『風が強く吹いている』あらすじとネタバレ感想!たった十人で箱根駅伝に挑む物語
箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何?走るってどういうことなんだ?十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく…風を感じて、走れ!「速く」ではなく「強く」―純度100パーセントの疾走青春小説。
「BOOK」データベースより
三浦しをんさんが送る、超王道青春小説です。
竹青荘に集まる大学生十人はそのほとんどが長距離走未経験ですが、四年生の清瀬灰二(ハイジ)の提案によって箱根駅伝を目指すことになります。
走る意味って何だろう。
人それぞれ走りにかける思いがあり、速さだけでない強さを教えてくれる本書は、最高の一冊でした。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
出会い
ハイジは銭湯の帰り道、逃走する万引き犯を見つけます。
男は力強い、理想的な走りをしていて、ハイジは思わず自転車で後を追いかけます。
万引き犯は蔵原走(くらはらかける)といい、ハイジが在籍する寛政大学に四月から通う予定になっていました。
ハイジは万引きのことを咎めることはせず、ただ走ることについて走に聞き、走もまたそんなハイジに特別な何かを感じていました。
住む場所のない走はハイジの住む竹青荘(通称アオタケ)を紹介され、そのまま住むことになります。
しかし、これはただの慈善行為ではなく、ハイジにはとある野望がありました。
無謀な挑戦
走は早速アオタケの住人と顔合わせをします。
学年こそ違えど全員が寛政大学に通っていて、個性豊かな面々が揃っていました。
そんな一同を前に、ハイジはここまで温めてきた野望を打ち明けます。
それはアオタケに住む十人で箱根駅伝を目指すという、無茶苦茶な野望でした。
走がいくら優秀なランナーとはいえ、ハイジはかつての故障で足に不安を抱えているし、アオタケ住人のほとんどが長距離走の未経験者。
とても箱根を目指せるような状態ではありません。
しかし、ハイジには勝算があるのかその顔は強気で、アオタケの面々は渋々ながらも箱根を目指すことに了承するのでした。
生まれる結束
早速練習を開始しますが、この時点では十キロを走り切ることすら難しく、走にはとても箱根を目指せるとは思えませんでした。
またハイジの指導はただハードなだけでなく、個人の考えを尊重したもので、それもまた甘いと考えてしまいます。
しかし、アオタケの面々と生活、練習を通して関係を築いていく中で、速さだけが走ることの目的でないことに気が付きます。
強さとは何か。
走は日々の中でそれを次第に見つけていき、箱根駅伝出場をかけた予選会を迎えます。
感想
走ることの魅力
僕自身、趣味でランニングはしますが、とても走のような熱量はありません。
しかし、走ることはなんて孤独で、なんて楽しく、なんて美しいのだろう。
そんなことを本書は改めて教えてくれました。
走っている間は誰も助けてあげることができない。
レースでは周りにランナーがいるけれど、本当に戦うべきなのは己自身。
どんなに苦しくても己ととことん向き合い、最後にそれぞれの答えを見つけ出す。
走やハイジをはじめとしたアオタケ住人それぞれに走る意味があり、何度も胸が熱くなって涙が込み上げてきました。
速さだけではない
途中、走は速さを求めるあまり焦ってしまい、ハイジに注意されるシーンがあります。
速さを求めるだけは虚しく、いつか無理がたたって走れなくなってしまうと。
では、走ることに必要なことは何か。
ハイジはそれを教えてはくれませんが、走は他の住人の走りや己の走りの中で、速さだけではない走る意味を知っていきます。
答えは人それぞれあり、これは走る以外の色々なことに通じる考え方だなと思いながら読んでいました。
青春小説としての輝きを持つ一方で、こうした違った側面から考える読み方もできるところに、本書の魅力が一つあります。
アオタケ住人の魅力
本書の魅力は駅伝だけでなく、アオタケ住人にもあります。
走やハイジをはじめ、とにかくキャラクターが濃い。
走がはじめてアオタケを訪れた時、ちょっとしたやりとりと愛称で住人の個性が分かり、すぐにアオタケという世界観が読者の頭の中に生まれます。
苦しい練習、アオタケでの飲み会など、彼らの交流の描写は多く、自然と彼らへの愛着がわいていきました。
登場人物ごとに見せ場がきちんと用意されているのも良いところで、終盤の一人ひとりの視点で描かれるシーンではそれまでの練習の積み重ねやみんなの思いが思い出され、なんども涙ぐんでしまいました。
寮生活を描く作品では、いつもそこに住んで彼らと一緒に楽しみたいと思えてくるからたまりません。
おわりに
年齢や性別に関係なく、あらゆる人に読んでほしい一冊です。
走りが好きでもそうでもなくても、本書の持つ魅力、メッセージはきっと読者の心を強く揺さぶり、あなたの心を一段と豊かにしてくれるはずです。
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