ライトノベル

『春夏秋冬代行者 春の舞 下』あらすじとネタバレ感想!十年前の後悔を晴らすべく物語が動き出す

「独りにしないで。お願い帰ってきて」

 世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。

『春』の少女神雛菊には生涯の忠誠を誓う剣士が居た。名を「さくら」。職位は代行者護衛官。愛する主を拐かした者へ、悲劇を傍観していた者へ、自分達を傷つけた全ての者に復讐すべく刀を抜く。主を守って死ぬと決めた。だからもう迷わない。師と仰いだ男への恋慕は捨てた。これより先は、覚悟ある者だけが進める戦場なり。いざや、春の舞を踊ろうぞ。暁 佳奈が贈る、春を世に顕現する役割を持つ少女神の物語。堂々完結。

Amazon商品ページより

物語の完結作となる本書。

前の話はこちら。

これまでの後悔が一つになり、止まっていたそれぞれの時間が一気に動き出します。

五〇〇ページ近いボリュームがあるにも関わらずまだ書き足りないのでは?と思うほど物語の密度が濃く、最後まで見届けることができたことを本当に嬉しく思います。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

雛菊の過去

これまで細切れに情報が出ていたものの、雛菊の生い立ちや過去についてすべてが明記されていたわけではありません。

冒頭、雛菊の過去について描かれます。

雛菊の母親・雪柳紅梅は娘と同じく、春の代行者でした。

代行者は血縁関係なく、その時最も相応しい者に受け継がれるため、親子揃って代行者というのは極めて異例なことです。

紅梅は当時の冬の代行者・花葉春月を愛していて、彼もまた紅梅のことを大切にしていました。

春月に戦略的な目的で新たな婚約者が出来たことで、二人の関係は終わったかのように思われました。

ところが二人は思いを止めることができず、結果として雛菊が生まれました。

紅梅と雛菊は春月の正妻派閥から陰湿ないじめを受け、隠れてひっそりと暮らすしかありませんでした。

その後、紅梅は雛菊を春月に託して自殺。

残された雛菊はいつも寂しい思いをすることになります。

しかし、そこで従者であるさくらと運命的な出会いを果たし、二人はお互いの傷を癒し、いつしかかけがえのない存在となるのでした。

共闘

上巻の終盤で、秋の代行者・祝月撫子が賊に誘拐される事件が起きました。

賊は雛菊を誘拐した者たちで、統領は御前と呼ばれる女性です。

御前は娘を亡くしていて、最初は雛菊を娘の代わりにしようとしましたが逃げられています。

だから今度はまだ幼い撫子を誘拐し、自分の娘にしようとしているのでした。

そのためすぐに命の危険があるわけではありませんが、状況は刻一刻と変わり、いつ危険にさらされるか分かりません。

雛菊とさくらにとって、御前は十年前の後悔を晴らすべき相手であり、十年前の悲劇を繰り返させないことで未来に向かうことができます。

二人は撫子の捜索に協力することを決意。

それだけでなく、夏の代行者と従者、加えて冬の代行者と従者も協力してくれることになり、こうして四季の代行者と従者がはじめて共闘することが実現しました。

内通者

これまで四季の里が攻撃された経緯から考えると、十年前も現在も仲間の中に内通者がいることは明白でした。

事実、撫子救出のための作戦が相手に読まれ、逆に窮地に立たされることもありました。

内通者は誰なのか。

撫子は本当に無事なのか。

疑いの気持ちは不安を増大させます。

それでも一同は十年前の悲劇を繰り返させないために懸命に戦い、ついに決着の時を迎えます。

感想

堂々の完結

壮大な物語が、本書にて堂々の完結を迎えました。

四季を巡らせるという、まさに神の力を授かった四人の代行者。

それを公私ともに支える従者。

古い仕来りに縛られた旧態依然とした態勢と、それを脱却したいと願う新たな可能性を持つ人たち。

これだけでも掘り下げようと思えば、いくらでも新たな物語を作ることができます。

本当に上下巻で読者が納得できるところまで描き切ることができるのか。

そんな不安が常に心の片隅にありましたが、読み終わってみれば全くの杞憂でした。

それぞれの背負った後悔を、どうやって晴らして未来に繋げるのか。

心の細かい機微まで丁寧に描かれていて、常に雛菊たちと心を共にしているような感覚でした。

苦しい場面がたくさんありましたが、最後には桜の舞い散る春のような美しく、煌びやかな光景を見ることができて、もう感無量です。

四季の残された物語

本シリーズには掘り下げる要素がまだまだたくさんある一方で、本書で綺麗に終わっているのでわざわざ続編を描く必要はありません。

しかし、僕は読み始めた時からずっと疑問に思っていることがありました。

それは本書のタイトルに『春の舞』とついていることです。

四季の代行者と従者が描かれていますが、ストーリーを考えれば雛菊とさくらの物語であることは間違いありません。

ということは、残りの四季についてもメインに据えた物語を暁佳奈さんは考えているのではないか。

続編の余地を残すために、わざわざタイトルに『春の舞』という言葉をいれたのではないか。

そう考え出すと、もっと彼らの物語が読みたいという欲求があふれ出して止まらなくなりました。

暁さんは2021年に専業作家になられたということなので、これから執筆ペースはおそらく上がってくるはず。

新作はもちろんのこと、本シリーズの続編を執筆する余裕と可能性があるのではないか。

わがままだと分かりながらも、そんな厚かましい願いが頭から離れません。

それくらい終わってしまうのが惜しい作品でした。

おわりに

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の時も思いましたが、暁さんの物語は繊細でいて強く、読者にどこまでも優しさをくれます。

あとがきで本書の存在を『夜長の毛布』と表現していて、その祈りが本書にはこれでもかと詰まっています。

たくさんの人に読んでほしいのはもちろんですが、何か辛いことがあって心が弱っている人。

そんな人にはぜひ本書を読んでいただき、次の戦機が訪れるまでの毛布になれば幸いです。

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