『カササギたちの四季』あらすじとネタバレ感想!日常的なミステリに潜む意外な真実とは?
リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ……。心がほっと温まる連作ミステリー。
Amazon商品紹介より
道尾秀介さんの作品である本書。
リサイクルショップを経営する二人の男性と、そこに頻繁に通う訳アリの女子中学生。
キャラクターも作り込まれていて、どこかアニメや漫画を連想させます。
一方で起こる事件に対して面白いネタも仕込まれていて、ただのエンタメで終わらせないところが道尾さんらしいです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
リサイクルショップ
物語の視点である日暮は、リサイクルショップの副店長を務めています。
といっても店員は二人だけで、店長は彼の高校の同級生である華沙々木です。
開業して二年が経ちますが、ずっと赤字。
日暮は使いようのないものを高額で買い取りさせられ、それを修理などして何とか売ろうとしますが、倉庫には売れないものばかりが並んでいます。
華沙々木も商売の才能があるとはいえず、事業が好転するイメージがわきません。
そこに半年前から入りびたるようになった女子中学生の南菜美が加わり、三人としての日常が形成されています。
嘘
ある日、リサイクルショップに小学生の男の子が訪れます。
彼は数日前にハンカチを落としてしまい、それを探しに来たのだといいますが、嘘をついていることは明白でした。
三人はここで一つのことを連想します。
それは、最近起きた『ブロンズ像放火未遂事件』の犯人が彼ではないかということです。
未遂事件
男の子が来店した二日前。
リサイクルショップの倉庫で誰かが侵入した形跡が見つかります。
セキュリティはガバガバなので、侵入できて当然なのですが、点検するとどうも盗みが目的ではないように思えてきます。
その視点で倉庫を探すと、放火未遂の痕跡が見つかります。
マッチの燃えカスと、半分焼けた新聞紙の束。
状況から見て放火したいというよりも、ブロンズ像そのものを火にさらしたかったのではないかと推測されます。
なぜそんなことをしたかったのか。
華沙々木はもうすぐ真実が見えるなどと豪語しますが、これが迷推理の始まりです。
感想
あまり好みではない
最初に伝えると、僕は本書がそこまで好きになれませんでした。
感覚でいうと『透明カメレオン』を読んだ時に似ています。
世間的にはしっかり評価を獲得していますが、自分にははまらなかった。
その理由は後述します。
分かりやすい構成
本書は読書が得意な人・そうでない人関わらず、流れがすぐ分かる親切設計をしています。
気取った探偵役なのに、空振りばかりの華沙々木。
貧乏くじばかり引き、華沙々木の尻ぬぐいばかりしている日暮。
真実を知らず華沙々木を慕う菜美だけれど、彼女の過去には何かありそうで。
四つの短編で構成されていますが、このキャラクターが明確になっていることですぐにテンプレートにおさめることができるので、リーダビリティは抜群です。
感動を誘う意外な真実
本書の見どころは、華沙々木が披露した内容と真実が異なることです。
華麗に見える推理の裏では違った真実が潜んでいて、それが明らかになる時、予想外の感動や切なさが浮かび上がるようにできています。
これも『透明カメレオン』に共通する部分で、多くの読者に刺さっている部分でもあります。
しかし、僕はこの点があまり好きになれませんでした。
二つの短編を読んだ段階で予想できたことで、最後まで読んでもその印象はぬぐえませんでした。
予想が最後まで覆ることがなく、読んでも得るものが少なかった。
誤解を恐れず言えば、このような表現になります。
道尾さんの作品でこの感覚になることがちょこちょこあるので、そういった相性なのかもしれません。
おわりに
シンプルな物語と、油断しているとやってくる意外性。
気負いせず読める物語なので、手軽に楽しみたいという人にオススメです。
あと心を温めたいという人にも向いているので、そういった人は挑戦してみてください。
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