ミステリ

柳広司『パラダイス・ロスト』あらすじとネタバレ感想!初の中編が収録されたシリーズ第三弾

大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め、結城中佐。その正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。結城の隠された生い立ちに迫るが…(「追跡」)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にした初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む全5篇。世界各国、シリーズ最大のスケールで展開する、究極の頭脳戦!「ジョーカー・ゲーム」シリーズ、待望の第3弾。

「BOOK」データベースより

シリーズ第三弾となる本書。

前の話はこちら。

『暗号名ケルベロス』は前後編に分かれた中編で、シリーズではやや長めの話が収録されています。

これまで同様、D機関に所属するスパイの活躍がメインになっていて、面白さは衰えることを知りません。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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タイトルの意味

内容に入る前に、タイトルの意味について。

パラダイス・ロスト(Paradise Lost)とは『楽園の消失』を意味し、本書に収録された『失楽園』も同じ意味です。

『失楽園』は表題作と呼べるほどインパクトのある話ではありませんが、一応タイトルと作品がリンクしていることになります。

あらすじ

誤算

島野は留学生としてフランスを訪れていました。

フランスはナチス・ドイツに占領されていますが、ドイツ軍人は意外にも礼儀正しく友好的でした。

そんな中、島野はとあるパリ市民の老婆がドイツを罵倒する場面に遭遇します。

老婆はナチスやヒトラーに対する罵詈雑言を口にし、さすがにドイツ軍人も見過ごせなくなって老婆に発言の撤回を求めます。

危うく銃殺かと思われましたが、島野は老婆を助けるために割って入り、代わりに連行されそうになります。

この勇敢な行動に胸を打たれたフランス人三人によって救出されますが、この時に軍人の銃が島野の頭にぶつかり、意識を取り戻すと記憶を失っていました。

失楽園

米海軍士官のキャンベルはシンガポールに赴任して半年。

ジュリアという若くて美しい婚約者を得て、幸せの絶頂でした。

ところが、事態は急変します。

ホテルに滞在していたブラントが死体で発見され、あろうことかジュリアが犯人として警察に逮捕され、彼女も殺害の事実を認めたのです。

ブラントは状況からホテルの二階から落ちて亡くなったものと推測され、ジュリアは手を出してきたブラントをはねのけた時に彼を突き落としてしまったのかもしれないのだといいます。

しかし、あくまでジュリアの思い込みであり、彼女がブラントを殺害したという証拠はどこにもありません。

この事態をどうにかくぐり抜けないかとキャンベルが考えていると、ホテルのバーテンダーが彼に話しかけます。

追跡

英国タイムズ紙極東特派員のプライスはD機関についての話を聞き、設立者であり結城中佐のことを調べ始めます。

プライスは持てるコネクションを駆使して調査をしますが、陸軍関係の学校の名簿の中に結城という名前を見つけることができません。

結城が陸軍に籍を置いているのは間違いなく、それであれば陸軍に関係する学校を出ていないとおかしいことになります。

また、D機関の『D』とは何を意味するのか。

考え事をしていると、プライスは妻の何気ない言葉をヒントに思いがけない可能性を見つけます。

そこから導き出されたのは、一人の老人でした。

暗号名ケルベロス

サンフランシスコを出航した朱鷺丸(ときまる)という名前の豪華客船が物語の舞台です。

乗り合わせていた内海という技術者は、実はD機関のスパイで、類まれなる知識、発想力で敵国のスパイをあぶりだすことに成功します。

それで任務は無事に完遂されたかと思われましたが、イギリスの軍艦が朱鷺丸に近づいてきたことで状況が急変します。

感想

安定した面白さ

シリーズ三冊目ということで、これまでシリーズ通して読んできた読者であれば安心して読めたのではないでしょうか。

偶然の連続で展開したと思われた物語が、実はD機関によって操作されたものだった。

どれだけ自分の能力に自信のある者でも、結城中佐やD機関の正体に近づくことができない。

これまでのシリーズ作と基本的な構成は同じですが、物語の設定や状況などはうまく変えられているので、決して退屈するということはありません。

どんな状況であっても、D機関にとってはたやすい任務でしかないのです。

この圧倒的な力こそが本書の持ち味であり、魅力です。

今回も心置きなく、安心して楽しむことができました。

新鮮味には欠ける

自信をもって面白いといえますが、一方で新鮮味が薄れつつあるのも事実です。

どんな状況であっても、D機関が神業に等しい技術で目的を達成してしまいます。

一見、好敵手に見える相手も、結末になると完敗するしかありません。

清々しい内容ですが、一人のスパイがそこまで神のようにシチュエーションを操ることができるのか?と首を傾げたくなることもありました。

リアリティを求める人は注意が必要で、あくまでエンタメ作品として読む必要があります。

シリーズを追っている人であればそんなことは重々承知でしょうが、僕はここにきてそんな疑問がわいてしまったので、とりあえず自身への戒めも込めてここに書いておきました。

おわりに

いつでも安定してめちゃくちゃ面白い物語を提供してくれるので、本書もまた安心して読むことができました。

結城中佐やD機関の秘密が、いずれ明らかになるのか。

あまり想像できないですが、ぜひ見てみたいというのが正直な気持ちです。

次の話はこちら。

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