『安達としまむらSS3』あらすじとネタバレ感想!
二人の日常のさらに日常。書き下ろし多数の短編集、第三弾。
「しまむらって、会社の人にお昼とか誘われたりする?」
「そりゃあ、時々はありますけども」
「………………………………………」
「その目はなぁに」
「勘違いしないで、私はそこまで、その、束縛する方じゃなくて」
「すいと嘘をおつきになる」二人の日常は家からスーパーから、そして海の向こうまで。書き下ろし多数の短編集、第三弾。
Amazon内容紹介より
シリーズの短編シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。

今回は振れ幅がすさまじく、単なる日常ものから二人の関係が明確に進むもの、はたまた切なくなるものまで、感情もスケール感もバラバラ。
あるのは安達としまむらがいて、二人はお互いを必要として大事にしているということです。
こんな感情を抱くようなシリーズになるとは思っておらず、短編一つ読む度にしみじみとしたため息がこぼれました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
数ページの短編が多くあらすじを書くのが困難なので、方向性だけ簡単に記載します。
ただただ深まる
本書ではしまむらの幼い頃など、比較的前の時系列のものも描かれますが、基本的には安達としまむらが学校を卒業して、同棲している時間軸の話が描かれます。
もうただただ甘々です。
安達はただでさえしまむらへの愛が常軌を逸しているのに、まだそれを日々高めようと邁進しています。
盲信とも捉えることができる感情ですが、しまむらもそれを受け止め、自分もそうでありたいと願っていて、決して一方的な感情のやり取りでないことが分かります。
そしてついに二人の初夜もあり、興奮というよりも、いよいよかという謎の緊張感があり、珍しく本作の登場人物への共感がありました。
とんでもないスケール
これまでも本編シリーズ以外で、様々な時間軸や周回的な話が描かれてきましたが、本書でもいくつか描かれています。
非常に概念的で、しかもこれまでの短編とも複雑な繋がり方をしているので、丁寧に読み返さないと前後の繋がりが分からなくなるほどです。
ただ一点いえるのは、二人の関係はもはや単なる恋愛にとどまらず、もはや運命か、あるいはそれ以上の必然で結ばれたようなものだということです。
しかもそう決められているのではなく、二人が明確に選んでいることがポイントで、その想いをヤシロというドラえもん的存在がなんとかしてくれます。
この辺りはファンタジーですが、二人の純粋な想いならそれもありなのではという納得感もあり、心が温まり、でもどこか切ない。
こんな感情は他ではまず味わえません。
感想
今後の行方
あらすじでも感想的なことを書いてしまっているので、ここでは今後のシリーズの行方について。
安達としまむらがいつ終わってしまうのか、ということはファンの間でも度々議論されていて、正直、今回でかなり区切りがついた感もあります。
二人が人生を終えても、その先でまた結ばれることは確定したようなもので、それ以上先のことを描く必然性はありません。
もちろんいくらでも描けるのですが、それは終わりのない日常作品であり、感覚としてはサザエさんやちびまる子ちゃんのような、終わりをつけない限りは無限に続く物語と化しています。
本編である高校生編も文化祭まで終わり、残す学園生活もあとわずか。
卒業まで描き切るのか、それとも。
続いてほしいような、続いてほしくないような。
自分でも決められない感情で、ただ作品をあるがままで受け入れる覚悟だけはあります。
ただ最近は年1回のペースで読めていて、それがただただ幸せです。
おわりに
こんな尊い関係を描くシリーズになるなんて思ってもいませんでした。
単なる百合ものと紹介したら語弊があるくらい、本書は人間が人間を愛する。
それくらい壮大な気がします。
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