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『噓つきジェンガ』あらすじとネタバレ感想!三つの詐欺を巧みに表現した小説集

harutoautumn
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つい重ねてしまった嘘の先に……
『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

Amazon商品ページより

出来心でついてしまった嘘で立場が悪くなり、やがて引っ込みがつかなくなってしまう。

積みあがった嘘はまるでジェンガのようで、一つの嘘が暴かれる時、バランスを崩して一気に倒れてしまう危険性をはらんでいます。

そんな誰しもが経験のある心理を辻村深月さんが巧みに描き、三つの詐欺に昇華させています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

2020年のロマンス詐欺

加賀耀太は大学に通うために山形から上京しますが、新型コロナウイルスによって大学に通うことは出来ず、親からの仕送りは半分になって経済的にピンチでした。

そんな時、地元の幼馴染の奥田甲斐斗からオンラインでできるバイトを紹介され、耀太は喜んでそのバイトを始めます。

ところが、そのバイトは詐欺そのもので、耀太が次第にそのことに気が付いた時にはもう遅く、逃げ出せなくなっていました。

耀太は良心を痛めながらもお金持ちのふりをして引っかかりやすそうな人たちにメッセージを送り続け、未希子という女性とやり取りをするようになります。

未希子の言葉でたまに本音が出てしまう耀太。

はじめは他愛のないやりとりでしたが、やがて未希子からとんでもない言葉が飛び出します。

五年目の受験詐欺

風間多佳子には二人の息子がいます。

長男の誠一は昔から要領が良く、現在は京都の国立大学に通うために一人暮らしをしています。

一方、次男の大貴は高校二年生になってもどこか子どもっぽさが抜けず、最近では目を合わせて会話をすることもあまりありません。

それでも平穏で幸せな日々でした。

しかし、そんな日々を一本の電話が引き裂きます。

相手は島村という女性で多佳子の知らない人ですが、島村は多佳子のことを知っていました。

そこで島村が明かしたのは、多佳子の忘れたい過去。

五年前、まさこ塾に通っていて、大貴が現在通う中高一貫校に合格するために、塾長であるまさこに百万円を払ったのでした。

そして島村はそれが詐欺で、百万円は学校側に支払われていないのだと明かします。

あの人のサロン詐欺

紡は谷嵜レオという名前で漫画の原作を書いていて、いくつもヒット作を生み出していました。

非公式ではありますが創作オンラインサロンと称して人を集め、創作のための指南を行ってもいました。

受講生は誰もが紡に熱い視線を送り、彼女もまた彼ら、彼女らの役に立っていることに高揚感を覚えていました。

ところが物語が少し進むと、驚くべきことが明らかになります。

紡はただの谷嵜の一ファンに過ぎず、サロン自体が詐欺だったのです。

悪いことだとは理解しつつも、紡の生活はサロンによって成り立っていて、十年大丈夫だったんだからこれからも大丈夫。

紡はそう考えていました。

ところが一つの事件をきっかけに、彼女の人生は大きく変わってしまいます。

感想

笑い飛ばせないリアルな心理

なんでそんな嘘をつくのだろう、悪いことをするのだろう。

読んでいる人の中には、こんな風に思う人もいるのではないでしょうか。

確かに不安のない状態で見れば、どれもリスクが高く、取り返しのつかない嘘ばかりです。

しかし、はじめはどれも大したことのない嘘で、その時は引き返せたのです。

それが上手くいっていると錯覚すると止められず、気が付くと引き返せない場所にまで来てしまった。

こんな心理状態に、誰もが覚えがあるのではないでしょうか。

コロナ禍での困窮や寂しさ、子どもの受験、他人への見栄。

絶対にやらないと思いながらも、改めて気を引き締めなければと怖い気持ちで読んでいました。

既出が残念

はじめの『2020年のロマンス詐欺』を読んだ時、一行目の時点ですでに既視感がありました。

何だろうと思っていたら、なんとすでに読んだことがあったのです。

それは豪華なアンソロジー『神様の罠』でした。

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内容はある程度忘れている部分もあったので再読で面白かったのですが、一つ目の物語が既出というのはどうしてもがっかり感が拭えませんでした。

『神様の罠』はアンソロジーで辻村ファンでも読んでいないという人もそれなりにいると思うので、そういう人であれば特に問題ないと思います。

小粒感が否めない

三つの物語。

どれもそれなりに面白かったのですが、どうしても小粒感が否めません。

展開がある程度予想がついてしまい、短編ゆえにそこからの方向転換もない。

長編だと驚きがなくても丁寧に描かれていればそれで満足できるのですが、短編だとどうしても意外性が欲しくなってしまい、その点が物足りませんでした。

また『あの人のサロン詐欺』ではチヨダ・コーキの名前が登場します。

辻村ファンであれば狂喜乱舞してもおかしくないほどのサプライズです。

しかし、それも出てきたから何?という程度のもので、ちょっとした味付けに使われてしまったことも残念に感じてしまった要因の一つです。

おわりに

面白いことは面白いのですが、辻村さんの作品に自分は夢や希望といった青臭いものを求めているのだと気が付いてしまい、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。

一方でこのご時勢だからこそ起こりえる嘘がしっかり描かれていて、今読むからこそ生まれる価値もあるのだと感じました。

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