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『パッとしない子』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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小学校では、およそ先生も生徒もごく短い期間で入れ替わっていく。先生からすれば、生徒の顔を覚えるのも大変だし、勤務経験が長くなれば、生徒の数は累積し、記憶にも濃淡の差が出てくる。優等生、すぐ懐く子、やんちゃな子、問題児、そして、印象の薄い子。そんな教師と生徒の関係をスリリングに描いた作品だ。
小学校の図工の教師、松尾美穂はその日を、ちょっと高揚した気分で迎えた。教え子で、人気絶頂の男性アイドルグループのメンバーになった高輪佑(たすく、25歳)がテレビ番組収録のため、母校を訪ねてくるのだ。10数年前、美穂が担任をしたのは、佑の3歳下の弟だが、授業をしたのは事実で、佑ファンの娘にも羨ましがられている。美穂の記憶にある佑は地味で、パッとしない子供だったし、プロはだしと称賛される絵の才能も、片鱗は見いだせなかった。撮影を終え、完璧な笑顔で現れた佑は、意外にも松尾に話したいことがあると切り出したが……。

【Amazon内容紹介より】

本書はKindle Single と呼ばれるサービスで出版された四十ページ程度の短編です。

Kindle Singleでは著者の出版したいページ数で出版できるので、著名な作家さんの作品が手軽な金額で読むことができます。

また、『kindle unlimited』や『Prime Reading』対象の作品でもあるので、すでに該当サービスを利用している方であれば無料で読むことができます。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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有名人

本書の話題の中心となるのは、『銘ze(メイズ)』という五人組男性アイドルグループの一人である高輪佑(たかなわたすく)です。

最近ではテレビで見ない日がないほどの活躍ぶりで、松尾美穂はかつて佑の弟・晴也の担任をしていました。

しかし、佑の子どもの頃の印象は『パッとしない子』で、周囲にもそう話していました。

唯一、記憶に残っているエピソードとして、美穂は佑が小学六年生の時の運動会の入場門を挙げます。

佑は係として柱を真っ黒にしたいと希望し、図工担任の美穂がそれを後押ししたのでした。

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取材

ある日、番組の取材で佑が美穂の在籍する母校の小学校を訪れます。

佑は美穂のことを覚えていて、二人きりで話したいことがあるといいます。

周囲は恩師との再会だと思い、美穂も感謝の言葉を伝えられるものとばかり思っていました。

しかし、佑の口から出た言葉は、美穂への憎しみでした。

パッとしない子

佑は、美穂が自分のことをパッとしない子だと言いふらしていることを知っていました。

それも美穂の夫を含めて複数人から聞いています。

有名人である佑は、自分の過去を好き勝手に話されることには慣れていました。

しかし、美穂にだけはそれを許しません。

ここからは佑の記憶に基づく話ですが、当時の美穂は若くて人気がある一方で、佑も晴也も好きではありませんでした。

美穂がお墨付きを出せばそういう雰囲気になる、それくらいに絶大なる影響力を持っていました。

しかし、晴也はそんな雰囲気についていけなくて体調を崩し、美穂はそんな晴也が好きではありませんでした。

その後も耳を疑いたくなるような発言を美穂は続け、佑は、この世には尊敬しなくてもいい大人がいることを知ります。

それらのことが重なり、佑も晴也も、彼らの母親も美穂のことが大嫌いでした。

しかし、どれも美穂には覚えがないことばかりで、繊細すぎてついていけないと苛立ちます。

また、美穂の記憶する運動会の入場門について、佑は自分ではないと断言しますが、美穂は佑だったとはっきり覚えています。

もうどちらが正しいのか分からない状況ですが、ただ一つ、佑はそう認識していました。

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約束

時間になり、佑は帰り際に美穂に約束してほしいといいます。

金輪際、僕のことを見ないでほしいと。

しかし、佑は見ない日がないくらいの有名人であり、テレビだけでなく雑誌などにも登場するので、不可能といっていい約束です。

それでも佑は、何度も念押しします。

美穂はとりあえず謝罪し、晴也は元気かと訪ねると、元気だと答えます。

その後、佑は何事もなかったこのように帰っていくのでした。

結末

美穂は後になって、晴也が交通事故で亡くなったことを知ります。

県内では有名な話ですが、憎まれている美穂に高輪家は教えなかったのです。

美穂は周囲に言い訳をする一方で、自分がそのことを無遠慮に佑に聞いてしまったことを思い出します。

佑はきっと、美穂にとって晴也はそれくらい関心が薄かったことを悟ったのでしょう。

しかし、佑の憎しみは逆恨みもいいところで、美穂は理不尽だと泣きそうになります。

気を良くした別の先生が銘zeのダンスを運動会のクラスの出し物にしたいと言い出しますが、美穂からしたら勘弁してほしいの一心でした。

佑に見ないでほしいと言われたのに、運動会の練習中、ずっと彼らの曲を聴き続けるなんて耐えられない。

美穂は銘ezのファンである娘に対して、佑と二人で話したことだけを伝え、あとのことは黙っていようと決めるのでした。

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最後に

ありそうな、決して珍しくない怖い話。

辻村さんの魅力が短い中に凝縮されています。

もしかしたら、辻村さんの経験に基づいているのかな?

なんて、つい邪推してしまう強烈な内容でした。

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