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『その白さえ嘘だとしても』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない―。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

「BOOK」データベースより

『階段島シリーズ』第二弾です。

前の話はこちら。

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今回は七草と真辺だけでなく、脇役にもスポットライトを当てている作品で、世界観がより一層深まる作品です。

しかし話の視点があちこちいってしまうので、状況を整理しながら読まないと混乱してしまうかもしれません。

そこで、この記事ではその辺りを整理していこうと思いますが、話の進行上の問題で時系列が若干前後しますがご了承ください。

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あらすじ

一つの事件

その冬、階段島ではインターネット通販の荷物が届かないという事件が起きていた。

店自体が少ない階段島にとって、毎週土曜日に届けられる通販の荷物は文字通り生命線で、このままでは生活が成り立たなくなってしまう。

魔女によって階段島は管理されている。

つまり、魔女の仕業だろうか? だとしたら、なぜ?

謎を抱えたまま、階段島はクリスマスを迎えようとしていた。

三つの依頼とクリスマスの七不思議

クリスマスを目前にして、七草は真辺、佐々岡、水谷(委員長)の三人から同時に依頼を受けていた。

それに関しては、後述する。

また、イブに大量のクリスマスカードが投函されていて、時任はそれらを配るために階段島中を走り回る。

そして、最近になって、階段島ではクリスマスの七不思議という噂が出回っていた。

① 恋愛成就のサンタクロース

サンタクロースに「恋人が欲しい」と手紙を出すと、好きな相手をさらってでも連れてきてくれる。

② 海辺に落ちている手袋

イブには小さなお地蔵様がある海岸通りに、必ず手袋が落ちている。

③ 魔女の手先のクリスマスパーティー

魔女は階段島を監視するために手先を住人に紛れ込ませていて、イブに集まって行う秘密のクリスマスパーティーがある。

④ 島に逃げ込んだ犯罪者

凄腕のハッカーがホワイトハウスのツイッターアカウントを盗んだことが大問題になり、階段島に逃げ込んだ。

⑤ 必ず失敗する演奏会

イブの演奏会は呪われていて、絶対に開催されない。強引に開こうとすると悲劇が起きる。

⑥ 毎年クリスマスケーキが供えられるお墓

島のどこかに、イブに欠かさずケーキが供えられているお墓がある。

⑦ 願いが叶う聖夜の雪

階段島のイブには雪が降る。雪が降る夜空に向かって願い事をすると、それが叶う。

どうしてこんな噂が流れているのか?

この噂が意味することは何か?

物語が進みにつれて、それが明らかになる。

真辺:ハッカーの捜索

真辺は凄腕のハッカーが通販の商品をキャンセルしているという噂を聞きつけ、見つけるために協力してほしいと七草に頼む。

七草は了承し、ハッカーを探すことになった。

イブの午後一時、七草と真辺は待ち合わせをすると、話は階段島に最近流れ始めたクリスマスの七不思議になった。

そこには凄腕ハッカーに関する噂もあって、根拠があるからそういう噂になったのではないかと考えた真辺は、クリスマスの七不思議について調べることにした。

しかし、水谷との待ち合わせを控えていた七草は数時間後に落ちあうことを提案し、またその間に真辺も友達へのクリスマスプレゼントを買うよう促した。

真辺は聞き込みついでにプレゼントを探すことにした。

一時間後、二人は合流した。

噂を調査していく中で、噂が今年できたことが分かった。

また真辺は、うえお軒という屋台ラーメンの店主が島に来る前はプログラマーだったという情報を得ていて、その人がハッカーではないかと少しだけ疑っていた。

真辺は、七草がハッカーなどいないと分かった上で自分の付き合ってくれていることを知っていて、その理由を聞くが、満足のいく答えは返ってこなかった。

今度は午後五時に合う約束をして、二人は別れた。

その後、水谷と合流した真辺は、白い封筒を開けて大地の居場所を知り、そのアパートに向かった。

しかし管理人に止められてしまい困っていると、そこに時任が現れ、彼女の交渉によって管理人が部屋の中を確認してくれることになった。

中を確認すると、そこには大地が立っていた。

大地は迷子になっていたところをハッカーに助けてもらったと言い、彼はその後寝ていたのだという。

ハッカーは魔女に追い出してもらうために通販を届かないようにしたというが、作り込まれた設定から、何者かの意図が感じられた。

その後、真辺は七草と合流し、ハッカーを探すのに夢中ですっかり忘れていたプレゼント選びに戻るのだった。

そして、大地を閉じ込めたのは七草であり、そこには彼の意図が隠されていることが分かった。

佐々岡:ヴァイオリンのE線

佐々岡はヴァイオリンの音色を聞きつけ、中等部にある音楽室に向かう。

すると、そこには一人の女子生徒が涙ぐんでいた。

理由を聞くと、ヴァイオリンの弦が切れてしまい、替えのオリーブのE線が必要だが、替えの弦がないことを告げた。

佐々岡は当てはないものの、自分が見つけると言い張り、七草にも手伝ってほしいと依頼する。

佐々岡は手当たり次第聞いて回る中で、ミュージシャンという音ゲーの超絶ゲーマーがゲームセンターに出没し、本業が音楽家だという情報を得た。

早速ゲームセンターに行って情報収集をすると、ミュージシャンが美人な女性で、月に一回程度ここを訪れることが分かった。

寮に戻って七草と落ち合うと、状況整理する。

すると、わずかなヒントから七草はミュージシャンの正体に気付き、彼女をゲームセンターに呼び出すことに成功した。

言われた通りにゲームセンターに向かうと、そこには本当にミュージシャンがいた。

ヴァイオリンの弦を持っていないかとたずねる佐々岡に、ミュージシャンは無言でリズムゲームの勝負を挑む。

しかし、佐々岡の完敗で、種類を変えても勝てない。

挫けそうになる佐々岡だが、主人公になるために彼は勝負を挑み続ける。

それでも、ミュージシャンに勝てなかった。

涙ぐみながら意地になる佐々岡だが、それが目的ではないだろうと諭すミュージシャン。

なんとミュージシャンの正体はトクメ先生だった。

そして、先生は何年も前の演奏会のチラシを佐々岡に渡す。演奏者は、『アリクイ食堂店主』と書かれていた。

一縷の望みをかけてアリクイ食堂に行く佐々岡。

しかし、店主は持っていたヴァイオリンを豊川、つまり佐々岡が助けようとしている女の子にすでにあげてしまっていることが判明し、話は振り出しに戻り、佐々岡は再び走り出す。

諦めて寮へと向かうと、そこで水谷と出くわす。

しかも、彼女が持っていたのはヴァイオリンの弦だった。

佐々岡はそれを受け取ると、豊川に渡しにいこうとする。

しかし、そこに七草が現れたことで状況は一変する。

演奏会に関する噂。

それを流したのは豊川であり、そのためにヴァイオリンの弦を自ら切ったのだと七草は説明する。

彼女は演奏したくないのだ。

その事実に落ち込む佐々岡だが、途中で会った真辺に励まされ、彼女に弦を渡すことを決めて寮に向かう。

豊川は緊張してうまく弾けないことを理由にこんなことをしたが、師匠であるアリクイ食堂の主人が遅れている今なら大丈夫と思い直し、一曲だけ弾くのだった。

水谷:真辺へのクリスマスプレゼント

水谷は真辺ともっとちゃんと友達になりたいと望み、そのためのクリスマスプレゼントを選ぶのを手伝ってほしいと七草に依頼する。

七草はそれを了承し、今度買い物に行くことにした。

短い付き合いだが、水谷は真辺が他者とうまく馴染めないところを改善したほうが良いと感じ、まずは自分が彼女の友達になろうと決心していた。

イブの日、七草と待ち合わせると、水谷は始めに七草にクリスマスプレゼントとして手袋を渡す。

真辺のクリスマスプレゼントを探す中で、クリスマスの七不思議について聞いてみると、七草と水谷が知っている噂には若干の違いがあることが分かった。

七草と別れてプレゼントを探すも、なかなか良いものが見つからない。

その時、通りがかった時任が白い封筒を落としてしまい慌てて追いかけるが、同じ寮の後輩・豊川が相談あると言ってきて、悩んだ末に豊川の相談に乗ることにする。

豊川は三日前からストーカーに悩んでいた。

ある時、気配を感じて振り返ると、そこにはサンタクロースの帽子が落ちていて、それはまるで七不思議にある、好きな相手をさらってでも連れてくるサンタクロースを連想させた。

二人は喫茶店でお茶をしながら、状況を整理する。

とりあえず豊川を帰そうと寮に向かうと、道中、人の気配を背後に感じ、二人はたまらず逃げ出す。

勢い余って転倒してしまう水谷だが、後ろにいたのは七草たちの寮の管理人・ハルさんだった。

彼は大地の行方を聞くために水谷たちを追いかけていただけった。

水谷は安堵し、大地を探すことに協力することにした。

しかし、問題は一向に解決せず、クリスマスパーティーまで残りわずか。

すると、そこで真辺と合流し、水谷の問題に協力してくれることになった。

真辺はまず時任の落とした『緊急』と書かれた白い封筒を勝手に開け、中を見る。

すると、そこには大地の居場所が書かれていて、真辺は水谷に七草と合流するよう指示し、自分は先に進んでしまった。

水谷は七草と合流すると、言われた通りに封筒を手渡す。

去ろうとすると、ペアのキーホルダーがおすすめだと七草は言った。

結局、七草に言われた通りのものを買った水谷だが、寮への帰り道で堀と会い、なぜかヴァイオリンの弦をプレゼントされた。

意味が分からなかったお礼を言い、水谷は寮へと急いだ。

魔女の正体

今回、七草は魔女を探していた。

通販が止まってしまった今、ヴァイオリンの弦を手に入れるには、魔女に生み出してもらうしかないと考えたからだ。

そのために彼は出せる限り全ての人にクリスマスカードを書いた。

ヴァイオリンの弦を持っていないか? ついでに七不思議に手を加え、ヴァイオリンの弦をプレゼントしてくれれば願いが叶うという風に。

そしてカードにはさらに細工がしていて、情報の出所から魔女が誰なのかを追跡できるようにしていた。

予定通りにいかないこともあったが、ついに七草は魔女に行き着く。

魔女は、堀だった。

彼女は自分が魔女であることを認め、通販を止めてしまったことを謝った。

しかし、その理由までは教えてくれなかった。

堀は通販を再開することを約束し、七草に手紙を渡す。

雪が降りしきる中、「空に願い事をすると、それが叶うよ」と七草が言うと、堀は小さな声でなにかをつぶやいた。

結末

堀からの手紙の内容。

彼女にとって、七草は話しやすい相手であること。

よく喋る夢を見ること。

そして、彼女は最初から自分が魔女であることを明かすつもりでいて、できればそれを他の人に話さないでほしいということが書かれていた。

手紙を読み終えると、七草は最後の仕事に取り掛かる。

真辺に会って渡すものがあるのだ。

真辺に会うと、意外にも彼女から手袋をもらう。

真辺はプレゼントが水谷とかぶってしまったことを気にしていたが、七草は喜んで手袋を受け取り、代わりに封筒を渡す。

そこにはクリスマスカードと、髪留めが入っていた。

封筒を受け取ってうつむく真辺を、七草は覗き込みたいと思った。

おわりに

内容が入り乱れているせいもあり、かなり内容を端折ってしまいました。

なので七不思議についても、説明不足であることは否めません。

ただ、それらを過不足なく書いていると本書が出来上がってしまいますので、ぜひ謎の続きは本書で確かめてみてください。

僕が言えることとして、本書は読んで損のない素晴らしい作品だということです。

次巻はこちら。

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