ライトノベル

『傷物語』原作小説のあらすじとネタバレ感想!化物語の前日譚となる始まりの物語

高校生・阿良々木暦は、ある日、血が凍るほど美しい金髪の吸血鬼と出遭ってしまった…!?彼女がいなければ、“化物”を知ることはなかった―『化物語』の前日譚は、ついにそのヴェールを脱ぐ。

「BOOK」データベースより

『化物語』開始時点で、すでに阿良々木暦は吸血鬼に襲われ、怪異に関してある程度の知識を持っていました。

ではどのようにして吸血鬼に襲われたのか。

忍野メメとは、忍野忍とは何なのか。

それが本書では語られます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

吸血鬼との出会い

高校三年生に進級する前の春休み。

羽川翼と偶然友だちになったその夜、阿良々木は瀕死の吸血鬼と出会います。

これこそが後の忍野忍であり、本当の名前をキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードといいます。

キスショットは吸血鬼ハンター三人にやられて両手足を失い、生き残るために阿良々木が死ぬほどの血を要求します。

阿良々木は化物を助ける道理などないと立ち去ろうとしますが、見捨てることが出来ず、彼女に自分の身を差し出すのでした。

人間に戻るために

しかし、阿良々木は死んでいませんでした。

キスショットの眷属として生かされたのです。

吸血鬼が眷属を作ること自体非常に稀であり、キスショットにとって四百年ぶり、二人目の眷属です。

キスショットは手加減をして血を吸ったせいで完全復活とはいかず、十歳くらいの少女の姿にまでしか回復しませんでした。

阿良々木は生き返りましたが、眷属ということで自身も吸血鬼になり、日光に当たると身を焦がされる、自己再生能力など特性を獲得しました。

しかし、それは望んだことではなく、阿良々木は人間に戻りたいと願います。

それに対してキスショットは完全体であれば可能だといい、阿良々木を人間に戻す条件として、三人の吸血鬼ハンターから奪われた両手足を持ってくるよう交換条件を出すのでした。

人間離れした戦い

ドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッター。

三人の吸血鬼ハンターにいきなり襲われる阿良々木ですが、通りすがりのおっさんに助けられます。

その人物が忍野メメでした。

忍野はバランスを取るために阿良々木たちに協力することを決め、巧みな交渉で吸血鬼ハンターたちと阿良々木の一対一の場を設け、阿良々木は見事に両手足の奪還に成功します。

これでキスショットは完全復活し、阿良々木は人間に戻れる。

物語は終わるはずでした。

しかし、阿良々木は吸血鬼がどんな生き物なのかをまだ理解していませんでした。

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感想

凄惨な物語

『化物語』のエピソードが霞むほど、本書はまさしく『化物』の物語でした。

忍の姿からは想像もできませんでしたが、いかに吸血鬼という存在が怪異の中でも上位のものであり、人間が理解しようとしても無駄なのかを思い知らされます。

そして、阿良々木の命を狙う吸血鬼ハンター=悪みたいな見え方をしてしまいますが、彼らの考え方がいかに正しいのかも痛感させられる物語でした。

命を取るか取られるかの戦いは凄惨という言葉が似あう激しいもので、本書の見どころです。

化物語と同じテイストかと油断している読者は、一気に打ちのめされるのではないでしょうか。

ギャグ要素は控えめ

バトルに特化している分、ギャグ要素は控えめです。

一応阿良々木と羽川のやりとりに癒されますが、どちらも比較的常識の範囲内で行動する人間なので、『化物語』で見られたようなボケ・ツッコミの応酬はあまりありません。

もし前作のようなノリを期待しているのであれば、本書は期待外れになるでしょう。

おわりに

アニメ映画化もされていますので、高い単行本を買うことに抵抗がある人にはそちらをオススメします。

長く続く物語シリーズですが、本書こそがその始まりなので、シリーズを通して読むのであれば外せない大事な一冊です。

次の話はこちら。