『三体』あらすじとネタバレ感想!全世界で大ヒットを記録したSF小説
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。
「BOOK」データベースより
ここ数年の中で、世界で最もヒットした小説といっても過言ではない本書。
いつ読もうかとずっと躊躇していましたが、Kindleでシリーズ通して半額セールが実施されていたので、迷わず購入しました。
そして読んで、ヒットした理由に納得しました。
天文力学の『三体問題』を下敷きにした本格SF。
そのスケールの大きさに終始驚きっぱなしで、大ボリュームにも関わずあっという間に読んでしまいました。
またNetflixで映像化もされ、2024年3月21日から配信されます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
絶望
一九六七年の中国。
毛沢東主導による政治闘争・文化大革命の最中で、知識人は批判の対象となっていました。
葉文潔の父・哲泰は力学の専門家で、紅衛兵たちによって惨い仕打ちを受けます。
その結果、哲泰は文潔の前で命を落とし、文潔は人類に絶望することになります。
メッセージ
それから日々は過ぎ、文潔は紅岸基地の研究プロジェクトにスカウトされます。
プロジェクトに参加すれば、一生基地から出られないと言われますが、文潔は迷わず参加を決めます。
それから文潔は宇宙の監視をすることになり、宇宙に向かってメッセージを送っていました。
意味のない行為に思えましたが、ある日、同じ言語でコーディングされたメッセージを受信します。
そこには地球の場所が特定されてしまうため、応答してはいけないという、平和主義者からのメッセージが込められていました。
メッセージを送信してからの時間を考えると、情報の発信源は地球から四光年くらいしか離れていないことになります。
人類に絶望していた文潔は、人類の抱える問題解決のために手を貸してほしいというメッセージを作成し、それを送信するのでした。
謎の自殺
四十数年後、ナノ素材の研究者である汪淼(ワン・ミャオ)は、史強(シー・チアン)ら警官に連れられ、軍人たちが多く出席する会議に同席することになります。
そこで汪淼は、物理学者たちがこの二か月足らずで、立て続けに自殺していることを聞かされます。
最後の自殺者の遺書には『物理学は存在しない』と書かれていました。
物理学者たちの共通として、エリート科学者で構成される団体『科学フロンティア』と何らかの関係を持っていることがあげられ、汪淼もまた彼らからアプローチを受けていました。
そこで汪淼は科学フロンティアにスパイとして潜入してほしいと依頼されますが、それ以降、彼の身におかしなことが起こります。
汪淼の目には、ゴースト・カウントダウンが浮かぶようになります。
自分ではこの問題は解決できないと判断し、科学フロンティアの申王菲(シェン・ユーフェイ)に相談を持ち掛けます。
三体
申王菲は汪淼の率いるナノマテリアル・プロジェクトを中止するよう忠告。
汪淼は納得できませんでしたが、メンテナンスのために実験を休止すると、本当にカウントダウンが止まりました。
申王菲は何を知っているのか。
その時、汪淼は彼女が遊んでいたゲームのことを思い出します。
Vスーツを着用し、申王菲の遊んでいたゲームへログインします。
そのゲームは『三体』という名前でした。
感想
壮大な序章
僕はそこまでSF作品を数多く読んできたわけではありません。
しかし、本書の持つ壮大なスケールと、現実でも起こりうるかもしれないというリアリティに終始圧倒されてしまいました。
こんな読書体験は久しぶりです。
文潔がどうして人類を見限り、地球外生命体にコンタクトをとったのか。
時が経ち、汪淼がどうして一連の騒動に巻き込まれてしまったのか。
本書ではそれがとても丁寧に描写されていて、この大ボリュームにも納得です。
おまけに本書はあくまで序章に過ぎず、これからが本番だというのだから、そのスケールの大きさをなんとなくご理解いただけるのかなと思います。
没入するまで時間がかかる
本書の難点をあげるとすれば、それは読書が軌道に乗るまで時間がかかるということです。
まず登場人物が基本的に中国の人なので、漢字と読み方が一致するまでかなり時間がかかります。
振ってあるルビで覚えるのは難易度が高いため、すんなり読みたい人には漢字読みでそのまま読むことをオススメします。(文潔=ブンケツなど)
それから時代背景、物理学、人間関係。
どれも理解するのに難易度が高く、かつ深くまで描写されているので、新しい設定が出る度に読書スピードは落ちやすくなります。
読み終えて思ったのは、はじめは理解はそこそこで良いのかなということです。
まずは細かいこと抜きにして物語の持つ強さ、魅力をありのままに堪能してもらって、二度目以降の読書で細かい設定を自分に落とし込み、腹落ちするまでじっくり読み込むと本書を二倍も三倍も楽しめると思います。
おわりに
手を出すまで時間がかかりましたが、待った甲斐があった名作でした。
次巻以降でいよいよ物語が本格的に展開していくので、まずは細かいことを考えずに堪能したいと思います。
次の話はこちら。
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