『妖し』あらすじとネタバレ感想!十人の豪華作家による怪異集
暑い日になぜか起こる奇怪なある出来事、風鈴の音が呼び覚ますもう一人のわたしの記憶、死んだはずの母が見えるわたし、病院から届いた友人のSOS、旧いブザーを押す招かざる客…。それは不思議な夢か、それとも妄想なのか?10人の豪華執筆陣が“怪異”をテーマに描く、短篇アンソロジー。極上の奇譚小説をあなたに―。
「BOOK」データベースより
名だたる小説家による『怪異』をテーマにしたアンソロジーである本書。
僕は半数以上が好きな作家さんだったので即買いで、大正解でした。
知っている作家さんのエッセンスが補給できただけでなく、新しい出会いもあり、もう大満足です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
曇天の店【恩田陸】
北陸の古い門前町。
私は開店したばかりですが評判の良いお店で昼食をとりますが、夏にも関わらず勝手口は閉められていました。
店主はフェーン現象が起きるような暑い時には開けてはいけないのだといい、カワケという現象について教えてくれます。
わたしのキャベンディッシュ【米澤穂信】
キャベンディッシュとはバナナの品種のこと。
みのりは宮崎県にある研究所で、商業生産に向く新たな品種の開発を行っていました。
夫との関係も良好で、好きな研究もできる。
みのりの生活は充実していましたが、それを壊す出来事が起きます。
ANNIVERSARY【村山由佳】
サチは夫と息子に囲まれ、幸せに暮らしていました。
ある日、浅草で行われていた縁日に立ち寄り、帰りに顔に黒い穴の開いた男と出会います。
男とサチはぶつかりそうになり、次の瞬間、サチは目を覚まし、なぜか小学二年生になっていました。
真珠星スピカ【窪美澄】
みちるの母親は交通事故で亡くなっていますが、みちるには母親が見えていました。
母親は家から出られず、会話をすることはできません。
それでもみちるを見守り、支えています。
これは、みちると母親の不思議な話。
マイ、マイマイ【彩瀬まる】
私は鈴白と付き合っていますが、彼は最近、同じゼミの後輩・ハルヒに心を奪われつつありました。
鈴白の体から乳白色の石が落ち、私はそれを拾って持って帰りますが、その日から不思議な夢を見ます。
それは、鈴白の記憶のような光景でした。
李果を食む【阿部智里】
両親を交通事故で亡くし、兄と弟は二人で暮らしていました。
両親は学歴重視のコンプレックスを抱えた人間で、兄はバカだと見放され、弟は親の過度な期待を受けて歪に育っていました。
そんな二人の暮らしがうまくいくはずもなく、この物語では二人の視点それぞれから描かれます。
フクライ駅から【朱川湊人】
仙崎は高校時代の友人・三津谷が心を病んで病院に入院したことを彼からのはがきで知り、三津谷の妹・茉莉と共に病院に向かいます。
はがきには助けてくれと書かれていたが、それはどういう意味なのか。
三津谷は手紙を書けない状況のはずなのに、どうやって出したのか。
謎ばかりですが、それがやがて明らかになります。
細川相模守清氏討死ノ事【武川佑】
時代怪異譚である本書。
細川清に助けられた少年・孫七郎の視点で描かれます。
かぐわしきひと【乾ルカ】
大矢翼の兄・翔は突然首を吊って自殺してしまいます。
翼の留守電には『カリン』という翔からの言葉が残されていて、女性絡みのことではないかという仮説が立ちます。
兄の死を調べる翼ですが、次第に真相が明らかになります。
喪中の客【小池真理子】
ブザーのついた家ですが、ある日を境にインターホンに変えます。
そのため来客が来た時にはインターホンが鳴るはずですが、ある日、ブザーが家中に響き渡ります。
誰が鳴らすのか。
それは、招かれざる客でした。
感想
怪異のバリエーション
怪異というテーマが共通していますが、本書に収録されている短編はバリエーション豊かです。
怪異らしきものが登場するけれど正体は最後まで謎のもの、人間の怖さが良く出ているものなど、怖いポイントも様々です。
僕は恩田陸さん、米澤穂信さん、阿部智里さんの作品目当てで購入しましたが、どれも皆さんそれぞれの持ち味が存分に活かれていました。
恩田さんであれば日常から非日常への導入が巧みだし、米澤さんであれば人間の怖い部分がよくクローズアップされているし、阿部さんであれば二つの視点によって異なる解釈の生まれた点が面白かったです。
新たな出会い
他にも読んだことのある作家さんはいましたが、朱川湊人さんの作品が初めてで良い出会いとなりました。
リーダビリティの高さ、疑念の対象が移り変わる時の鮮やかさなど、読んでいて心地よかったです。
著作を見るとタイトル、表紙だけでもう読みたいと思える作品が多数あったので、早速チャレンジしてみたいと思います。
おわりに
豪華という言葉通りのアンソロジーでした。
ホラーが苦手な人でも楽しめるくらいには怖さはライトなので、興味を持った人は読んでみてはいかがでしょうか。
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