『ヒポクラテスの悔恨』あらすじとネタバレ感想!自然死に見せかけた殺人がカギとなるシリーズ第四弾
これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えないかたちで――。
斯界の権威・光崎に宛てた犯行予告。悪意に潜む因縁とは!?斯界の権威・浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授がテレビ番組に出演した。日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と言い放つ。
Amazon商品ページより
翌朝、放送局のホームページに『親愛なる光崎教授殿』で始まる奇妙な書き込みが。それは、自然死に見せかけた殺人の犯行予告だった。
早速、埼玉県警捜査一課の古手川刑事とともに管内の異状死体を調べることになった助教の栂野真琴は、メスを握る光崎がこれまでにない言動を見せたことに驚く。
光崎は犯人を知っているのか!? やがて浮かび上がる哀しき“過ち”とは……?
死者の声なき声を聞く法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズ、慟哭の第4弾!
シリーズ第四弾となる本書。
*上記リンクでは単行本のみになっていますが、文庫本を出ているので、書店も合わせてご利用ください。
前の話はこちら。
人手、費用の関係でとても全ての死者を解剖できない中で、予告された殺人。
しかも自然死にしか見えないかたちを宣言しているため、解剖しないことには死因を特定することはできません。
これに対して真琴や古手川たちがどのように立ち回るのかが見どころになっています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
予告
光崎はテレビに出演し、いつもの厳しい口調で法医学の現状を包み隠さず話します。
現場の意見を代弁した言葉ではありますが、直接的な言葉は大きな賛否両論を生みます。
その結果、匿名でテレビ局に書き込みがありました。
そこには一人だけ殺害すること、自然死にしか見えないことが書かれていて、光崎への挑戦状であることは明らかでした。
見えない敵
警察の渡瀬はこれをババ抜きと称します。
日々現れる死者を解剖し続けなければ、犯人の罪を暴くことはできません。
しかし、毎日多くの死体が生まれ、それら全てを解剖するには人手も費用も足りません。
それでも何もしないわけにはいかず、真琴や古手川は自分たちの出来る限りの範囲で死者と向き合うことになります。
死者の教えてくれること
少しでも怪しい死体が見つかれば、真琴たちは現場に向かい、あらゆる手を尽くして解剖に持ち込みます。
分の悪い賭けも多くありますが、そこには解剖でしか見つけられない真実が隠されています。
書き込んだ犯人とは無関係の死体もありますが、それでも罪を暴き、法医学の正しさを示していきます。
そんな中、少しずつ犯人の意図が見えてきて、日本中を巻き込んだ事件に決着が着きます。
感想
安定したシリーズ
中山作品に通じることですが、本シリーズは特に安定しています。
というのも、真琴や古手川といったメインで動き回るキャラクターをはじめとして、それぞれの性格や特性が際立っていて、どんな状況においてもシリーズの色を失わないからです。
ここまで彼らに愛着を持ってきた読者の方々であれば、彼らの活躍ににんまりすること間違いなし。
キャラクターものかと思えば、ところどころで核心を突くようなセリフが飛び出し、油断しているとドキリとさせられます。
この匙加減が絶妙で、中山七里さんの鮮やかな手腕にしてやられます。
ミステリとしては読まない
ジャンルとしてはミステリに分類されますが、ミステリとして読むとガッカリすることもあります。
というのも、一応推理の材料は提示されますし、犯人の動機や行動についても筋が通っています。
しかし、ぽっと出の感じが否めず、事件の真相が明らかになったところでどこか肩透かしです。
推理が可能になる大事な情報も後半になってようやく提示されるので、最初から力を入れて推理をしようとしても、まず真実には辿り着けません。
エンタメミステリなので、本格ミステリを期待して読む人はそんなにいないと思いますが、念のために注意が必要です。
シリーズの今後
本シリーズに限らず、シリーズの終わりがどこにあるのかがそろそろ気になってきました。
環境要因的に法医学の状況改善は期待できないし、明確な敵がいるわけでもない。
そうすると光崎の後を誰かが継ぐのか、あるいは真琴と古手川がくっつくのか。
この辺りが妥当なのかなと、今のところは考えています。
どんな結末でも受け入れる準備はできていますが、何となく本書を読み終わって明確に気になり出したので、記載しました。
おわりに
キャラクターの魅力は相変わらずだし、光崎の解剖シーンはいつ読んでも美しく、文章に見とれてしまいます。
気長にシリーズを追って、彼らの活躍を引き続き楽しみたいと思います。
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