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『さえづちの眼』あらすじとネタバレ感想!比嘉姉妹シリーズ初となる中編集

harutoautumn
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長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

Amazon商品ページより

比嘉姉妹シリーズ第六弾となる本書。

文庫としての前作はこちら。

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シリーズとしては初の中編集ということで、短編のようなバリエーションと、中編のようなボリュームのあるホラーを楽しむことができます。

この記事では、本書のあらすじや感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

母と

塩貝琢海は家庭環境に恵まれず、常にイライラして仕方ありませんでした。

家が嫌で寄り付かず、良くない人たちとも付き合い、振り込め詐欺に加担したことで捕まってしまいます、

幸いにして有罪にはなりませんでしたが、琢海が連れていかれたのは自宅ではなく、鎌田滋という人の家でした。

そこは『鎌田ハウス』と呼ばれ、引きこもりや不良の少年少女を預かり、しゃきっとさせることを目的としていました。

琢海はすぐにでも出ていくつもりでしたが、居心地の良さに気が付くとずっと暮らしていて、鎌田や一緒に暮らす少年少女たちと家族のような関係を築きます。

そんなある日、琢海は鎌田ハウスがよくないものに狙われていることを知ります。

あの日の光は今も

巴杵(はぎね)池事件は、1981年に大阪で起こったUFO目撃事件です。

当時、巴杵町に住んでいた少年二人がUFOを目撃し、はじめは証言が一致していました。

ところが後になって、少年のうちの一人・大谷昌輝は証言を変え、次第に二人の証言は食い違うようになります。

昌輝の証言はもう一人の少年のものに比べて大げさで、少年や周囲は昌輝が嘘をついていると思っていますが、彼にそのつもりはなく、事件から何十年経っても心無い人たちによって傷つけられることになります。

昌輝は嘘をついているのか。

二人の少年が目撃したのは何なのか。

様々な人たちとのやりとりの中で、証言の食い違いの真相が明らかになっていきます。

さえづちの眼

表題作。

わたしは家政婦として架守(かがみ)家に派遣され、そこで住み込みで働きます。

家政婦はわたしで四人目で、それまでの家政婦はみな一年以内に辞めていました。

何か理由があるのかと思われましたが、架守家の人たちはみなわたしを温かく受け入れてくれて、これ以上ないほど良い職場環境でした。

わたしは派遣元の所長・大前に手紙を書くという形で物語は描かれますが、ある日からわたしは架守家に漂う違和感に気が付きます。

はじめは気にならない程度でしたが、やがて無視できないほど大きくなり、ある時、わたしは恐ろしいものを目にします。

感想

中編の強み

本書には三つの中編が収録されています。

どれも百ページ前後のボリュームで、短編に比べてディティールが細部まで描かれ、読み応えがあります。

さらに本シリーズの主人公格である比嘉真琴と野崎、琴子、『ずうのめ人形』に登場するあの人がメインとなる話がそれぞれ用意されていて、シリーズとしての魅力も十分備えています。

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個人的には『母と』が好みで、従来の比嘉姉妹シリーズに一番近いものだったと思います。

結婚しても、これまでの関係と変わらない真琴と野崎は健在で、分かりやすい怪異に読者の期待を裏切らない展開と、まさに王道作品です。

パンチは弱め

引っかかるポイントはなく、純粋な良作ですが、一方でガツンとやられるようなパンチ力には欠けているように思えました。

『母と』はそれなりに不気味さ、恐怖がうかがえる作品でしたが、他二編については次第に浮かび上がる真実とそれによる恐怖という構成は理解できますが、さらりと読めてしまったところが印象の弱さを裏付けているような気がします。

『さえづちの眼』では琴子が登場し、当事者たちが巻き込まれている事態の解決に乗り出しますが、ぽっと出の感が否めませんでした。

彼女の特性上、依頼されればどんな事件、怪異にも参入できるわけですが、必然性に欠けるというか、シリーズ作にするために登場させたという印象がどうもぬぐえませんでした。

まさかの

『あの日の光は今も』についても言及します。

当初、どんな風に展開するのだろうとフワフワしながら読んでいましたが、次第に物語の形がくっきりしてきて、予想外かつ面白い展開になったのは良かったです。

はじめ、なぜこの物語が比嘉姉妹シリーズに組み込まれたのか分かりませんでしたが、既巻を読んですぐにその理由が分かりました。

それだけで面白さが増し、このあたりはシリーズならではの強みだと思います。

もし僕と同じくピンとこなかった人は、シリーズ二作目の『ずうのめ人形』を再読することをオススメします。

おわりに

シリーズでお馴染みの登場人物はやや控えめでしたが、それでも上質なホラーであることに変わりはなく、十分に楽しめました。

前作『ばくうどの悪夢』は未読なので、これは読まないとまずい。

そう思えるくらい、やっぱり面白くて大好きなシリーズであることを再確認できました。

次の話はこちら。

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