ミステリー

『仮面山荘殺人事件』あらすじとネタバレ感想!避暑地で起こる不可解な殺人事件

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。

「BOOK」データベースより

1990年に発表された本書ですが、三十年が経過しても古臭さを感じさせません。

避暑地を訪れた八人の男女。

逃亡中の銀行強盗二人組が隠されるために山荘を訪れ、そこで殺人が起きる。

状況から考えて強盗が犯人とは考えられず、残された七人の男女の誰かが犯人である可能性が高い。

このようにミステリとして王道ともいえる閉鎖空間が整っているので、推理を存分に楽しめます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

事故死?

樫間高之の婚約者・森崎朋美は結婚式の打ち合わせの帰りに車の事故を起こし、帰らぬ人となりました。

朋美は二年前にも事故を起こしていて、左足首から下を切断していました。

それを教訓に慎重すぎるほどに運転をしていたはずなのに、なぜ事故が起きたのか。

高之含めて親族や関係者は事件の可能性も考えていましたが、結局説明がつかずに事故として受け止めていました。

朋美の死後、高之は朋美の両親の誘いで森崎家が避暑地として利用している別荘に誘われます。

しかし、期せずして関係者が集まるこの山荘にて、朋美の事故について再び向き合うこととなりました。

望まれない来訪者

高之含めて八人の男女が山荘に集まった中、突然二人の男が山荘に侵入します。

二人は銀行強盗で、身を隠してもう一人の仲間と落ち合うためにこの山荘を訪れたのでした。

八人は強盗の言う通りにしますが、それで命が保証されたわけではありません。

そこで強盗の目を盗んで外部に対してSOSを何度も発信しますが、その度に何者かによって妨害されてしまいます。

妨害したのは強盗か、それともこの八人のうちの誰かか。

異様な状況のせいか朋美の事故の再検証も始まり、山荘には緊迫感が広がっていました。

あり得ない殺人

そして事件は起きました。

朝起きると、朋美の従姉妹・篠雪絵がナイフで刺されて亡くなっているのが発見されます。

残された七人は当然、強盗の二人を疑いますが、状況から考えて彼らに雪絵を殺害するのは不可能。

そうすると、必然的に犯人は七人の中にいることになります。

七人はお互いに疑心暗鬼になり、ギスギスした空気の中、強盗の最後の一人が山荘を訪れてこの地獄のような時間も終わりが見えてきました。

しかし、本当の驚きはこれからでした。

雪絵殺害の真相、そして朋美の事故の真相。

全てが明らかになった時、物語は姿を変えます。

感想

大胆なミステリ

ミステリはアイディアを考え、それを一番はじめに出した人が勝ちという考えがありますが、その点において本書は大勝利を収めています。

それくらいに当時として画期的なトリックで、今読んでもかなりの衝撃を受けます。

僕はこの記事を書くにあたって再読しましたが、中身のほとんどを覚えていました。

もちろんトリックも。

それくらい強烈な印象でした。

ミステリとして状況が一つ一つ丁寧に検討されるので、推理がしやすく自分の頭で考えたい人には特にオススメです。

トリックに気が付くのは簡単ではありませんが、違和感はいくつも散りばめられているので、心を強く持って推理に臨んでください。

僕は銀行強盗の三人目が登場したあたりで違和感を覚え、真実に辿り着くことが出来ました。

読み応えはそれなり

本書は綺麗にまとめられていて、文庫版で三〇〇ページ未満とミステリとしてはそれなりのボリュームです。

手に汗握る展開が読みどころですが、一方でじっくり読み込むには少し物足りない気もします。

数日に分けてじっくりと読むというよりも、一気読みに適していると思います。

折原一さんのあの作品との関係

本書の文庫版の解説にて、折原一さんが本書について言及。

実は折原さんも全く同じトリックの小説を執筆していて、東野圭吾さんに先に発表されてしまったのです。

折原さんは泣く泣く設定を練り直して完成させたそうですが、どの作品かは明言していません。

ネットで調べると『仮面劇ーMASQUE』がそれだと言われています。

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※商品購入ページを作成できませんでした。ご了承ください。

設定を練り直す前の名残もあるようなので、それを探しながら読むのも面白いかもしれません。

おわりに

丁寧に築き上げられた舞台と推理に、予想もつかない大胆なトリック。

ミステリとしてかなり完成度が高いので、ミステリに普段馴染みがないという人にもオススメです。

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