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『密室・殺人』あらすじとネタバレ感想!世界一異常な探偵が事件に挑む

harutoautumn
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「世界一異常な探偵」VS異形の神と「密室」&「殺人」!

雪深い山奥の屋敷で、若い女が殺された――
私立探偵・四里川陣と若き助手・四谷礼子 の許に厄介極まる依頼が届く。
亜細山中腹、久都流布川跡の脇に立つ山荘に一人派遣された礼子を待ち受けていたのは、
密室から消失した変死体の謎だった。不気味な現地民、囁かれる怨霊神の噂。
悍ましい山荘で、礼子は真相を探るが……。

張り巡らされた伏線と驚天動地の大仕掛けにあなたもきっと騙される!
『人獣細工』『アリス殺し』の鬼才が放つ驚愕のミステリ。

Amazon商品ページより

小林泰三さんの作品である本書。

キャリアの長い小林さんの中でも初の長編であり、しかも密室を取り扱った本格ミステリ。

この意外な組み合わせだけでも、ウキウキしながら読みました。

読んでみると単なるミステリではなく、小林さんらしい意外性が込められていて、読了後にはじめて自分がやられていたことに気がつきました。

この記事では、本書のあらすじや感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

探偵と助手

物語の主役は私立探偵の四里川陣と助手の四ツ谷礼子です。

本編で明らかにはされていませんが、礼子は何らかの理由から警察を辞め、四里川の助手をしていました。

四里川は論理的な思考の持ち主で、それも行き過ぎだというほど偏屈なため、礼子の揚げ足をとっては自分の正しさを主張します。

礼子はうんざりしながらも尊敬していることを心の中で明かしていて、不思議なコンビが物語を引っぱっていくことが冒頭に明示されます。

依頼人

ある日、事務所を仁科順子という女性が現れます。

四里川は面が割れることを恐れて引っ込んでしまい、礼子が代わりに相手をします。

順子は礼子も四里川も知る谷丸警部の依頼で事務所を訪れたのでした。

依頼内容は息子である達彦の容疑を晴らすことで、そこで起きたばかりの事件について聞かされます。

昨晩、達彦の所有する別荘で、彼の妻である浬奈が亡くなったのだといいます。

しかも達彦がいうには、自殺以外に論理的にあり得ないのだと。

容疑者は達彦を含めて三人で、この時点で礼子には嫌な予感しかしていませんでした。

調査

手に負えないと感じた礼子は四里川にすがりますが、彼は礼子に一人で調査に行くよう指示。

礼子は一人列車に乗って現場である亜細山(あじやま)に向かいますが、道中の車内でおかしな老人たちと出会います。

たたりや血なまぐさいことを口にして、挙句の果てには彼らを気にしていた礼子に突っかかってきます。

この時点では超常的な方向性にいきそうな予感がしましたが、現場に着いて礼子は知ります。

現場は密室だったのです。

ちなみに密室が殺害現場とは限らないため、本書では『密室』と『殺人』が別々にあるという意味で『密室・殺人』というタイトルになっています。

感想

キャラクターの濃さ

僕は小林さんの作品が好きで、その理由の一つがキャラクターの濃さです。

とにかく全員が濃い。

しかもあらゆる方向に濃いので、濃さでキャラクターが埋もれることもありません。

自己主張ばかりのキャラクターがひしめき合い、それでも物語として成立してしまう危うい奇跡。

本書も同様で、容疑者はいずれも癖が強く、素直に証言をしてくれることなどありません。

僕が礼子であれば一人目の時点で泣きたくなります。

そういった意味で礼子や谷丸警部がまともそうに見えますが、時々彼らもどこかネジが外れているような言動をして、彼らも立派な小林作品のキャラクターであることを示してくれます。

また礼子の関西弁が良い意味で清涼剤になっていて、重苦しいはずの雰囲気をそう感じさせないところも良かったです。

ミステリ的にも面白い

本書は密室を取り扱ったミステリなのですが、肝心なミステリ部分もちゃんと面白いです。

ちゃんとと書くととてつもなく失礼ですが、最初はそこまで期待していなかったので、しっかり論理的に検証して状況を把握していく流れは良かったです。

最終的にそこが終着点はなかったのですが、それでもミステリ的にも楽しめたのは予想外でした。

気付けなかった真実

礼子の過去がちょこちょこ挿入され、重苦しいものを感じていました。

ただそれだけだったのですが、読了後、考察サイトを読んでびっくりしました。

僕の目は節穴で、礼子のことをまったく分かっていなかったのです。

タネが分かると、物語冒頭から意味ががらりと変わり、全く別の物語として読めました。

これが初の長編作品なんて。

小林さんの底知れなさに圧倒されるとともに、こういう認識を塗り替えるような作品は年齢を重ねた今でも突き刺さるので本当に好きです。

おわりに

小林さんの作品でも上位に入るほど面白かったです。

途中だれる感じもありましたが、真実を知るとそれすらも楽しめるようになりました。

これは二回以上読むからこそ、本当の意味で楽しめる作品だと断言できます。

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