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横溝正史『首』あらすじとネタバレ感想!四つの猟奇的殺人を扱った短編集

harutoautumn
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滝の途中に突き出た獄門岩にちょこんと載せられた生首。まさに三百年前の事件を真似たかのような凄惨な村人殺害の真相を探る金田一耕助に挑戦するように、また岩の上に生首が……。被害者は村にロケに訪れた映画監督だった! 名推理に照らしだされる意外な事実。そして二つの事件の関係とは? 表題作「首」など猟奇的事件を鮮やかに解決する四つの名推理。秀作ぞろいの事件ファイル。(「花園の悪魔」改題)

Amazon商品ページより

シリーズ第十一弾となる本書。

前の話はこちら。

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表題作含めて四つの短編で構成されています。

いずれも猟奇的な事件を取り扱っていて、それに対して金田一耕助がどのように事件と向き合い、解決していくのかを楽しむことができます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

生ける死仮面

昭和二十年代のこと。

杉並区T警察の巡査がH山付近のアトリエを通りかかります。

アトリエの主人は古川小六という彫刻家で、巡査は二週間ほど前、彼がリヤカーで十代の少年を運んでいるところを目撃していました。

二人が訪れたという医師は二人が親戚だといいますが、巡査は古川が有名な男色家であることが気になっていました。

さらに通りかかった時、嫌な匂いを感じて中に入ると、そこには古川と、すでに死後相当な日数が経った少年の一糸まとわぬ死体がありました。

花園の悪魔

Sという温泉地は東京から近くて、アベックでにぎわっていました。

そこにある花乃屋旅館と花壇が事件の舞台です。

山内三造は花壇を見回っていると、全裸の女性を見つけます。

アケミというヌードモデルで、山内は彼女が寝ているものと思っていましたが、よく見ると首を絞めて殺害されていました。

蠟美人

畔柳三郎博士は、身元不明の白骨死体に肉づけをして、生きていた頃の姿を再現するという実験をしていました。

犯罪捜査に役立つ一方で、倫理的な問題から賛否両論が飛び交います。

畔柳は今度は全身を復原を試みるとして、芸術家の瓜生朝二に協力を求めます。

半年して復原がカンロ油脂、銀座の展示場でお披露目されることになりましたが、そこで世間を騒がせる事態が発生しました。

金田一は磯川警部と共に静養目的で熊の湯という場所を訪れていました。

そこでは三百年前、鎌田十右衛門という名主が首を切断され、その首が岩の上に、胴体は熊の湯から発見されるという事件が起きていました。

そして昨年、それを真似したような事件が起きていました。

つまり、磯川は静養ためではなく、事件解決のために金田一をここに連れてきていたのでした。

感想

短いながらインパクトがある

本書に収録された作品はいずれもインパクトがあります。

まずは猟奇殺人を題材にしたものばかりということで、事件の発覚からして読者の目を引きます。

短編ということで設定も簡素で、すぐに事件の概要と謎が理解できて、読みながら迷うことはありません。

加えて、金田一の活躍も鮮やかで、無駄に展開がダラダラすることなく始まりから終わりまで読めてしまうところが共通したポイントです。

ややご都合主義もある

全てではありませんが、短編ゆえに金田一の推理がややご都合主義なところがあります。

推理の組み立ては良いとして、組み立てに必要な情報をいつの間に入手したの?という疑問が浮かぶことがありました。

事前に調べてきた、収集の過程を省略するなど理由はいくらでも考えられますが、きっちりフェアに推理したいという人からすると、モヤモヤするポイントかもしれません。

収録された作品は元々別々の雑誌に掲載されていて、雑誌によって話の構成や完成度を変えていたという話も出てくるので、その辺りの事情が影響しているのかもしれません。

多少の部分はエンタメとして解釈する、ぐらいの気持ちで読むと一番気持ちよく楽しめるかもしれません。

おわりに

金田一の長編は物によって長い、あるいは無駄な事件が起きていると感じることもあったので、僕には短編の方が肌に合っている気がしました。

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