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西加奈子『i』あらすじとネタバレ感想!この世界にアイは存在するのか?

harutoautumn
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アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。なのに、自分は恵まれた生活を送っている。そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。
けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける――
たとえ理解できなくても、愛することはできる。世界を変えられないとしても、想うことはできる。西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。累計21万部!巻末に又吉直樹氏との対談を収録

残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が、与えてくれました。――又吉直樹

読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。――中村文則

Amazon内容紹介より

はじめての西加奈子さんの作品です。

書店でタイトル、表紙を見た時点でとてつもないパワー、決意のようなものを感じ、思わず購入しました。

正直、自分の求めているようなエンターテインメント性のある小説ではありませんでした。

しかし、今このタイミングで出会えたことに強く感謝しています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

ここでは本書の大まかなあらすじを書いています。

購入の際の参考になれば幸いです。

境遇

本書には主人公であるワイルド曽田アイを取り囲む環境や、世界で毎日のように起こる悲劇や災害が描かれています。

アイの父親はアメリカ人、母親は日本人ですが、二人の子どもではなく養子です。

アイはシリアで生まれ、様々な過程を経て両親のもとにやってきましたが、聡明なアイはなぜ自分が選ばれたのかと苦悩します。

他にも同じ境遇の子どもはたくさんいるのに、自分には幸せになる権利があるのだろうか。

境遇ゆえに両親からは、ほしいものを手にすることのできない子どものことを考えるようにいわれ、アイはやがて世界で死んだ人の数をノートに書くという習慣を身に付けます。

世界の本当の姿

日本に住んでいるとほとんど感じることができませんが、世界では紛争や難民などの問題が起き、たくさんの人が犠牲になっています。

本書ではアイの目を通じて、読者はそれらと直面することになります。

知ってどうなるのか。

心を痛めるという行為そのものが上から目線で、偽善なのではないか。

デリケートな問題ゆえに様々な意見が飛び交い、日常生活では口にすることすら抵抗を感じる人もいると思います。

しかし、西さんはそれでも自分はこう思うという意見を提示してくれました。

その覚悟は読み進めていくにつれて強くなり、一人の人間としてその姿に勇気づけられました。

この物語を受けて、世界は変わらないかもしれません。

しかし、この物語を受けて小さくても変われる人もきっといるはずで、小説の力というものを改めて感じることができました。

本書の伝えたいメッセージ

あとがきで、主人公であるアイは『I(私)』という意味で用いられていることが分かります。

さらにALL(世界、皆)やYOU(あなた)に対応する人物も登場し、彼らのやりとりを通して読者は目の前にいる人(あなた)や世界との繋がりを見出すことが出来ます。

『絶対、世界にアイはある』

自分に自信のない人、存在意義、生きている意味が見出せない人の背中を強く押してくれる、そして優しく包み込んでくれる、そんな物語です。

賛否両論

強い意見を提示した物語ですので、当然、賛否両論あります。

アマゾンのレビューを見ていても、様々な反応がありました。

上記の紛争や難民の問題だけでなく、セクシャルな部分も取り上げているので、当然のことです。

しかし、批判にしてもその内容は多岐にわたり、この物語を受けて読者一人一人が考え、自分の考えはこうだと提示しているのがよく分かりました。

これこそが、『i』という小説が生み出した可能性なんだと僕は思います。

このことをきっかけに諸問題について考えるのもいいし、あえて無視するのもいい。

とにかく知り、自らの責任で選択することが重要だと感じました。

おわりに

何かを主張すればすぐに叩かれる現代において、こういった強い小説が書けるのは西さんの強みだと感じました。

正直、こういった物語を立て続けに読む気力はないので、西さんの他の作品を読むのはもっと後のことになりそうです。

しかし、いつか必ず読むと思います。

好きとか嫌いでは括れない何かを感じたし、後で振り返った時にこの出会いがすごいものだったと思える日が来るかもしれない。

そんな気がしています。

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