小説

『騙し絵の牙』ネタバレ感想!出版業界の現状と新たな未来がここにある

スポンサーリンク

created by Rinker
KADOKAWA
¥792
(2019/12/13 22:36:15時点 Amazon調べ-詳細)

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。ある夜、上司から廃刊の可能性を匂わされたことを機に組織に翻弄されていく。社内抗争、大物作家の大型連載、企業タイアップ…。飄々とした「笑顔」の裏で、次第に「別の顔」が浮かび上がり―。俳優・大泉洋を小説の主人公に「あてがき」し話題沸騰!2018年本屋大賞ランクイン作。

【「BOOK」データベースより】

『罪の声』などで知られる塩田武士さんの作品で、大泉洋さん主演の映画が2020年6月公開予定です。

映画の公式サイトはこちら

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部分のネタバレは避けていますが、未読の方はご注意ください。

スポンサーリンク

大泉洋を主人公に『あてがき』

冒頭のあらすじにもありますが、本書は大泉洋さんを小説の主人公に『あてがき』しています。

あてがきとは、演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめて決めておいてから脚本を書くことで、本書の主人公・速水輝也=大泉洋となっています。

そのため、小説を読んでから映画を見ても、違和感を覚えにくくなっています。

しかし正直、僕は速水を大泉さんとは思えませんでした。

どうしても普段のコミカルな大泉さんのイメージが思い浮かび、それがいけなかったのかもしれません。

僕のイメージでは、もう少し渋い感じの俳優さんがぴったりな気がしました。

あまり思いつかないけれど、佐藤浩市さんとか?

作品自体は非常に好みだったので、ぜひ映画で僕のこの印象をがらりと変えてほしいと思います。

スポンサーリンク



出版業界の闇

近年、出版業界はかなり厳しい局面に立たされています。

Amazonなどネットで本が購入できるようになり、街の本屋さんが次々と潰れています。

電子書籍が登場し、中には定額読み放題もあり、紙の本も減少傾向にあります。

そもそもスマホに一日の時間を取られ、そもそも本や雑誌が必要とされなくなりつつあります。

そんな苦しい状況において、出版大手「薫風社」でカルチャー誌の編集長を務める速水は小説の可能性を信じ、作家が安心して執筆できるよう全力を尽くします。

しかし会社にとって最も優先するべきものは利益であり、そこに読者や作家への配慮はありません。

不況なのは分かっていましたが、ここまで政治的なやり取りが思っていませんでした。

本が好きな人にはぜひ読んでほしい作品ですが、好きがゆえに辛くなるシーンもあるかもしれません。

僕は中古品ではなく、ちゃんと新品で本を買おうと改めて決意しました。

新たな未来

どれだけ努力しても報われない速水ですが、最後の最後でどんでん返しを見せてくれます。

まだまだ出版業界はやれるんだぞ、そんな気概が感じられました。

今の業界にとって、何が必要なのか。

この先、どんな未来が待ち構えているのか。

僕は不安でしたが、期待もしていいのではないか。

そんな気持ちになれました。

蛇足?

どんでん返し後、なぜ速水がここまで小説にこだわるのか。

その答えが、彼の反省と共に明らかになるのですが、個人的にはちょっと蛇足かなと思ってしまいました。

僕は出版業界を物語の中心として読んでしまっため、最後まで速水、というか大泉さんが出過ぎる感じが嫌だったのかもしれません。

同様のレビューも中には見られたので、人によって評価が分かれるポイントかもしれません。

スポンサーリンク



おわりに

不満な点をいくつも書きましたが、僕は本書を読んで本当に良かったと思います。

熱意だけではどうにもできない現状があるけれど、それをなんとかしてみせたラスト。

それだけで報われた気がしました。

これからも出版業界が維持・発展できるよう、可能な限り貢献していきたいと思います。

created by Rinker
KADOKAWA
¥792
(2019/12/13 22:36:15時点 Amazon調べ-詳細)

出版業界について言及した記事なので、よければ合わせてご覧ください。

電子書籍が売れない7つの理由!紙の本は残る? 今ではすっかり市民権を獲得している電子書籍。 昔は読まず嫌いでしたが、読んでみると想像以上に読み応えがあり、今では紙媒体で...
スポンサーリンク

スポンサーリンク

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です