『虚構推理 忍法虚構推理』あらすじとネタバレ感想!大きな岐路となるシリーズ第七弾
九郎と琴子の運命に、ひとつの答え。出所不明の忍法帖小説。モデルは九郎!?
小説漫画累計500万部ミステリ、大いなる転機。本格推理作家・城平京による本格ミステリ大賞受賞シリーズ、『虚構推理』最新作!
☆☆☆
WEBに投稿された小説『真九郎忍法料理帖』を見つけた琴子は、作者が六花ではないかと疑う。理由は、九郎がモデルにされているから。しかし六花に覚えはなく――。
誰が、なんのために。
リアルタイムで更新される小説を武器に、虚構と推理が連鎖する!(「忍法虚構推理」)不死の九郎と知恵の神である琴子。二人の道行きにひとつの答えが出る。
Amazon商品ページより
虚構推理シリーズ第七弾となる本書。
前の話はこちら。

本書では九郎が旧友と再会し、怪異と出会う短編が二つ。
そして表題であり、シリーズに転機をもたらす中編が一つ収録されています。
ここでも琴子の知恵の神としての特性が色濃く出ていて、単なるハッピーエンドには簡単には落ち着かないという印象を与えてくれます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
廃墟に出会う
相良夏彦はある夜、何者かに鈍器で殴りかかられ、かわして廃墟に逃げ込みます。
中を歩いていると人の気配がして、相手は警備のアルバイトをしている桜川九郎。
九郎と相良は高校の同級生でした。
九郎が事情を聞くと、相良は姉を亡くしていますが、彼女は亡くなる寸前、ぽろりと口にしていました。
黒の看護師、と。
まるで昔話のような
宇喜多真里奈は九郎の同級生で、密かに彼に想いを寄せていました。
ところが、九郎の元恋人である紗季のせいで想いに区切りをつけることができず、社会人になった今でも引きずっていました。
真里奈は不動産の仕事をしていて、社長からある物件について、事故物件であることを証明してほしいとお願いされます。
事故物件であることを証明することは、持ち主としてマイナスになりそうですが、持ち主は事故物件であることを証明して、祟りを鎮めて被害を最小限にしたいと考えていました。
真里奈はこのお願いを了承しますが、社長は同行者として、とあるアルバイトを紹介してくれます。
その人が同席すると、怪異が現れないと業界で噂の人で、それが真里奈の知るあの九郎でした。
忍法虚構推理
琴子は六花にとある小説を見せます。
それはネットで連載されているもので、著者名はあるものの無名です。
作品は『真九郎忍法料理帖』といいますが、琴子がこの作品に注目したのは、主人公の真九郎が九郎をモデルにしている可能性があったからです。
琴子は六花が著者ではないかと疑っていましたが、その疑いはすぐ晴れ、話は振り出しに戻ります。
著者は誰か。本当に九郎がモデルなのか。
作品を読み進める中で状況が明らかになると共に、九郎と六花を普通の人間に戻す手がかりが見つかります。
感想
九郎の不思議な存在感
相良や真里奈の登場により、ますます九郎の不思議な存在感が浮かび上がります。
高校時代に遡っても、長身だけれども成績も運動神経もパッとしない。
年上で美人で成績優秀な紗季となぜ付き合っているのだろう。
そんな凡庸な印象ですが、それでいてどこか油断できない何かがある。
二人の印象は共通していて、それが怪異絡みの話によって具現化されます。
何年経っても学生時代と変わらないように見えて、怪異が絡んでくるとグッと凄みを増す。
真里奈なんかはそこに惚れ直すわけですが、九郎が琴子や紗季が惚れるだけの何かがあることが再確認されて、主人公にふさわしいことが改めて分かりました。
シリーズの行方
本書の最後に、九郎と六花が普通の人間に戻れるかもしれないという希望が見えてきます。
喜ぶべき状況ですが、喜べない部分もあり、複雑な結末を迎えます。
しかし、それに対して琴子は知恵の神として毅然とした態度を見せ、そこには九郎の恋人としての一面は皆無です。
この徹底した彼女のパーソナリティは以前の話でも描かれているところで、琴子のキャラクター性が改めてはっきりします。
単なる恋愛としてのハッピーエンドはどうやら迎えそうにない。
これまでの話からも薄々予想できましたが、ここにきてその予想が強まった感があります、
個人的にはそれも含めて愛おしい作品であるので、最後まで彼彼女らしさを貫いてもらい、虚構推理でしか描けない最後を見せてくれれば嬉しい限りです。
おわりに
本書を機に漫画版も一気に購入しました。
絵柄は素晴らしいけれども、漫画としては説明が多いという印象で、個人的には小説の方が登場人物や物語の奥行を想像しながら読めて面白いです。
ただ美しい、可愛い絵柄は読んでいて嬉しくなるので、今後はどちらの媒体もしっかり追っていきたいと思います。
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