『虚構推理短編集 岩永琴子の密室』あらすじとネタバレ感想!シリーズ第六弾は短編集
一代で飛島家を政財界の華に押し上げた女傑・飛島龍子は常に黒いベールを纏っている。その孫・椿の前に現れはじめた使用人の幽霊が黙示する、老女の驚愕の過去とは──「飛島家の殺人」
あっけなく解決した首吊り自殺偽装殺人事件の裏には、ささやかで儚い恋物語が存在して──「かくてあらかじめ失われ……」
Amazon商品ページより
九郎と琴子が開く《密室》の中身は救済か、それとも破滅か。
シリーズ第六弾となる本書。
前の話はこちら。
本書は短編複数+最後に中編で、これまでの短編集と同じ構成になっています。
琴子、九郎、六花の軽快なやりとり、あやかしが絡んだ本シリーズらしい推理など、その魅力は変わらず健在です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
みだりに扉を開けるなかれ
とある夫婦に関する事件。
夫は妻に睡眠薬を飲ませて眠らせると、自殺に見せかけて殺害します。
現場のバスルームを密室に仕立て、以前妻が狂言自殺した時に自筆した遺書を居間に置き、このままいけば自殺として処理されるはずでした。
ところが、ここで夫が予想もしなかったことが起こります。
鉄板前の眠り姫
坂下鋭次が経営するお好み焼き店に、琴子が来店します。
彼女は雨宿りついでに食事をとり、そのまま寝てしまいます。
事態を幽霊から聞いた九郎は琴子を迎えにきますが、傍から見れば二人が恋人関係にあるとは分かりません。
九郎は鋭次によからぬことを企んでいるのではと疑われてしまうことになり、仕方なく彼と話をすることに。
このままでは埒が明かないということで、九郎は驚くべき話を口にします。
かくてあらかじめ失われ
木澤美矢乃と紫藤昴は同じ高校に通い、マンションの部屋は隣同士で、幼い頃から深い交流を持っていました。
美矢乃の両親は離婚していますが、三日前、父親の栄貴が何者かによって殺害されます。
犯人はすでに逮捕されていますが、ここにも妖怪が関係していました。
犯人は自殺に見せかけるよう密室を作り、遺書まで偽造しますが、とある妖怪たちがその密室を崩し、遺書を持ち去ってしまったのです。
ところが犯人は事態を喜んでおり、予想外の反応に恐怖を覚えた妖怪たちは琴子に相談を持ち掛けることになり、彼女の介入が始まります。
怪談・血まみれパイロン
幽霊による、幽霊や妖怪たちへの落語。
題名は『血まみれパイロン』。
とある男は妖怪の存在を信じず、人が死んで賃料が安くなったアパートの部屋に住んでいました。
そんな男ですが、怪異の存在によってぞっとすることになります。
飛島家の殺人
飛島龍子は若い頃から類まれなるセンスを持ち、それによって飛島家の事業を一気に成長させます。
その影響力は絶大で、龍子が目をつけたからその分野が成長するほどでした。
ところが龍子が四十歳の時、夫の走太郎が交通事故で亡くなり、それから彼女は何十年にもわたって喪に服することになります。
人前に出る時は黒のベールを被るようになり、孫の椿ですら龍子の顔を見たことはそれほどありません。
そんなある日、椿のもとにかつて飛島家で働いていたという植村健三の幽霊が現れ、龍子がいまだに喪に服していることが気がかりで成仏できないのだと明かします。
椿は仕方なく父親の頼行に相談すると、飛島家に関係する一連の事件を聞かされます。
二人はどうにもできないと諦めますが、健三に琴子を紹介され、彼女に協力を求めることになります。
感想
安定したクオリティ
本シリーズは本当にぶれません。
妖怪を軸に通常ではあり得ない状況が生まれ、琴子が解決のために奔走し、九郎や六花がそれに巻き込まれる。
シンプルですが安定していて、シリーズを通して読んできた読者からすれば、本書は間違いなく楽しめます。
通常のミステリでは考えられない状況、推理の連発ですが、それこそが虚構推理の魅力です。
短編は短いもので二十ページ程度ですが、その中で内容がしっかり整理されていて、物足りないということはありません。
中編である『飛島家の殺人』は妖怪に関係ない一般人が琴子を通じてそういった存在に触れるというもので、こちらも内容・ボリューム・テンポなど文句のつけようがありませんでした。
今後について
前作では三人の関係性が変化しそうな描写があり、シリーズが先に進む気配がありましたが、今回は短編集ということで特に進展はありませんでした。
次回作以降で進展があればいいのですが、このまま本筋とは関係ない話が続くと、さすがにマンネリするかなという予感がしました。
妖怪から相談を持ち掛けられるパターンや、お決まりのように入ってくる琴子の露骨な下ネタ。
嫌いではないのですが、これがいつまで続くのだろう、とちょっと不安だったりします。
アニメも好調で盛り上がっているので、ぜひ原作ファンの期待に応えるような作品を書いてもらえると嬉しいです。
おわりに
良いこと、懸念など色々書きましたが、本書は安定して面白かったです。
何だかんだいって琴子、九郎、六花が好きなので、今後も変わらず彼らの活躍を見ていきたいと思います。
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