『聖者の落角』あらすじとネタバレ感想!病が完治した裏に怪異が潜む佐々木事務所シリーズ第三弾
病院に忽然と現われ、子どもたちの願いを叶える謎めいた黒服の青年。難病も嘘のように完治するが、態度が豹変し異様な言動をするという。心霊案件を扱う佐々木事務所に相次いで同様の相談が舞い込んだ。原因を探るるみは、土地にまつわる月の伝説が鍵と考えるが、怪異は治まらない。そんな中、彼女は恐ろしい疑惑に捕らわれる――願いは代償を要求し、祈りは呪いに変貌する。底なしの悪夢に引きずりこむ民俗学カルトホラー!
Amazon商品ページより
佐々木事務所シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
今回は佐々木るみが視点ということで、これまで見られなかった彼女の内面が見られるとともに、物語の魅力は健在、あるいはパワーアップしています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
依頼
るみのもとに、事務所の入っているビルのオーナー・泉から依頼が入ります。
依頼したいことは、泉の小学生の同級生・丹羽桃子に関することでした。
桃子は世田谷で洋菓子屋を経営していて、シングルマザーで娘の唯香と二人で暮らしていました。
唯香は先天性の心臓の病気で病院に通っていましたが、ある日を境に彼女は元気になり、外で遊べるほどに回復しました。
不可解でもそれは喜ばしいことですが、今度は別の問題が起きます。
唯香が夜中、一人で出歩くようになり、部屋に鍵をかけても無駄でした。
さらに唯香は別人のような言葉を言うようになり、桃子はもうどうしたらいいか分からなくなっていました。
桃子も泉も、唯香が元通りになるよう願っていて、るみは恩のある泉の依頼を引き受けることにします。
違和感
るみは状況をさらに把握するために桃子と会います。
彼女と話す中で、唯香が変わったのは病院で行われたイベントに参加した後だったことが判明します。
るみは唯香と同じイベントに参加した子どもを持つ母親にも当たり、状況の把握に努めます。
一方、いつもなら協力してくれるはずであろう助手の青山に協力を断られます。
断られたことよりも、青山の態度や様子にるみは違和感を覚えます。
唯香と同じイベントに参加していた子どもの話を聞くと、その子もまた同じ状況になっていたことが判明します。
治るはずのない病気が治り、代わりに言動や行動におかしな点が見られるようになった。
桃子は聞き込みの中で、唯香が『おさらさま』という言葉を口にしていたことを思い出します。
おさらさまとは一体何なのか。
るみは青山に頼れないため、高校時代からの付き合いである絶世の美青年・片山の協力も得ながら調査を進めますが、その中で一連の出来事の裏に潜む怪異の存在に気が付きます。
感想
圧倒的なリーダビリティ
本書を読んで改めて思ったのが、本シリーズが圧倒的にリーダビリティが高いということです。
病気が治って異様な言動をとる子どもたちの裏に潜む、おさらさまの存在。
るみの、青山に対する拭えない不安と疑念。
常に次は何が起こるのだろう、という期待を読者に抱かせながら物語は丁寧に、かつ適切なスピードで展開していきます。
読みやすく、それでいて随所にばらまかれた伏線が後になって良い味を出していて、読者を惹きつけることを忘れません。
これだけ良質なホラーかつエンタメを安定して世に送り出す芦花公園さんの実力は本物というしかなく、こんなに発売日を待ちわびて、その期待すら上回る読了感を与えてくれるなんて最高すぎます。
青山不在の不安
本書ではるみの助手として、常にコミュニケーションの支援を行ってくれている青山が不在となります。
るみは思ったことを悪気なく口にするタイプなので、心に傷を抱えた、あるいは心が弱っている人との会話で余計なことを言ってしまうことも多く、苦戦します。
その部分は絶世の美青年である片山がある程度カバーしてくれるのですが、それでもるみの不安は消えません。
るみは青山のことを母親になってくれる人と思っていて、形はともあれ、大切に思っていることは間違いありません。
それが分かる心理描写が物語のあちこちにあり、本シリーズの重要な要素の一つとして二人の関係があることは間違いありません。
本書の怪異を得て新たな決意をしたるみなわけですが、それが次巻以降で二人の関係にどんな変化をもたらすのか。
楽しみです。
おわりに
『猿の手』の引用が良かったです。
願いには代償がかかるというのは、ホラー小説では定番の概念ですが、どうしようもなくなった人はすがるしかないというのも理解できる感情なので、それも含めて非常に面白かったです。
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