『ボーンヤードは語らない』あらすじとネタバレ感想!マリア&漣シリーズ初の短編集
U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を請う。実は引き受けたマリアたちにも、過去に対峙した事件への苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そしてバディを組んだ二人が初めて捜査した、緊急通報があった家庭での悲劇の真相は? シリーズ初短編集。
Amazon商品ページより
マリア&漣シリーズ初の短編集となる本書。
刊行順で前の作品はこちら。
短編集ということでそこまで込み入ったミステリではありませんが、マリアや漣の過去、二人の出会いなどが描かれ、ファンであれば必読作品です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
ボーンヤードは語らない
とある空軍基地には飛行機の墓場と呼ばれる場所があり、墓場のことをボーンヤードと呼びます。
軍用機は非常に高額なため、役目を終えてもスクラップにはせず、再整備したり部品を抜きとって再利用したりします。
そのため、次なる役目を待つ場所が、この飛行機の墓場です。
テリー・ラトリッジ軍曹は夜、この墓場を巡回していましたが、そこで思いがけないものを見付けます。
それは同期で親友のマーク・ギブソンの遺体でした。
赤鉛筆は要らない
一九七〇年代前半の、日本での話。
漣は高校の部活の元先輩・河野茉莉とその母親の由香莉と病院で会い、二人に連れ添って河野家に寄ります。
父親である忠波瑠はマイナーな写真家で、気難しい性格がうかがえます。
さらに家には叔母である夏乃とその夫が来訪しますが、二人の振る舞いから茉莉や由香莉が不当に扱われていることが分かります。
不穏な雰囲気が漂う中、事件は起きました。
レッドデビルは知らない
アトランタ市郊外にあるハイスクール。
マリアはそこに通っていましたが、ハイスクールで問題を起こしたことで『赤毛の悪魔』と呼ばれ、生徒たちから避けられていました。
そんな中、彼女を避けずにいてくれたのがハズナという少女でした。
ハズナは穏やかでいて、強引にマリアとコミュニケーションの場を持ち、母親のようであり、それでいて親友として振る舞います。
マリアもうんざりしつつも、そんなハズナを親友と思っていました。
しかし、そんな二人を取り巻く環境は劣悪であり、それがある事件に繋がります。
スケープシープは笑わない
漣フラッグスタッフ署に配属され、そこである警部のパートナーになるよう命じられます。
その警部こそマリアでした。
類まれなる美貌と、それを台無しにするずぼらさと、何もかも焼き尽くさんとする強い瞳。
マリアと漣は、お互いに良い第一印象を持ちませんでした。
そのまま一本の通報により二人の初仕事が始まりますが、そこで二人は事件を通してお互いを知っていくことになります。
感想
それぞれの境遇
本書はマリアと漣が出会う前のそれぞれの話、出会った後の話などバリエーション豊かです。
かつ視点も話ごとに変わるため、色々な角度からシリーズを追うことができます。
マリアはこれまでの言動や行動から問題児であることは想像に難くなかったのですが、決して彼女のせいだけではないところが明らかになります。
言動がストレートすぎるところはありつつも、様々な偏見に満ちた環境が原因であることも少なくありません。
さらに本書で扱われた事件は痛ましい、後まで尾を引くもので、爽やかさとは正反対でした。
また漣の関係した事件もかなり重ためです。
彼自身は今とそこまで大きく変化は見えず、冷静に対処してくれたわけですが、子どもだったからこそできないこともあり、それが彼に傷をつくることになります。
傷を持ったもの同士だからこそ共感しあえるところがあったのかなと、本書を読んで思いました。
ミステリとしてはそれなり
本書をシリーズ作の一冊として、マリアや漣のキャラクター性を楽しむという視点で読めば合格点です。
一方で、ミステリ単体として読んだ場合、どうも面白味に欠けます。
まず事件に意外性がありません。
初見でも気になった部分をさもすごいだろうと提示されるので、ちょっと温度差を感じます。
かつ犯人も意外性はなく、ただただ真相がめんどくさい。
そこにページ数を割くくらいなら、犯行をシンプルにして、違った部分にページを割いてほしかったなというのが正直な感想です。
僕はシリーズ作としてキャラクターの魅力を求めて読んでいるので問題なかったのですが、人によって評価が分かれるのは避けられなさそうです。
おわりに
キャラクターの魅力を再発見できた作品でした。
そして短編を読んだことで、短編よりも長編の方がテンポが良く、本シリーズには向いているなと感じた次第です。
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