれ、ゾワッと寒気がするほど怖さがあります。
会談
マツリカはついにニザマ帝、アルデシュの代表団との会談に臨みます。
その成り行きによって、今回の戦争を止められるかどうかがかかっています。
様々な思惑が交錯する中、ニザマ帝の発言によって、ニザマが決して一枚岩でないことが分かります。
彼の驚くべき決断に会談に出席する人の多くが動揺を隠せない中、一ノ谷側もまた和平のための策を提案します。
しかし、そこには和平を妨害したい人間の思惑も合わさり、物語はさらに予測できない方向へと展開していきます。
感想
名残惜しさが名作の証
本シリーズは文庫本にして四冊ですが、全部で二〇〇〇ページ近くにもなる大作です。
それを読むとなると、集中して読んでも一週間はまずかかります。
それだけ長い時間、キリヒトやマツリカなどがいる世界に触れてきたわけで、彼らに対していつの間にか情のような感情が芽生えていました。
登場人物の多くが誰も真似できないような能力、才能を有していますが、表面の皮が剝がれればそこにいるのは一人の生身の人間です。
血は通っているし、感情だってあったりします。
そんな彼らの織りなす世界に魅了され、愛すようになり、終わりを迎えて心が満たされると共に、まだ読んでいたかったと寂しさを感じました。
それは、本シリーズが名作だった証に他なりません。
ある種のボーイ・ミーツ・ガール
本シリーズは巻数を重ねるごとにキリヒトとマツリカの関係が深く、強くなっていくのが特徴です。
どちらも常人離れした能力を有していますが、根本的には年相応の少年少女です。
二人はお互いにだけその赤裸々な部分を見せ、心の底から安心して、幸せを何度も味わっていました。
本書では特にその関係性に焦点が当てられ、これはある意味、ボーイ・ミーツ・ガールだったのではと思わずにはいられません。
著者である高田さんが無数の言葉を用いて織りなした壮大な世界観。
唯一無二の物語の先にあったものが、こんなにシンプルで大切なものだったことが嬉しくて仕方ありません。
難解さは健在
自分よりも読書に精通した人がいくらでもいると分かった上で、自分もまた読書家であると自認しています。
なので難解な表現であっても時に根気強く読み、時にストーリーに直接は関係ないからと読み飛ばしながら本シリーズを読破しました。
しかし、読書に不慣れ、あるいは読書を始めたばかりの人にはオススメしにくいというのが本音です。
多くの人が本書の魅力に気が付く前に挫折し、そのページを閉じてしまうことでしょう。
それゆえに本書の魅力はある程度読書スキルがある人のみに伝わり、日本中で大ヒットすることはまずないのだと予想します。
残念なことですが、それでもここまで徹底的にこだわって描いたからこそ生まれた名作なわけです。
もし本書と偶然出会えたという人は、諦めずに本書と向き合い、最高の読書時間を味わえることを切に願っています。
おわりに
三十代になってこんなに色鮮やかな読書を楽しめるとは思ってもいませんでした。
著者の高田さんには感謝の気持ちしかありません。
ちなみに本シリーズには続編がありますので、そちらもこれからじっくり楽しむ予定です。
次の話はこちら。
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