『これは経費で落ちません!2』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!
経理部の森若沙名子、27歳。多くの領収書を処理する沙名子には、社内のいろいろな人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとには関わりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張…それは本当に必要なものですか?
「BOOK」データベースより
シリーズ第二弾です。
前の話はこちら。
前巻と変わらず、真面目に自分の仕事をこなす沙名子に今回も厄介事が降り注ぎます。
一方で太陽との仲が進展があるなど内容が盛り沢山なので、早速その魅力をお伝えします。
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あらすじ
優秀なら許されるのか?
広報部の皆瀬織子。社外に対し自社をPRする、いわば会社の顔。
経理部の真夕も元々は広報部にいて、織子はその時の先輩です。
織子は仕事は出来るし、領収書の処理も言う事なし。
沙名子にとっては、最もありがたいタイプの人間です。
しかし、唯一気がかりなのが経費の使い方が派手だということでした。
差し入れの茶菓子はもちろん、テレビで着る衣装、会食代など、営業マン以上の使いっぷりです。
でも結果として莫大な利益を生み出しているからこそ、社内の人間は彼女のやり方に口を挟みません。
そんな時、あまりの派手なお金の使い方に、首を突っ込んではいけないと感じつつも沙名子は思わず詳細を調べてしまいます。
そこで織子には十歳下の夫がいること、夫が映画監督や俳優をしていることを知ります。
嫌な予感は、またしても当たってしまいます。
ブランドの服などは目を引くためのフェイクで、本当は旦那の撮影の差し入れ、カメラなどを経費で落としていたのです。
それも全て理由をこじつけ、あたかも正当性があるように装って。完全な確信犯です。
沙名子はこの件を織子に指摘し上司にも報告しますが、不正の証拠がないということで要注意するに留まってしまいます。
抑止力にはなるけれど、完全には止まらない。なんとも後味の悪い結末です。
首を突っ込んだら損をすると分かっているのに、つい首を突っ込んでしまう。
過不足のないイーブンを求める沙名子らしいといえば、らしい話でした。
女同士の見えない戦い
見てて一番辛かった話。
ありそう、というか実際にこういうやり取りはあります。
総務部に所属する横山窓花と玉村志保。
彼女たちは総務部に経費でエスプレッソマシンを置けないかという件で対立し、沙名子や周囲を巻き込んで泥沼のやり取りを始めます。
悪い噂が立つように仕向けたり、被害者を装って相手を悪者にしたり。
次々に浮かび上がる真実に、沙名子はどちらを信じて良いのか分からなくなります。
結果として、前回の件でなぜか沙名子に恩を感じている織子が女子会をセッティングし、表面上は平和になりました。あくまで表面上は。
初っ端から印象の悪かった織子ですが、ここでは年上の風格というものを見せつけてくれ、とても好感が持てました。
沙名子が諭されるというのが珍しかったので、見ていて面白かったです。
あと、のんびりしている真夕ですが、彼女には彼女なりの処世術があり、それで沙名子含めて周りとの調和をとっているのだなと感心しました。
目線を変えれば、みんなそれぞれ頑張っているんですよね。
優秀な営業マンの苦悩
太陽が営業のエースと呼ばれていますが、実は彼よりも実績を残している真のエースがいて、それが山崎柊一。
そこまで口数が多いわけでもないのに、いつも新規の案件をとってきて、部長からの信頼も厚い。
そんな山崎ですが、出張が多く、しかも必要以上の日数を申請することが多いため、さすがの沙名子も気になって直接本人に確かめます。
すると、それがわざと人の目に留まるようにしていたことが判明します。
山崎は入社面接の時、研究職希望でしたが、営業であれば採用すると言われ、後々の異動を期待して入社していたのです。
ところが、十年経っても異動願いが受理されないため、やけになっていたということ。
気持ちは分からないでもないが、能力がある故の贅沢な悩みともとれるため、何とも言えない話でした。
でも、本人は気づいていませんが、営業を思いのほか楽しんでいる様子がうかがえたので、そのまま残るかもしれませんね。
何でもしてあげるのが友情?
沙名子と同じ経理部の田倉勇太郎。
彼は仕事をきっちりこなし、それ以外では極力社員と関わりを持たないなど、沙名子と共通している部分も多く、彼女もその生き方に共感を覚えていました。
ところが製造部所属で勇太郎と学生時代からの友人である熊井に対して、横領の疑いが持ち上がります。
熊井は細かいことは分からない、勇太郎に任せているの一辺倒で、傍から見れば勇太郎が熊井のためにやっているような状況でした。
しかし、熊井は言葉とは裏腹に汚い手口で会社のお金に手をつけ、勇太郎との友情を踏みにじっていたのです。
今回ばかりは我慢ならない沙名子でしたが、勇太郎のお願いもあって一週間の猶予を与えます。
結局、社内で問題となり、熊井は自宅待機を命じられます。
おそらく首でしょう。
正しいことはした。けれど、熊井一家を路頭に迷わせたかもしれない。
その八つ当たりのような罪悪感に沙名子は苦しみます。
しかし、太陽がいてくれたおかげでその気持ちも少しだけ晴れるのでした。
ドライに見えて実は優しい沙名子にとって、太陽は意外とお似合いなのかもしれません。
お互いに下の名前で呼び合っているのに、付き合っていないと思っているのですから、沙名子は面白いです。
でも、ゆっくりと進展していく二人の関係はとても微笑ましくて、僕は好きです。
真夕は気にしない
エピローグ。
恒例となった真夕視点での天天コーポレーション。
沙名子がいないことで仕事が大変だけど、リラックスできることも事実。
仕事を休んで好きなバンドのライブにも行きたい。
いつもぼんやりしてそうな真夕も、実は心の内で色々と考えているんですよね。
人を見かけで判断すると痛い目を見るなと、このパートで思い知らされます。
なんやかんやあったけど、今日も平和。
こういう深く考えすぎない結末が、本作のラストをマイルドにしていて、二作目にして癖になってきました。
おわりに
相変わらず仕事ができ、それ故に首を突っ込んでしまって心の傷を負う沙名子。
実は一番人間らしいのではないかと思えるその人柄に、今回もニヤニヤさせてもらいました。
悪い人もいるけど、みんな優しさも持ち合わせていて、悪人なんて一人もいないグレーな世界。
今作も文句なしで面白かったです。
これからどう物語が進んでいくのか。
もう一巻ぐらい別の人間にフォーカスを当てて、社内の問題点を挙げてくれると面白いなと思いました。新発田部長とか。
これで『しばた』って読ませるんですから、読者泣かせですよね。
でも、それをすんなり読めてしまっている僕は、とっくにこの作品の中毒なのかもしれません。
次の話はこちら。
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