『往生際の意味を知れ!3巻』あらすじとネタバレ感想!
元カノ・日和からの次なる要求!?
主人公・市松海路(いちまつかいろ)の前に、7年前に失踪した元カノジョ・日下部日和(くさかべひより)がある日突然、現れた。
母への復讐のため、市松の精子で妊娠するという日和。
そのために市松と日和は、付き合ってないけど付き合ってるようなある行為に及んで…?1, 2集に緊急重版のかかった話題作、最新刊。愛欲と覚悟の第3集。
Amazon商品説明より
三巻にして、ついに日和の復讐の対象である日下部由紀が登場します。
前の話はこちら。
これが底の知れない悪の塊のような人で、一気に物語が動いて面白くなったのは間違いありません。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
あらすじ
第14話『キスのあと』
市松の職場では独身者の話題が挙がり、独身である市松と八幡典子が話の槍玉にされます。
それがきっかけで典子は市松の現状を知り、なぜか応援する形になります。
市松は前回のキス騒動から日和と連絡をとっていませんが、日和の排卵日付近になれば必ず連絡が来ると予想。
そして、その日が来て偶然、典子は日和と出会ってしまいます。
さらに運が悪いことに、日和を見た市松の表情を見て、典子は市松に恋をしてしまうのでした。
第15話『2nd trial』
市松は五日間の有休をとっていて、そのまま日和とホテルに直行。
前回のキス騒動からなるべく部屋で二人きりにならないよう配慮する市松ですが、ロビーで思わぬ人と出会います。
日和の復讐相手であり、母親。
日下部由紀でした。
第16話『佐伯カナの目撃』
由紀は市松に気が付き、話かけてきます。
圧倒的なカリスマ性を見せて、たくさんの人に囲まれる由紀ですが、市松は臆せず日和から聞いたことの真偽を確かめます。
由紀は余裕の表情でそれらを否定しますが、市松は果敢に攻め、由紀は思わぬ行動に出ます。
市松が手を振り払った瞬間に大げさによろけ、自ら頭に傷を作ったのです。
端から見れば市松が突き飛ばしたように見え、市松は警察に連行され、留置所に入れられてしまうのでした。
第17話『留置所にて』
留置所に入れられた市松ですが、一晩経って釈放されます。
真っ先に日和に会いに行くと、事情を説明。
今のままのドキュメンタリーでは由紀の嘘を暴くことはできないと考え、日和とのさらなる対話が始まります。
第18話『生きているということ』
市松と日和はコミュニケーションを重ね、さらに市松は受精の作業をサポート。
それによって日和の本音が聞けるだけでなく、シリンジの挿入に成功します。
第19話『三女との再会』
市松と日和、珠緒、美智は三女・千世子の救出作戦を実行に移します。
千世子から事前にあらゆる情報は入手済みで、難なくマンションに潜入します。
日和たちの推測では千世子は発がん性物質の入ったジャムを食べさせられていて、しかし千世子は足が悪いことから逃げ出すことが出来ません。
美智を車に残し、三人は千世子と無事に合流。
千世子の提案で屋上で話すことに。
第20話『穴』
千世子は面白いものが見られると由紀の仕事部屋に三人を連れて行きます。
誰もいないと教えられていたはずなのに、そこにいたのは由紀でした。
日和は咄嗟に市松だけ部屋の外に出し、部屋の中の音声を聞かせます。
由紀は日和たちの作戦を知った上で泳がせ、一同を集めた理由。
それはこれまでのことを全て謝り、仲直りするためでした。
しかし、日和にも作戦がありました。
日和の部屋と由紀の仕事部屋の間には謎のスペースがあり、日和は市松に壁を破壊してその部屋を明らかにしてほしいと依頼します。
市松は日和たちが話している隙に、壁の破壊に臨みます。
第21話『初めての復讐』
マンション中に大音量が響き渡り、千世子と珠緒は家に様子を見に行きます。
しかし家の内側からロックが掛けられていて、千世子は住人にコンシュルジュを呼ぶようお願いします。
千世子にとって一番の望みは今の高水準な暮らしであり、日和や珠緒たちの考えには反対なのでした。
一方、日和は幼い頃に謎のスペースに父親が監禁されていることを知りますが、救出を母親に妨害され、監禁事態なかったと否定されてしまいます。
第22話『愛ゆえ』
市松が破壊した壁の先には、独房のような部屋がありました。
それでも由紀は自分の犯罪を認めようとしませんが、日和には奥の手がありました。
父親は由紀のしたことを記した日記の存在を日和に教えていて、日和はその場所を市松に教えているのだといいます。
無線で聞いていた市松は訳が分かりませんが、由紀に動揺が走ります。
やがて市松は日和の狙いに気が付き、なんとか時間を稼ぎます。
その間に日和は市松に合流すると、騒ぎを聞きつけた警察に囲まれる中で窓から一緒に飛び降りると、下の階に逃げるのでした。
感想
物語が一気に進展しただけでなく、めちゃくちゃ面白くなってきました。
由紀の強烈な悪意から復讐が冗談じゃないと分かっただけでも面白いのに、元カレ×元カノの恋愛要素が強まったことが非常に良かったです。
市松の、日和と一緒にいる時間に生きていることを感じるという言葉。
とても強烈で、これ以上ないほどの恋もとい愛だと感じました。
これまでの二人であれば市松の一方的な思いに過ぎませんが、これはしっかり日和にも響いていて、やり直しに向けて大きなステップを踏んだことが分かります。
日和の復讐が終わり、ちゃんと市松と向き合えるようになってほしい。
そう強く願う内容でした。
おわりに
色モノでないと、本書で確信できました。
非常に失礼な書き方ですが、それくらい三巻で一気に面白くなったし、これからもっと面白くなると期待してしまいたくなる内容でした。
次の話はこちら。