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『ゴールデンタイムの消費期限』あらすじとネタバレ感想!元天才とAIが織りなす青春小説

harutoautumn
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小学生でデビューし、スランプに陥っていた高校生小説家・綴喜文彰。また傑作を書けるようになると誘われ、あるプロジェクトに参加する。向かった山奥には、料理人、ヴァイオリニストなど5人の元・天才たちがいた。彼らのミッションとは、AI・レミントンの力を利用し、天才として世間に返り咲くこと――。借り物の才能で幸せになれるのか? 天才ではない自分に価値はあるのか? 等身大の悩みが胸に突き刺さる、共感必至の青春小説!

Amazon商品ページより

斜線堂有紀さんの作品を読んだ回数はそこまで多くありませんが、心に残るものがあり、今回はサイン入りの文庫を購入して読みました。

AIによる新たな可能性の提示と、それに向き合う元天才たち。

残酷でいて、それを乗り越えた元天才たちは清々しくて美しく、心洗われるような感覚でした。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

元小説家

綴喜文彰は小学生で小説家としてデビューし、中学生の時に刊行した『春の嵐』が大ヒットし、一躍天才小説家として世に認められるようになります。

春の嵐は宇宙飛行士を目指す従兄を題材にした作品で、綴喜の描写力が活かされた作品でした。

しかし、従兄は大事故に遭って体に障害が残り、当然宇宙飛行士としての夢は絶たれてしまいます。

この件がきっかけで綴喜は思うように小説が書けなくなり、高校になった今に至るまで新たな小説を世に送り出すことが出来ずにいました。

レミントン・プロジェクト

そんな時、綴喜は担当編集者からレミントン・プロジェクトへの参加依頼をもらいます。

レミントン・プロジェクトは国が主導して行われているもので、天才たちを集めて十一日間にわたる合宿を行うのだといいます。

プロジェクトの意義は分かるとして、なぜ小説が書けていない綴喜に白羽の矢が立ったのか。

疑問はありますが、全く新作が書けない綴喜にとって、新作への可能性があるのであれば選択の余地はありません。

迷った末に、参加を了承するのでした。

元天才たち

綴喜はプロジェクトのマネジメントを行う備藤に連れられ、山以外は見えない国有地に向かいます。

そこにある施設には、様々なジャンルで活躍する五人の天才たちが待っていました。

彼らも詳細は知らされておらず、まずはレミントンというAIと個人ごとにセッションすることになりますが、そこで誰もが様子をおかしくします。

そして、ようやく一つ目の真実が明らかにされます。

集められた天才たちは『元』であり、才能が枯渇した、あるいはしかけている状態でした。

レミントン・プロジェクトとは、そんな元天才たちを再生させるためのものだったのでした。

感想

若い葛藤

本書を読んで、僕は久しぶりに問答無用で心を揺り動かされました。

それは本書に登場する元天才の彼らの葛藤が痛いほどよく分かったからです。

彼らがしがみつくしかない理由を口にするたびに、目頭が熱くなりました。

凡人である自分ですらこれだけ強烈に共感できるのですから、似た境遇の人ではどれほど心をかき乱されるのだろうと。

人間は成功体験を得ると、成功することが当たり前になり、失うことを極端に恐れます。

大人であれば別の生き方もあると割り切れるかもしれませんが、綴喜たちはそれしか知らず、失っても生きていけることを知りません。

だからこそしがみつこうとしてもがき、それによってさらに苦しむ。

本書は彼らが苦悩と葛藤の末、少しずつ大人になっていく物語で、青春小説そのものです。

良作ではあるけれど

本書はAIというSFに使えそうな要素をはらみつつ、ミステリのように謎解き要素もあり、それでいて芯は青春小説です。

様々な要素を取り入れつつも見事に融合していて、斜線堂さんの手腕が発揮されています。

良作であることに間違いはありませんが、名作であるかというと、ちょっと疑問というか、かすかな違和感があります。

それはいくつかあり、例えばレミントン・プロジェクト。

綴喜は担当編集者から本プロジェクトに誘われるわけですが、秘匿性は守られるのだろうかとか、仲介の編集者がろくにプロジェクトの内容を知らない状態で候補者を集められるのだろうかとか、いくつか疑問があります。

才能が枯渇しかけた天才たち相手だからこれでも集められたのかもしれませんが、ちょっとお粗末な気もします。

それから物語の展開。

AIをテーマにしながらも青春小説としての葛藤や未来を丁寧に描いていて、全編通じてリーダービリティが損なわれている箇所はありませんんでした。

しかし、その分引っ掛かりが少なく、もっとフックになるような展開やギミックを欲していたのも事実です。

こういった小さな違和感があるので良作という言い方に留めましたが、それでも本書が素晴らしいことに違いはありません。

AIが提示してくれるかもしれない新たな未来の予感と、それでも人間にしかない魅力があることの再確認。

素晴らしい読書時間でした。

おわりに

ゴールデンタイムが終わっても、人生はそれ以上に長く続く。

その中でどんな人生を歩み、どんな幸せを見つけていくのか。

青春小説としつつも、大人でも考えさせられることの多い作品だったと思います。

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