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『ゆめこ縮緬』あらすじとネタバレ感想!皆川博子の生み出す最高の幻想文学

harutoautumn
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闇に包まれた中洲を舞台に、生者と死者の黒髪に秘められた恋を紡ぐ「文月の使者」、奔放で美しい継母に、少年が見世物小屋で見た原色の記憶を重ね合わせる「桔梗闇」、挿絵画家と若き人妻の交流を濃密に炙り出す「青火童女」、蛇屋に里子に出された少女が垣間見る血族の秘密を描く表題作など、大正から昭和初期を舞台に綴る、官能と禁忌に満ちた8篇。「日本屈指の幻想小説集」と名高い名作を、詳細な解題を収録して完全復刊。

「BOOK」データベースより

皆川博子さんの作品は幻想的で、何が確かで何が不確かなのか分からなくなる。

その不安定さが狂おしいほど魅力的で、本書はその中でもその魅力が際立っています。

完全に理解することは困難ですが、巻末の解説である程度補完することができるので、まずは雰囲気だけでいいのでありのままを堪能してください。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

文月の使者

男は中洲にあるたばこ屋を訪れます。

そこには主人と、その息子の嫁がいて、三人は何気ない会話をします。

男の友人・弓村が精神の病で中州の病院で三年以上も入院していること。

三年前、雨宿りした家で珠江という麗しい男と出会ったこと。

珠江は男に心が動くと、髪が伸びてその男の首に巻きつく癖があること。

それが原因で男は幻を見るようになり、弓村と同じく入院する羽目になったこと。

不気味な話が進む中、男の話が一通り済むと、物語のテイストががらりと変わります。

影つづれ

夜、宿に泊まっている男が謎の声で目が覚めると、押し入れから女の声がします。

男は商売女かと思いますが、女にその気配はなく、男はなんとなく彼女の話をします。

男は絵を描いていて、女の口から『玉藻前』の名前が出ます。

そのまま女は玉藻前の伝説を語り始め、やがて怪異の色が濃くなっていきます。

桔梗闇

一ヵ月前から、周也の家に桔梗という女性が住み始めます。

桔梗が見世物小屋で働いているところを見たことのある周也は、そんな彼女の妖しさに惹かれていました。

一方で、召使いをはじめ、桔梗のことを悪く思っている人も多くあります。

そんな状況の中で、周也と桔梗のやりとりが妖しく描かれます。

花溶け

佳耶は産科の開業医と結婚しますが、謎の体調不良でずっと床に伏しています。

夫はそれに対して何も言いませんが、彼の妹で同居している毬子はぐうたら病だと指摘します。

隣の家からはバラさんと呼ばれる露西亜人の奏でるヴァイオリンの音が聞こえていました。

ここで描かれることは白昼夢のようなもので、佳耶の少女の心もあって、一層幻想的に感じられます。

玉虫抄

男は東北の農家の三男でしたが、ずば抜けて学力が高かったおかげで中学卒業後に上京し、医学部時代に資産家の娘の家庭教師をすることになります。

それが縁となって娘と結婚し、義両親の支援のおかげで医師として開業することができました。

忙しくも幸せなはずでしたが、男は妻や子どもをどうしても愛することができません。

そんな男のことが、時系列がバラバラで断片的に描かれ、最初は読んでいて戸惑うと思います。

読み進めると次第に物語の繋がりが見えてきて、物語がぐっと面白くなってきます。

胡蝶塚

陸軍士官の男の話。

男は昔、自分のことをお世話してくれた乳母の娘、その人によく似た少女と出会います。

男は自分の魂が墓である塚にあるといい、自分のことを死人だと考えていました。

軍人としての息が詰まる生活と、「胡蝶花(シャガ)」というワードが対比として描かる、印象的な話です。

青火童女

中州の病院で、鉄格子の中から指を突き出して誰彼構わず声をかける女が登場する物語。

挿絵画家と軍人の妻のやりとりが描かれます。

ゆめこ縮緬

私の弟は先天性のヘルニアでつきっきりの看病を必要としており、私は蛇屋を営む伯父の家に里子に出されます。

物語は私が回想するという形で描かれますが、注目するべきはそのラスト。

それを読むことによって、この短編集に仕掛けられた謎の感覚をある程度解消することができます。

感想

美しい小説

本書は幻想文学と言われる通り、現実と夢や妄想の境が曖昧で、目の前で描かれていることが何を示しているのかよく分からないことがけっこうあります。

リーダビリティは決して良いとはいえず、僕は一日一編読むのが精一杯でした。

かなりの体力と気力を要します。

しかし、それだけのリソースを割くだけの魅力が本書にはあります。

日本語はこんなに豊かで細部まで表すことができるのかと、うっとりとしてしまうほど美しい言葉がたくさん登場します。

それによって本書は他にない妖しさ、美しさ、儚さを獲得し、ここでしか得られない繊細な楽しさを教えてくれます。

最後が鍵

最後に収録された表題作『ゆめこ縮緬』ですが、ラストには思わずあっ、と声が出てしまいました。

本書を読んでいて、時代や地名などに共通点があり、何か関連があるのではとずっと気になっていました。

それが一気に回収されるのですが、これがかなり気持ち良いです。

そこまでかなり辛抱して読んできたことが報われる思いでした。

『文月の使者』がオススメ

僕はドクショと!さんのポッドキャストで『文月の使者』の存在を知り、購入しました。

これがとにかく面白いです。

怖くも魅力的な一文から始まり、どんな怪異譚が描かれるかと思いきや、予想だにしなかった展開が待っています。

ポッドキャストでは高橋留美子さんを例にとっていましたが、とても分かりやすい表現で好きです。

短い中にあらゆる要素が詰め込まれているので、本書を全部読むことが難しい人はとにかく『文月の使者』だけでも読んでみてください。

おわりに

皆川博子さんの魅力が凝縮されている一冊でした。

決して読者に優しい作品ではありませんが、ここでしか得られない幻想感は格別です。

時間のある時に、一文一文を噛みしめながら読んでみてください。

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