ミステリ

『神とさざなみの密室』あらすじとネタバレ感想!密室に閉じ込められた男女の前に転がるのは顔を焼かれた死体

和田政権打倒を標榜する若者団体「コスモス」で活動する凛は、気付くと薄暗い部屋にいた。両手首を縛られ動けない。一方隣の部屋では、外国人排斥をうたう「AFPU」のメンバー大輝が目を覚ましていた。二人に直前の記憶はなく、眼前には横たわる死体。誰が、何のために、敵対する二人を密室に閉じ込めたのか?そして、この身元不明死体の正体は?真の民主主義とは何か?人は正しい道を選べるのか?日本はどこへ向かっているのか?

「BOOK」データベースより

マリア&漣シリーズが大人気の市川憂人さんの新たな境地開拓となった本書。

政治的な視点からのメッセージがふんだんに込められていて、それでいて中立性を失わないところに市川さんのこだわりを感じました。

また本格ミステリのエッセンスを現代社会に見事に落とし込んでいて、ミステリ好きは必読です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

見知らぬ密室

大学二年生の三廻部凛は目を覚ますと、見知らぬ部屋で縛られていました。

誰が何のためにしたのか。

部屋はよく見ると内側からドアを閉めた形跡があり、つまりこの部屋は密室ということになります。

凛が状況を必死に整理していると、渕大輝がドアを開けて現れますが、二人は部屋の中をよく見て驚きます。

部屋の中には、顔を焼かれた死体が転がっていたのです。

二人は共にここに連れてこられるまでの記憶がなく、それぞれ回想に入ります。

コスモス

凛はコスモスという政治団体に所属していて、本人の意思とは裏腹に広告塔のような役割を担っていました。

メンバーの多くはあくまでクラブ活動感覚で、デモ活動などには消極的ですが、凛は忙しい合間を縫ってデモに参加し、現政権に対する批判を飛ばしていました。

コスモスの活動に反対する声は多く、凛は心が折れそうになることが何度もありました。

それでも活動を続けてこられたのは、コスモスの代表である神崎京一郎がいてくれたからでした。

ある日、凛は神崎に呼び出されて外に出ますが、それからの記憶がありませんでした。

在日外国人への抗議

大輝は在日外国人の問題に抗議する政治団体に所属していて、様々なSNSアカウントを駆使してコスモスの活動を非難することで満足感を得ていました。

家で居場所にない大輝にとってこの活動と、声優アイドルの応援が生きがいでした。

ある日の抗議活動の打ち上げ後、大輝は代表の鏑木とメンバーである富田が仲睦まじく歩いているところを目撃。

少なからずショックを受けていましたが、それからの記憶がないことに気が付きます。

対立か共闘か

お互いの状況が整理できたところで、密室での推理が始まります。

凛と大輝はお互いの状況を知らないため、相手が加害者であるという可能性を捨てきれません。

政治的対立もあってはじめは敵意をむき出しにしますが、やがて状況に変化が訪れ、物語が一気に動き出します。

感想

ミステリ好きにはたまらない一冊

市川さんのマリア&漣シリーズに魅了されて以来、これからのミステリ業界を牽引する一人であるとずっと信じていました。

そんな中で本書が発表されたことで、少なからず驚きました。

フィクションであるものの現実世界と密接にリンクした内容していて、これまでの作品のように架空の舞台を用意したわけではありません。

また登場人物も分かりやすい特徴が削がれ、政治活動に参加しているなどの点を除けば、どこにでもいそうな設定です。

序盤百ページほどまではそこまで盛り上がらず、本書はどう楽しんだら良いのだろうと不安でした。

しかし、回想が終わって現実の密室問題を考え出すあたりから面白さは一気に加速します。

これまで散りばめられてきた伏線が思いもよらない形で回収され、唖然としてしまうほど鮮やかに事件が紐解かれていく様は圧巻でした。

古典的な、謎解きが最大の魅力である本格ミステリを愛する人たちであれば、絶対に好きなやつです。

マリア&漣シリーズを知っている人は作風の違いに戸惑うかもしれませんが、ぜひ信じて読み進めてみてください。

その先に予想すらできない衝撃が待っています。

政治的メッセージをどう受け取るか

本書の主人公といえる凛と大輝は共に政治団体に所属していますが、主張は見事に対立しています。

読者は二人それぞれの視点から各政治団体の主張を目の当たりにし、最終的に第三者視点から自分はこの問題についてどう考えるだろうと思案すると思います。

正直、政治に興味がない、あるいは拒絶反応を持つ人からすればどっちもどっちで、生理的に受け付けないと考える前にはねのけてしまうかもしれません。

正直、僕も政治については子どもが生まれるまでほとんど関心を持ってこなかったので、人のことはいえません。

関心を持った今でもこういった抗議活動に参加することはないし、投票に家族で行くのが精々です。

しかし、それでも現状が自分にとって利益があるのかどうかを把握し、それに対して意見を持つということは非常に重要であることを本書は教えてくれます。

たとえその主張を口にできなくても、同じ志を持った代弁者に預けることができます。

この記事を書いている2022年3月現在、世界情勢は非常に緊迫しているため、自衛のためにも自分の置かれた状況を整理するのに良い機会といえます。

導入部分がやや冗長

上述しましたが、密室の推理が始まるまでがやや冗長で、面白いとはいえません。

それは凛、大輝の回想がどう繋がってくるのか読めない点と、政治的な話が多いため受け付けにくい点にあると思います。

しかし、市川さんもそれを承知の上で執筆し、最後には序盤のフラストレーションを最高の形で快感に昇華させてくれました。

そこまで丁寧に読み込む必要はありませんが、冗長な部分にも気長にお付き合いいただければと思います。

おわりに

間違いなく、本書は市川さんの新たな境地を開拓しました。

令和以降のミステリ業界を牽引するのは間違いなくこの人だ。

そんな確信がより一層深まりました。

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