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『舞面真面とお面の女』あらすじとネタバレ感想!遺言の謎とお面の少女の正体とは

harutoautumn
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第二次大戦以前、一代で巨万の富を築いた男・舞面彼面。戦後の財閥解体により、その富は露と消えたかに見えたが、彼はある遺言を残していた。“箱を解き石を解き面を解け よきものが待っている―”時を経て、叔父からその「遺言」の解読を依頼された彼面の曾孫に当たる青年・舞面真面。手がかりを求め、調査を始めた彼の前に、不意に謎の「面」をつけた少女が現われて―?鬼才・野崎まど第2作となる伝記ミステリ、新装版! 

「BOOK」データベースより

ジャンルとしてはミステリになりますが、そこは鬼才ともいわれる野崎まどさん。

ただのミステリでは終わりません。

遺言の謎を追っていたはずが、そこには思いつきもしないような真実が隠されていて、それがお面を被った謎の少女の正体に繋がっているという構成になっています。

また会話のテンポが良く、スラスラと読めてしまうので、ちょっとした読書にもぴったりです。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

遺言

大学院生の舞面真面(まいつらまとも)は、叔父の影面(かげとも)に呼ばれて数年ぶりに会います。

影面のいう頼みとは彼の祖父・彼面(かのも)の遺言に関することで、真面の他に影面の娘・水面(みなも)も関係していました。

彼面はかつて舞面財閥という巨大財閥を一代で作りましたが、若くして亡くなり、GHQの戦後改革によって舞面財閥は解体。

遺産はあったものの、財閥のトップのそれとしてはかなり少ないものでした。

ところが、彼面は遺言を残していて、今に至るまで誰もその内容が理解できないのだといいます。

内容は以下の通り。

『箱を解き 石を解き 面を解け よきものが待っている』

よきもの=本当の遺産と考えるのが今のところ妥当で、あとは遺言の解釈の方法です。

石とは山の広場にある『体の石』と思われ、最近屋敷で見つかった金属で出来た『心の箱』も遺言に関係していると思われます。

真面は理工学部に所属し、水面は民俗学を学んでいることから、二人は箱の正体をそれぞれの専門的見地から調べてほしいと頼まれるのでした。

お面の少女

真面は影面のもとで働くお手伝いさんの助言のもと、体の石に心の箱を触れさせます。

何も起きないかと思いきや、突如お面を被った少女が現れました。

色々な動物の原型のような形をしたお面。

少女は沢渡みさきといい、少女の姿からは想像出来ないほど落ち着いていて、不思議な雰囲気を持っていました。

みさきは体の石について何か知っているといい、真面はそれを聞き出すために彼女の言うことを聞くしかありませんでした。

みさきは不思議な雰囲気を持つとはいえ、普通の少女に見えます。

ところが、影面に彼女のことを話すと驚くべきことを告げられます。

みさきは彼面のブレインのような役割をしていて、よく一緒に出歩いていたというのです。

何十年にも渡って姿形の変わらない少女。

真面たちにとって、解くべき謎が増えることとなりました。

真実

様々な調査を経て、真面はとある結論に至ります。

その内容は他の人間を納得させるだけの説得力があり、一同はこの問題が解決したかのように思いました。

ところが、それは嘘でした。

真面は遺言の本当の意味やみさきの正体に気が付き、あえて水面たちに伝えなかったのです。

みさきも真面が何かに気が付いていることを把握していて、彼を呼び出します。

真面とみさきが話す真実。

遺言には、思いも寄らない秘密が隠されていました。

感想

どこかタガの外れた作品

野崎さんといえば、『【映】アムリタ』をはじめとした、何かを極限まで追い求めた先を描いた作品が特徴だと思います。

『【映】アムリタ』であれば天才とは何かを突き詰めています。

よく漫画などで思うのが、天才など理解の及ばない存在を描く際、どうしても不自然さだったり違和感を覚えてしまい、のめり込めないことがしばしばありました。

しかし、野崎さんの描くのそれらはすんなりと受け入れられるほど自然で、奇跡を目の当た

りにしたような高揚感は他では味わえないものになっています。

一見、本書はお面の女ことみさきが理解の外にあるものに思えますが、実はそれだけではありません。

主人公である真面もまた一般の考え方では理解できない思考回路を持っています。

日々に退屈し、それを紛らわすためであればどんなことも受け入れ、どんなとんでもないことでも手を出す。

一番マトモそうな名前の真面(マトモ)が『マトモ』じゃない、というのはシャレが効いてて良かったです。

本領発揮はこれから

本書単体でも楽しめますが、野崎さんの様々な作品を読んできた身としては、やはり『2』の前座という印象が拭えません。

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最後に今後の真面とみさきの活躍を予感させる一文がありますが、それが『2』においてちゃんと発揮されています。

本書だけでなく、『2』より前に刊行された全ての作品が『2』に繋がっていて、色々な意味で集大成になっています。

なので、気長に付き合えるという人はぜひ『【映】アムリタ』から『2』まで刊行順にお読みください。

そうした方が良い理由は、読めば分かります。

その価値が野崎さんの作品には間違いなくあります。

おわりに

遺言の謎を解くというオーソドックスな展開からまさかの真実。

ただのミステリで終わらないところに野崎さんの魅力を感じられる作品になっています。

また『2』を楽しむ上でも必要不可欠な作品なので、熟読しておくと後の感動が増すのでおすすめです。

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