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『GOTH』あらすじとネタバレ感想!人間の残酷さを好む少年と少女の物語

harutoautumn
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世界に殺す者と殺される者がいるとしたら、自分は殺す側だと自覚している少年「僕」。人間の残酷な面を見つめるのを趣味とする美少女、森野夜。2人が出会う7つの事件を網羅した合本版!
※本電子書籍は、『GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』『GOTH番外篇』を1冊にまとめた合本版です。
収録作品:「暗黒系」「リストカット事件」「犬」「記憶」「土」「声」「番外編 森野は記念写真を撮りに行くの巻」

Amazon内容紹介より

乙一さんの出世作である本書。

販売形態が色々ややこしいですが、本書は角川文庫から発売されている『夜の章』『僕の章』『番外篇』がすべて収録されているので、オールインワンになっています。

主人公である僕は自身が『殺す側』だと自覚していて、それをベースに事件に臨むので、通常のミステリとは異なった趣を楽しめます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

タイトルの意味

本書のタイトルは度々論点にあがっているので、冒頭で言及します。

『ゴス』とはゴシックに影響を受けた音楽、映画、小説などを含むサブカルチャーのことで、乙一さんは登場人物の森野夜がゴスっぽいことを理由にタイトルにしています。

しかし本書が発売された当時、ゴス文化は一般にあまり浸透しておらず、殺人事件とゴスを繋げる結果となり、乙一さんは読者からのお叱りもあり、反省しているというエピソードがあります。

乙一さんのあとがきを見てもそこまで深く考えているものではなさそうなので、一応こういった意味があるのか、くらいの認識で問題ありません。

手帳

夏休みが明けた頃の話。

高校生の僕はクラスメイトとそつなくコミュニケーションがとれますが、特定の友人は特にいませんでした。

そんな僕に対してクラスメイトで孤高の存在である森野夜が声をかけ、一冊の手帳を見せてきます。

僕は中身を見て既視感を覚え、そして驚きます。

冒頭に登場する楠田光恵は最近ニュースで殺害され、森の奥で解剖されていたことが報道されています。

手帳には光恵がどのようにして犯人と会い、殺害されたのか。

それが犯人視点で書かれていました。

犯人探し

手帳にはもう一人の犠牲者も書かれていました。

夜が手帳を拾ったのは近所の喫茶店で、遺体が見つかった現場も僕たちが住んでいる町から数時間圏内。

犯人が近所に住んでいる可能性は十分あります。

夜は手帳と事件を結びつけることに強い興味を持っていて、僕も興味がないといったら嘘になります。

手帳には三人目の女性について書かれていますが、女性の遺体が見つかったとはまだ報道されていません。

二人は女性の遺体がどこかにあるのではと推測して、二人で探しにいきます。

感想

ライトな異常性

本書は冒頭から異常性が際立っています。

手帳に書かれたことと、報道されているニュースから伝わってくる犯人の猟奇性はもちろんのこと、僕と夜にも共通したものがあります。

夜は事件と手帳に書かれた異常な行動に強い興味を抱いていて、彼女はこの類のことになると珍しく自然と笑みを浮かべるので、本当に好きなのだということが分かります。

僕についても、積極的に参加したいという感じは出していませんが、自分が殺す側にいるという自覚があることで、その異常性を出してきます。

本書は僕という視点を通して展開するため、どんな異常性が登場しても何事もなかったかのようにスルーして展開するのが面白いです。

元々ライトノベルとして書かれたという経緯もあり、2000年代らしい雰囲気をまとった本書は当時を知る人であればかなり刺さるのではないでしょうか。

ミステリとしてはもう一歩

本書はミステリ仕立てにも読めますが、ミステリという観点からするともう一歩感は否めません。

僕はそれまでの状況をもとに推理して犯人を突き止めますが、完璧な論理というよりも、ある程度の希望的要素も含まれています。

物語の都合上、それが思ったように機能するのですが、本格ミステリ好きが期待するような完全無欠なものではありません。

ライトノベルとして書かれたのであれば、推理パートよりもキャラクターが重視されるのは当然なので、本書としてはまったく問題ありません。

また本書は殺人犯を人間ではなく怪物として描きたいという乙一さんの以降もあり、背景や動機などが詳しく書かれていません。

それが本書で味わいたい部分でもあるので、ミステリ好きであればその点を考慮して読むと、本書をより一層楽しめるかもしれません。

おわりに

久しぶりにあの頃のエッセンスを注入された気分です。

あまり昔に戻りたいということはないのですが、あの頃って良かったなと、思えた一冊でした。

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