『夜歩く』あらすじとネタバレ感想!首なし連続殺人事件に潜むどす黒い感情のオンパレード
「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真が、古神家の令嬢八千代のもとにまいこんだ。三日後に起きた、キャバレー『花』での佝僂画家狙撃事件。それが首なし連続殺人の発端だった……。因縁の呪いか? 憎悪、貪欲、不倫、迷信、嫉妬と、どす黒い要素が執念深くからみあって、古神家にまつわる、世にも凄惨な殺人事件の幕が切って落とされた!!
Amazon商品ページより
金田一耕助シリーズ第七弾となる本書。
前の話はこちら。

金田一不在の前半パートと、金田一が登場する後半パートに分かれ、それぞれ味わいが異なります。
特に後半は金田一の出番がそれほど多くないこともあり、怒涛のような展開が待っているため、爽快感は特に高めです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
相談
前半は私こと屋代寅太の視点で進行します。
大学で知り合った友人・千石直記に相談を持ち掛けられ、それは腹違いの妹である古神八千代のことでした。
事の発端はキャバレー『花』で去年起こった、佝僂の画家・蜂屋小市が狙撃された事件で、撃ったのは八千代なのだといいます。
ここまで八千代と蜂屋には何の関係もありませんでしたが、ここで事件の構図が少しずつ明かされます。
手紙
去年の夏頃、八千代のもとに手紙が届きます。
差出人の名前はなく、近いうちに八千代のもとに現れて結婚するという無茶苦茶な内容でした。
その手紙は破り捨ててしまいましたが、その後も発信局を変えて手紙が届き、手紙の主は八千代こそ自分の妻になるよう運命づけられた者なのだといいます。
そして最後の手紙には写真が同封されていて、写っている人物が手紙の主だといいますが、特徴的に蜂屋によく似ていました。
ここで八千代と蜂屋が結びつきます。
出来すぎた話
屋代と千石はもちろん蜂屋の仕業とは思っておらず、千石からは八千代の異母兄である古神守衛の名前があがりますが、真偽のほどは分かりません。
またここで、八千代にはある癖があることが判明します。それは夜に歩く、夢遊病です。
さらに事件後、八千代は蜂屋が手紙の送り主でないことを知り、逆に彼に興味を持ち始めていました。
事件当時は変装していたためバレない自信があり、お見舞いに行ったほどです。
蜂屋も八千代を気に入り、一週間前から彼女の招待で千石たちの家に泊まっていました。
事件こそまだ起きていませんが、何かが起こりそうな予感だけがあり、千石は探偵小説を書いている屋代に相談を持ち掛けたのでした。
感想
謎のオンパレード
本書は前半でキャバレー『花』での事件が明かされ、そこから千石や八千代たちの家の話が膨らみますが、とにかく謎が多いです。
手紙の件もそうですし、古神家にも暴いたら大変なことになりそうな話がゴロゴロ出てきます。
千石から聞いた話だけで情報量が多く、いずれも奇妙な合致を見せていることから、どこか作り物めいて聞こえます。
実際に古神家に顔を出すと千石の話通り、いやそれ以上の曲者揃いで、読んでいるだけで気分が悪くなるほど人間の醜悪な部分が詰め込まれています。
もちろんというか、視点である屋代も千石と単なる仲良しではなく、必要があって付き合っているためそれが行動や言動の端々に出ています。
前半は金田一不在のため弱いですが、その分、設定や登場人物の異様さで楽しむことができました。
怒涛の推理パート
金田一が登場してからはかなり展開がスピーディーになります。
登場後も新たな事件が起こるわけですが、金田一は持ち前の頭脳で得た情報とそれまでの情報を鑑みて、事件をいともたやすく解いてしまいます。
その手腕は鮮やかで、彼の登場を待った甲斐があるというものです。
真相についても一捻りあり、驚かされた人も多いのではないでしょうか。
人物関係を頭に入れるまでやや時間がかかりますが、そこからはもう楽しむだけなのでご安心ください。
おわりに
家にまつわる忌々しさというのは現代小説では設定的にピンとこないことも多いため、そういった成分が摂取できる本書や本シリーズは貴重です。
差別的な表現や時代設定から多少の古臭さを感じるかもしれませんが、それが気にならないほど面白いのでぜひ挑戦してみてください。
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