『世にも奇妙な君物語』あらすじとネタバレ感想!小説だから出来た奇妙な五篇の物語
異様な世界観。複数の伏線。先の読めない展開。想像を超えた結末と、それに続く恐怖。もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに―では始めましょう。朝井版「世にも奇妙な物語」。
「BOOK」データベースより
『世にも奇妙な物語』といえば、最後にどんでん返しが待っていたり、その奇妙さにちょっとしたホラーが味わえたりして、ファンの人も多いと思います。
本書はその『世にも奇妙な物語』を朝井リョウさんが考え、小説だからこそ出来る形で落とし込んだ作品になります。
映像ではできない、小説だからこそ物語で、あのテレビを通じて味わったどんでん返しだったりちょっとしたホラーの感触を味わうことができるので、『世にも奇妙な物語』ファンは必見です。
WOWOWオリジナルドラマにもなりました。
公式サイトはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=DiulTjdCg9c
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
第1話 シェアハウさない
田上浩子は幼い頃に性的犯罪の被害にあい、心に傷を負っていました。
その事件を境に同級生は浩子を避けるようになりますが、これを機にクラスメイトのれいなと友だちになり、その関係は大人になっても続いていました。
れいなによって浩子は救われ、ノンフィクションライターとして一冊の本を出版し、自分のような被害にあった人たちを一人でも多く救いたいと願っていました。
そんなある日、浩子は居酒屋で一人泥酔して帰れずにいると、見知らぬ女性の家で介抱されることになりました。
そこはシェアハウスで、年齢も性別もバラバラな四人の男女が暮らしていました。
家賃の安さや出会いを求めてシェアハウスに住むことはありますが、この四人にはその理由が当てはまらないように思えます。
浩子はそういったシェアハウスの記事を書きたいと思っていたので、これは千載一遇のチャンスです。
住人の一人が偶然退去するということで、浩子はその後釜として入居することを決めますが、その決断はすぐ後悔に変わります。
四人には、このシェアハウスに住む理由がちゃんとありました。
第2話 リア充裁判
社会はコミュニケーション能力を何よりも重視するようになり、『コミュニケーション能力促進法』が成立しました。
国はコミュニケーション能力を向上させるために人と人が交流する機会を設け、それをSNS等で共有し合うことを促進。
そして、十八歳以上の就労前の市民から無作為に選ばれた対象者に対して、日本人らしいコミュニケーション能力を培ってきたのかを問う場を設けました。
それがいわゆる『リア充裁判』です。
主人公の知子の姉は自分の将来のために努力し、こういったコミュニケーションの場とは無縁でしたが、知子にとっては最愛の姉でした。
ところが、姉は『リア充裁判』に招集され、コミュニケーション能力がないと一蹴されてしまいます。
その結果、姉は自分の将来を歪められてしまいます。
知子は姉をそんな風にした大人たちとコミュニケーションをとるべく、かつての姉のように勉学に励んできました。
そして、ついに『リア充裁判』に招集され、姉が間違っていなかったことを証明するためにコミュニケーションの場に立つのでした。
第3話 立て! 金次郎
金山考次郎、通称金次郎は幼稚園の先生をしています。
金次郎は園児一人一人のことを考え、それぞれが望むことのために努力する情熱家でしたが、学年主任の須永は保護者からのクレームを回避することこそが目的で、馬が全く合いません。
おまけに近頃はそんな須永の方が保護者の評判が良く、金次郎の熱意は折れかけていました。
保護者からのクレームにより、年間行事ではどの園児も平等に目立たせるよう指示されていますが、園児の一人・小寺学人は目立つことを嫌い、目立つことなど望んでいませんでした。
金次郎は悩みますが、やがて学人の望む形で活躍できるとある方法を思いつくのでした。
第4話 13・5文字しか集中して読めな
検索サイト『ワールド・サーフィン』では、配信するニュースを十三・五文字のタイトル、三行百二十文字以内の要約に統一していました。
それによって読者は手軽にニュースを読むことができ、今や新聞よりも影響力を持っていました。
もちろん言葉が少ないために誤解を招くこともありますが、それはすぐに訂正すれば大丈夫。
それがニュース編集室の考えです。
ニュース編集室で働く香織は自分の仕事に誇りを持ち、息子の直喜もニュースに興味を持ったおかげで同年代の子に比べてたくさんの言葉を知っていました。
家庭を支えてくれる共働きの夫もいて、まさに順風満帆の人生。
そう思われましたが、香織は気が付いていませんでした。
この仕事のやっていることが自分に向けられた時のことを。
第5話 脇役バトルロワイアル
新作舞台の主演を決めるオーディションに集まった六名の男女。
実在する俳優さんたちをモデルにした登場人物ばかりで、名前やキャリアからすぐ誰だか分かるようにできています。
年齢も異なれば、これまで演じてきた役もバラバラ。
おまけに会場には六人以外に誰もおらず、六人は戸惑います。
しかし、すでにオーディションは始まっていました。
部屋にはカメラが設置されていて、六人の一挙手一投足が見られていました。
オーディションの課題はシンプル。
脇役っぽいことをした人から不合格を言い渡される、脇役バトルロワイアルでした。
感想
これぞ小説版『世にも奇妙な物語』
読んで本当に驚きました。
当たり前のように登場する奇妙な設定。
日常に見えて、だんだんと流れ始める不穏な空気。
最後に待っているどんでん返し。
まさに小説版『世にも奇妙な物語』でした。
ミステリでありホラーでもある
本書は五つの奇妙な話で構成されていますがどれもテイストが違うので、一口に奇妙な話といっても読んだ印象が全く異なります。
ミステリもあれば、ちょっとしたホラーもある。
一冊で非常に満足感のある仕上がりになっています。
個人的には『13・5文字しか読めな』が一番面白かったです。
オチの方向性は予想通りでしたが、衝撃が段違いでした。
そこまでするか。
いや、そこまでするから『世にも奇妙な物語』なのだ。
頭の中で容易に映像化することができ、痛快、そして怖いという感情が半々で湧き上がってきました。
おわりに
『世にも奇妙な物語』ファンは必見な一冊ですが、本書でその面白さに気が付いた人は、ぜひ『世にも奇妙な物語』も観てみてください。
小説の新たな可能性を感じることができ、満足です。
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