『宿で死ぬ 旅泊ホラー傑作選』あらすじとネタバレ感想!旅泊をテーマにしたアンソロジー
瀟洒なホテル、老舗の旅館、秘湯の湯煙……古今東西さまざまな怪奇譚の舞台となってきた「宿」をテーマに、大人気作家たちの傑作短編を一挙に集結!
Amazon商品ページより
ホラーなことは非日常に潜む。
そんな感覚があったので、この旅泊をテーマに集めた短編ホラー集はタイトルを見ただけでもうテンションが上がりました。
作家さんごとに持ち味も魅力も異なっているので、一冊で何度も美味しい作品です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
三つの幽霊
著者である遠藤周作さんが、実際に経験した三つの怪談。
場所はフランスのルーアン、リヨン、伊豆とバラバラですが、それぞれ納得のいかない奇妙なことが起きていて、それが描かれています。
屍の宿
わたしは不倫相手の涼子とともに旅行に来ていました。
涼子が見つけた田舎町の宿に泊まりますが、店員の横柄な態度に不快な設備の数々と、一言で最低の宿でした。
次第に二人は不機嫌になり、最悪の旅行となります。
しかし、本書の見どころはそこではありませんでした。
残り火
房江は夫と結婚してから、舅に人間とは思えない扱いを受けていました。
夫もまた夫婦はそうあるべきものという考えを受け継いでいて、夫に尽くすだけの人生を送っていました。
娘の文子から沖縄旅行に誘われますが、夫は自分を置いていくことをよしとせず、旅行当日は彼のために風呂を薪で沸かしています。
房江がここまで耐えられたのにはある理由がありましたが、それがこの時揺らぎます。
封印された旧館
私は学生時代の友人・張本から、彼の教え子で不思議な体験をした子がいると教えてもらい、その教え子・真子と会います。
真子は大学二年生の夏休み、あるホテルでアルバイトをして、その時のことが忘れられないといいます。
彼女の働いたホテルには、山の上に旧館があり、行ってはいけないのだといいます。
その理由は明かされず、不思議に思いながらも働いていた真子ですが、そこで奇妙なことがいくつも起きます。
湯煙事変
和泉蠟庵と耳彦は、旅本を書くためにとある村にある宿に泊まります。
さびれて、お世辞にも良いとはいえない宿。
温泉は気持ちの良いものですが、夜には入ってはいけないのだといいます。
しかし、危ないことは旅本には書けず、このままでは仕事の目的が果たせません。
そこで耳彦は一人で夜、温泉に入りますが、そこで不思議な光景を目にします。
深夜の食欲
とあるホテルマンは深夜、ワゴンに食事を載せ、ルームサービスを頼んだ客のもとに向かっていました。
ワゴンはヘイスティングと呼ばれ、取り扱いが難しいものでした。
道中、不吉なことがいくつも起こり、嫌な予感が次第に募ります。
カンヅメ奇談
作家の私は原稿の進捗が芳しくなく、ホテルにこもって執筆することにします。
泊まって一週間、次第に執筆のペースが上がってきましたが、その頃から夜中にあらぬものの気配を感じるようになります。
螺旋階段
おれはオーディションに落ち、そろそろ潮時だろうかと考えていました。
螺旋階段の途中、彼は試写会で観た映画のことを思い出します。
そこにも螺旋階段が登場し、次第におれの置かれている状況とリンクしていきます。
ホテル暮らし
私は北海道から東京に戻り、そこで四年ぶりに繁田と再会します。
繫田は麴町三丁目に念願だったホテルを建てたのだといい、いつか見に行くことを約束します。
ところが、この再会には奇妙なところがあり、私は嫌なものに次第に巻き込まれていきます。
狐火の湯
ぼくは二、三年前にとある温泉場に滞在していました。
ある晩、大浴場の風呂に浸かっていると、外で青光りするものを目にします。
最初は蛍かと思いましたが、やがて違うことに気が付き、そこからおかしなことを次々に体験することになります。
トマトと満月
僕が予約してあったホテルの客室には、すでに先客がいました。
おばさんと一匹の犬で、僕は事情を話しておばさんにどいてもらいますが、彼女は何かにつけて僕に話しかけてきます。
僕はうんざりしながらもそれに対応しますが、やがておばさんはとある話をします。
感想
色とりどりのホラー
旅泊といっても、そのバリエーションは様々です。
いかにもホラーな体験ができそうないわくつきの宿もあれば、一般的なホテルもある。
旅行というキーワードは出てくるものの、日常に身を置いたホラーもある。
それを作家さんごとに作品に取り入れているので、見どころも怖いと感じるポイントも違っています。
王道なホラーもいいですが、やはり自分の予想とは違うところに恐怖が潜んでいた時の快感もたまりませんでした。
『封印された旧館』がおすすめ
どれも甲乙つけがたい名作ですが、その中であえておすすめを選ぶとしたら、僕は『封印された旧館』を推します。
封印、旧館、というワードだけで嫌な予感がプンプンします。
それを他人から聞く、という形で描かれるので、客観的に事の重大さが分かります。
王道ゆえに展開が読めますが、それも含めて王道で、最初から最後まで存分に楽しめました。
おわりに
ホラー小説ってなんて面白いんだろう。
その魅力を再発見させてくれる一冊でした。
他にも『家』をテーマにしたアンソロジーもあるので、そちらも早い内にチャレンジしたいと思います。
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