『妖精作戦』あらすじとネタバレ感想!ライトノベルの礎を築いた不朽の名作
夏休みの最後の夜、オールナイト映画をハシゴした高校二年の榊は、早朝の新宿駅で一人の少女に出会う。小牧ノブ―この日、彼の高校へ転校してきた同学年の女子であり、超国家組織に追われる並外れた超能力の持ち主だった。彼女を守るべく雇われた私立探偵の奮闘むなしくさらわれてしまうが、友人たちは後を追い横須賀港に停泊する巨大原潜に侵入する。歴史を変えた4部作開幕。
「BOOK」データベースより
ライトノベル(ラノベ)という言葉が存在しない中、学園もの×SFで現代のラノベの礎を築き、多くの読者・小説家に影響を与えた本書。
おそらくリアルタイムで読んだ人と令和に入ってから読んだ人では受ける印象が大きく変わります。
しかし、本書がラノベの先駆けであることを抜きにしても面白い作品であることは事実です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
出会い
夏休み最終日。
高校二年生の榊裕は新宿の映画館で徹夜した帰り道、小牧ノブという少女と出会います。
偶然にも榊と同じ高校への転校生で、学年も同じ。
機械が苦手という特徴をのぞき、ごくごく普通の少女に見えます。
榊は眠気もあってこの時のことはろくに覚えておらず、二人はそれぞれ男子寮、女子寮に戻ります。
その後、榊は友人で同室の沖田、真田らから少女を連れ帰ってきたことに対して追及を受けますが、この時はまだ平和そのものでした。
超能力
ある日の授業中。
突然、戦闘機が女子部の教室に突撃します。
非現実的な光景に誰もが唖然とする中、ノブは悲鳴を上げますが、それはイメージの中で力となって戦闘機を叩き落して墜落させます。
ノブ以外誰も戦闘機が墜落した理由が分かりませんでしたが、のちにノブが超能力の持ち主で、しかも並外れた能力を有していることが判明します。
とある組織はノブのようなエスパーを集めて秘密の計画を進めていて、そのために彼女を狙っているのでした。
誘拐
ノブの能力を再確認した謎の組織は、改めて彼女を誘拐することに成功します。
榊たちは自分たちの手でスクラップなどの部品を集めて作ったバイク二台で追走しますが、圧倒的な性能差でなかなか追いつけません。
このままノブを連れ去られてしまうと思われたその時、別のバイクが実力行使でノブを乗せた車を制止させます。
ノブを救ってくれたのは平沢という私立探偵で、多額の報酬と引き換えにノブのボディガードを引き受けていたのでした。
別れ
平沢のおかげでノブは無事でしたが、彼女は自分のせいで周囲を危険に巻き込んでいるという自覚がありました。
ノブはこれ以上迷惑をかけないようにと夜に寮を出て行ってしまいます。
それに気が付いた榊たちは彼女を手分けして探し、ヘリコプターで誘拐されようとしているノブを榊が見つけます。
榊はヘリコプターに乗り込んだものの麻酔弾で眠らされ、ノブと共にどこかに誘拐されてしまいます。
残された沖田と真田はヘリコプターを追いかけ、潜水艦に収容されるところを目撃します。
榊たちを奪還するためにはそれ相応の準備が必要で、沖田たちは出直して二人の救出に向かいます。
一方、平沢もノブ奪還のために動き出します。
感想
典型的なラノベ
僕は2010年代に本書を一度読み、それから十年ほどして再読しました。
すると前回と印象が変わっていて、典型的なラノベだというのが第一印象です。
主人公のいる学校に突然少女が転校してきて、実は超能力を持っていて悪の組織に狙われている。
主人公たちは高校生離れした知識、技術を駆使して縦横無尽に活躍する。
今ではそう珍しくない設定で、この類の小説を数多く読んできた人であればあまりパッとしないかもしれません。
しかし、シリーズの長期化を意識していないせいもあって展開が非常に早く、一冊で地上、水中、宇宙と様々なステージが用意されています。
ラノベというと人気シリーズの長期化が常で、それによって惰性で続いているような退屈さを覚えることも少なくありません。
その点、本書は出し惜しみなく持っているアイディア、魅力をストレートに表現してくれるので、そのまっすぐな情熱が読んでいて非常に清々しいです。
軽さと裏腹な専門知識
本書に登場するキャラクターたちはとにかく自由で、会話も軽やかです。
一方で、登場するバイクや戦闘機、潜水艦などは型番から細かい性能まで余すことなく記載されていて、これで理解できる人がどれくらいいるのだろう、というくらい専門知識のオンパレードでした。
この辺りのノリはオタクに通ずるものがあり、内容が分からなくても雰囲気だけで楽しい気分になれました。
本来、高校生ごときが悪の組織相手に活躍できるはずがないのですが、これだけのことを知っていれば案外できてしまうかもしれない。
そんな不思議な納得感がありました。
おわりに
1984年に発表されたとは思えないほど瑞々しい熱意にあふれていて、今読んでも十分通じる魅力を持っています。
ラノベについてより深く理解したいという人は、ラノベの原点という側面からも本書を読むとより楽しめるかもしれません。
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