『厳選恐怖小説集 牛の首 小松左京 恐怖小説集』あらすじとネタバレ感想!
「あんな恐ろしい話はきいたことがない」と皆が口々に言いながらも、誰も肝心の内容を教えてくれない怪談「牛の首」。一体何がそんなに恐ろしいのかと躍起になって尋ね回った私は、話の出所である作家を突き止めるが――。話を聞くと必ず不幸が訪れると言われ、都市伝説としても未だ語り継がれる名作「牛の首」のほか、「白い部屋」「安置所の碁打ち」など、恐ろしくも味わい深い作品を厳選して収録した珠玉のホラー短編集。
Amazon商品ページより
別の作品で『牛の首』を題材にした短編を読んで、本書に辿り着きました。
小松左京さんの作品は『復活の日』を読んだだけだったので、こんな作品も書くのだと意外性があり、新鮮な気持ちで読むことができました。
表題作の面白さはもちろんのこと、収録されている十五の短編それぞれに違ったテイスト・魅力があり、最後まで飽きずに楽しめます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
ツウ・ペア
彼は自宅で目を覚ますと、右手が赤く染まっていることに気が付きます。
どこにも怪我をしてませんでしたが、手の甲に爪でひっかいたようなみみず張れがあります。
また右手には細くて長い女性の髪の毛も挟まっていて、覚えがありません。
翌日以降も気が付くと手が血にまみれ、彼は身に覚えのないことに混乱しますが、次第に状況が明らかになります。
安置所の碁打ち
彼はひどく飲んだ翌日、目を覚まし、日常を過ごします。
体調は良くも悪くもありませんが、熱い番茶を飲んでも熱く感じません。
二日酔いになっていてもおかしくないはずなのに、朝ごはんも普通に食べられます。
極めつけには体は冷たく、慌てて寒暖計で計るととても生きている人間の体温ではありませんでした。
それもそのはずで、彼の心臓は止まっていたからです。
十一人
十人の調査隊員たちはこれから五年、地球ではない星で地球との連絡もなしに暮らさないといけません。
この星をはじめて発見した探検隊によると、この星に生物の生息は確認できていないが、正体不明の危険の兆候があるのだといいます。
十人は乾杯をしようとしてグラスを配って気が付きます。
隊員は十人でグラスは十個のはずなのに、グラスが一つ足りないのです。
怨霊の国
私は拘置状にいる友人の田村をたずねます。
田村は自殺を考えていて、私に心臓麻痺と偽装できる薬品を指定しますが、私は友人のためには協力できないといいます。
田村には亡くなった妻がいて、生前交信していた悪霊たちに苦しめられているのだといい、彼女が悪霊になるのを防ぐためには死ぬしかありません。
私には到底理解できないような話がここから続きます。
飢えた宇宙
巨大な宇宙船の中。
乗組員が次々に消えるという事象が発生していました。
四人が消え、残ったのはアキオとマリアの二人だけ。
見えない恐怖と対峙することになりますが、やがて真相が明らかになります。
白い部屋
彼には、彼女がさびしいところに置き去りにされている様子が見えています。
しかし、友人の医師の視点から見ればそれは妄想にしか見えません。
彼が抵抗する中、治療が行われます。
猫の首
ある朝、夫婦は家の門柱の上に仔猫の首が置かれているのを見つけます。
そばには首を切ったであろう大きなたち鋏も置かれていて、恐怖をあおります。
また娘の智子が『わんわん』が一匹いなくなっていることを口にしますが、夫の発言からわんわんんがいることを外で言ってはいけないことが分かります。
それはなぜなのか。
話が進むにつれて、異様な状況が明らかになります。
黒いクレジット・カード
クレジットカードがまだ一般的には普及しておらず、一部の富裕層のみが使っていた頃の話。
高村には縁のないものでしたが、ある日、一枚のクレジットカードを拾います。
裏面には名前がなく、魔が差した高村は自分の名前を書いて実際に使ってみます。
時間が経っても不正を怪しまれることがなく、高村は自分のお金でないことをいい気に贅沢を味わいますが、そんな虫の良い話ではないことがすぐに分かります。
空飛ぶ窓
娘が学校から帰ると様子が普段と違っていて、母親が聞くと、帰り道にまどを見つけたのだといいます。
それも原っぱにまどが浮かんでいるという、ありえない風景。
両親は見間違え、あるいは妄想だろうと気にも留めませんが、ある日、本当にまどを目撃します。
まどの外は今いる場所とは全く違う風景で、興味を持ちますが、それが悲劇の始まりでした。
牛の首
私はある日、S氏とT氏から『牛の首』という怖い話を聞きます。
気になって詳細を聞きますが、聞かない方が良いとして二人は詳しいことを教えてくれません。
その様子からも本当に怖がっていることが分かり、私はますます知りたくなります。
その後も色々な人に『牛の首』のことを聞きますが、誰もが知っていても教えてくれず、異様さが際立ちます。
私の中になぜという言葉が膨らむ中、『牛の首』の正体がついに明らかになります。
ハイネックの女
片岡の住むマンションの隣に吉田という冴えない男性が住んでいて、ある日、若くて綺麗な女性と部屋に入るところを目撃します。
女性は鹿浪久美子といい、出会って一週間にもかかわらず、すでに一緒に暮らしているのだといいます。
なぜ吉田のような男に。何か裏があるのではないか。
そう疑う片岡ですが、二人の家に招かれてもただ仲の良いカップルにしか見えず、片岡の嫉妬心が膨らみます。
しかし、それから不思議なことが起こり、片岡は久美子が普通の女性でないことを知ります。
夢からの脱走
夜中、彼は悪夢で目を覚まします。
夢は戦争のことで、彼は戦争に参加した経験があります。
しかし、その時の戦争とは年齢や装備が違っていて、なぜそんな夢を見るのかが分かりません。
その後も同じ夢を見ることになり、現実と夢の境が次第に曖昧になります。
沼
信三は祖母が亡くなり、二十数年ぶりに帰省します。
村が見えてくると当時の記憶が甦ります。
信三には思い出しくないことがあることがすぐに分かりますが、その時、助けを求める小さな子どもの声が聞こえます。
葎生(むぐらふ)の宿
数年前に通ったことのある場所の近くに寄りますが、道に迷ってしまいます。
手入れされておらず、荒れ果てた道。
途中で車のエンジンが焼け切ってしまい、このままでは抜け出すことができないと焦りが募ります。
そんな時、彼はとある家を見つけました。
生きている穴
私は、小島の様子が変なことを気にしていました。
話を聞いてみると、小島の家に穴があいたのだといいます。
地下室にできた穴を小島は修理しますが、それは今もなお大きくなっていました。
さらに建物の設計的に穴の先に大空洞が広がっていることはありえず、二人は恐怖を覚えます。
感想
バラエティ豊かな恐怖
本書には十五の短編が収録されていますが、どれも違った魅力を持っています。
超常的な恐怖を扱ったものもあれば、世にも奇妙な物語のように気がつくと途端に恐ろしくなるものもあり、一冊とは思えない満足感がありました。
小松左京さんの作品で恐怖に関係するものをまとめているため、良い意味でまとまりがありません。
テーマがないからこそ、次はどの方向から恐怖がくるのだろうと、ドキドキしながら読めます。
発表されて年数が経っているものも多く、読む前からオチが読めるものも多いですが、それで魅力が損なわれないところに作品としての強さを感じました。
原典を読む価値
ホラー好きであれば、『牛の首』を読んでおいてまず損はないと思います。
十ページにも満たない短さ。
内容も単純明快で、読んでいて迷うことはありません。
不思議なタイトルと、それに負けないくらいの不思議な内容。
原典をついに読めたという喜びもありますし、『牛の首』を題材にした作品の面白さを再発見することもできました。
おわりに
過剰な恐怖を煽るわけではなく淡々としているのですが、それが怖さを煽る良作でした。
時代性を感じつつもリーダビリティが高いので、小松さんの他の作品にも挑戦したいと思います。
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