『赫眼(あかまなこ)』あらすじとネタバレ感想!禍々しいホラーが集う短編集
目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。学校を休んだ彼女に届け物をしに、少年が訪れた家の奥―そこには、あまりにも禍々しい何かが横たわっていた…(表題作)。合わせ鏡が作り出す無限に続く映像世界。その魔力に取り憑かれた男を襲う怪異とは(「合わせ鏡の地獄」)。書下ろし掌編を含む、悪夢のような傑作十二編。
「BOOK」データベースより
表題作を含めた十二の短編が収録された本書。
短編からショートショートと呼ぶのが適当なほど短いものもあり、かなりあっさり読めます。
それでいてじっくり読むとそれぞれテイストの異なるホラーを楽しめるので、多くのホラーに触れたいという人に特にオススメです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
赫眼
私は小学生の時、父親の転勤の都合で別の小学校に通うことになりますが、その時、他にも転校生がいました。
目童たかりという少女は両の瞳で虹彩の濃さが違うという特徴の他に、美しい容姿をしていました。
はじめは彼女に見つめられることに快感を覚えていた私ですが、それはすぐに戦慄が勝るようになります。
私の母方の祖母はかつて拝み屋をやっていて、その影響か私もまた関わってはいけないものが分かることがありました。
そして、その感覚が正しかったことが次第に明らかになります。
怪奇写真作家
僕は月刊誌の編集者をしていましたが、異動を機に絵に触れるようになり、いつしかその魅力に引き込まれていました。
その中でもサイモン・マースデンの写真集『幽霊城』の異質さに惹かれ、企画で扱うことになります。
幽霊城の版元に電話したことをきっかけに、そこの編集者・Gという女性と知り合い、仕事抜きで語り合うほど交友を深めていました。
そんなある日、僕はGとの会話を聞いていた水木予里子という女性に声を掛けられ、彼女からとある写真家の話をされますが、それが恐怖の始まりでした。
怪談奇談・四題(一)旧家の祟り
三津田さん初のホラー短編集ということで、おまけとして収録された四つの話のうちの一つ。
作家のSから聞いた話で、九州のO家という何百年も続いている旧家の話です。
SはO家の近所の人に軽い気持ちで話を聞くと、その老人は身を乗り出してO家の話を始めました。
見下ろす家
幽霊屋敷という言葉に、僕の脳裏に三軒の家が蘇ります。
それはどれも小学三年・四年生の時に関わったものばかりで、この時、僕が特定の家に憑かれていたことが明かされます。
怪談奇談・四題(二)原因
当時フリーライターだったKはとある漫画家に代わり、その人に関わる本の執筆をします。
いわゆるゴーストライターです。
問題なくいけば半年程度で出版までいけるはずでしたが、そこで思わぬ不幸がKを襲います。
よなかのでんわ
夜中に行われる、古くからの友人同士の電話。
地の文はなく、二人の会話だけで物語が進行します。
片方はお互いに嫌な思い出のある山から電話をしていて、当時何があったのかを話し始めますが、次第に様子がおかしくなります。
灰蛾男の恐怖
僕は一昨年の秋、S地方の温泉旅館に宿泊していました。
その宿は何かがあると感じさせる雰囲気のある場所で、僕はそこの露天風呂でこの山に住むという老人と出会います。
僕がホラー小説を書いていることを知ると、老人は自身の経験を語り始めました。
怪談奇談・四題(三)愛犬の死
結婚五年目のDは、夫婦共々子どもが欲しいと思っていましたが、なかなかできませんでした。
その代わりとして、奥さんの実家で飼っている犬をたまに預かり、我が子のように可愛がっていました。
これは、そんな夫婦に関する話です。
後ろ小路の町家
僕は八影という人から怪談を入手しますが、体験者であるEが存命であることから、この話を作品にすることを断られてしまいます。
ところが時が経ち、八影から手紙が届きます。
そこにはEが亡くなったことの報告の他に、Eが綴った、彼の体験談が同封されていました。
僕は様々な疑問を抱きながらも、その記録を読みます。
怪談奇談・四題(四)喫茶店の客
これは三津田さんが数年前に体験した話。
喫茶店で突然、おかしなことを言い出した女性を見かけ、その様子を描いています。
合わせ鏡の地獄
十年以上前の話。
カプセルホテルに泊まった僕がトイレに行くと、そこには五つの鏡が合わせるように設置されていました。
江戸川乱歩の『鏡地獄』を連想していると、そこで歪な印象を与える男と出会います。
死を以って貴しと為す 死相学探偵
探偵事務所を営む弦矢俊一郎は、死の影を見ることができました。
ある日、事務所を訪れた飯沼という男からはそれが見えませんでしたが、真っ黒で途轍もなく忌まわしい何かが感じられました。
その原因は何なのか。
僕は飯沼と話しているうちに、その原因に辿り着きます。
感想
気を抜くとやられる
僕はまず、表紙とタイトルにある『赫眼』が気になっていました。
ところが、それが思ったほどは自分にはまらなかったので、期待したほどではないかな?と油断していました。
そんな気持ちで読み進めていたので、『怪奇写真作家』、『よなかのでんわ』あたりでやられてしまいました。
特に『怪奇写真作家』は予想もしていない結末だったため、久しぶりに読んでいて心臓が高鳴りました。
これは通学・通勤などの落ち着かない時間に読むにはもったいないので、夜の雰囲気が出る時間に読むことをオススメします。
濃淡がある
短編集なので、当然、話によって好みは分かれると思います。
僕はどれも嫌いではありませんでしたが、いくつかはそれで?と拍子抜けした気持ちになったのは事実です。
怪談奇談の四本はまさにそれで、もう一歩踏み込んだ何かがあっても良かったのでは、と思わなくもありませんでした。
おわりに
表紙のインパクトに比べるとややあっさりめでしたが、それでも三津田さんの巧みなホラーが楽しめる一冊です。
話によっては読者の予想を上回る恐怖を与えてくれると思うので、ぜひじっくり読んでみてください。
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