サスペンス
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『連続殺人鬼カエル男ふたたび』あらすじとネタバレ感想!あの稚拙で残虐な殺人鬼が帰ってきた

harutoautumn
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凄惨な殺害方法と稚拙な犯行声明文で世間を震撼させた「カエル男連続猟奇殺人事件」。十ヵ月後、事件を担当した精神科医・御前崎教授の自宅が爆破され、その跡からは粉砕・炭化した死体が出てきた。そしてあの犯行声明文が見つかる。カエル男の報復に、渡瀬&古手川の刑事コンビもふたたび動き出す。さらにカエル男の保護司だった有働さゆりもアクションを起こし…。

「BOOK」データベースより

世間を恐怖のどん底に突き落としたカエル男が帰ってきました。

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残虐性はそのままに対象範囲が埼玉より拡大し、被害が広がれば前回の暴動以上の悪夢が待っているのは必須。

渡瀬&古手川はカエル男を止めることが出来るのか。

一気読み必須です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

再来

カエル男の事件から十か月。

事件に大きく関係していた精神科医・御前崎が自宅で殺害されているのが発見されます。

体は粉微塵になっていて、現場にはカエル男の書き置き。

同時期、前回の事件の関係者であり、御前崎の患者だった当真勝雄が退院しており、御前崎の家に勝雄の指紋などが残されていたことから警察は勝雄を容疑者として追いかけます。

前回の事件で解決に大きく貢献した渡瀬と古手川も捜査に加わりますが、気になる点がいくつかあります。

前回、カエル男は名前の五十音順に被害者を選んでいて、『オ』で始まる御前崎が選ばれたことは前回の続きとしておかしくはありません。

しかし、前回は埼玉県飯能市に限定された殺人でしたが、御前崎の家は千葉県松戸でこの法則から外れます。

犯人は何が目的なのか。

勝雄はどこに消えたのか。

渡瀬たちは、再びカエル男という悪に立ち向かいます。

読めない法則

勝雄が見つからないまま、カエル男の第二、第三の被害者が明らかになります。

どれも残忍な方法で殺害されていて、名前はそれぞれ『サ』、『シ』から始まるということで、『カ』行が飛ばされたことになります。

場所も埼玉県熊谷市、東京都神田などバラバラで、このことが世間に知られれば、飯能市を襲った悪夢が日本全国に広がることになります。

それだけは阻止したい渡瀬たちですが、一向に勝雄の居場所に繋がる情報は得られません。

一方、渡瀬と腐れ縁の記者・尾上は事件を追う中で怪しい人物を尾行しますが、気づかれて重症のケガを負わされてしまいます。

尾上が襲われたのはそれだけ真実に近づいたからであり、渡瀬たちはそれをヒントに捜査を続けます。

脱走

事件に呼応するように、八王子医療刑務所に収容されていた有働さゆりが職員を襲って脱走します。

古手川から見て精神が安定しているように見えた彼女ですが、脱走したことによって本性が変わっていないことを思い知らされます。

さゆりは脱走して、どこに向かったのか。

カエル男の事件にさゆりという凶暴な人物が加わり、捜査はさらに緊迫を増していきます。

感想

カエル男が帰ってきた

前作を読んだ人であれば、カエル男という人物がどれだけ世間を恐怖のどん底に陥れたのかをよく覚えていると思います。

今回、そのカエル男が帰ってきました。

読者にとって嬉しいことこの上ない続編ですが、渡瀬たち警察からすれば最悪といっても過言でもない相手です。

前回同様、人間とは思えない稚拙で残虐な殺人を犯し、しかも狙いが読めないということで捜査の方針すら定まりません。

早く解決しなければ、前回以上の悪夢になってしまう。

このタイムリミットのある緊迫感がたまらなく、続編でもクオリティが一切落ちていないことに安心しました。

推理は意外と簡単

肝心の推理についてですが、違和感に気が付いてしまえば100%の解答が出せないまでも、ある程度まで推測することは意外と簡単です。

古手川も序盤でヒントになることを口にしているので、その疑問を少し膨らませて考えれば自然と真実に辿り着きます。

とはいっても、真実に辿り着く=犯行を止められるとは違うので、犯人が分かっても最後まで十分に楽しめます。

さらなる続編の予感

ラスト、とても含みのある展開で本書は幕を閉じます。

それは続編を示唆しているように思え、自然と期待が高まりました。

カエル男が築いたイメージがあまりに巨大であることから、カエル男に関係する物語の幕を完全に閉じるにはまだ何作かかかりそうです。

本書に限らずですが、中山さんの作品はシリーズを超えてリンクしているのが魅力なので、他作品の進行具合によって今後の展開が決まってくるのかもしれません。

シリーズとしては本書含めて二作ですが、細部まで楽しむには中山作品全般を追う必要があるので、可能であれば続編が出る前に他作品も読んでおくことをお勧めします。

おわりに

渡瀬や古手川には悪いですが、カエル男の再来に胸が躍ってしまいました。

まさに悪の化身と呼んで差し支えのない残虐犯で、今回もカエル男らしい幼稚で残虐な一面を見せてくれました。

続編にも期待できそうなので、引き続き中山作品を全体的にチェックしておきたいと思います。

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