サスペンス

『ウツボカズラの甘い息』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

 

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。彼女から化粧品販売ビジネスに誘われ、大金と生き甲斐を手にしたが、鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として突然逮捕されてしまう。無実を訴える文絵だが、鍵を握る加奈子が姿を消し、更に詐欺容疑まで重なって…。全ては文絵の虚言か企みか?戦慄の犯罪小説。

【「BOOK」データベースより】

表紙に惹かれて購入した作品ですが、後半からの畳み掛けるような展開はページをめくる手が止まりませんでした。

どこにでもいる主婦と警察、その両方が平行して進んでいくので、読者はいつ両者が交わるのだろうとドキドキしてしまいます。

以下は本書に関する柚月さんへのインタビューです。

https://www.gentosha.jp/article/4500/

 

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

はじめに

 

本書は高村文絵、警察それぞれの視点から物語が進行し、やがて一つの線となります。

それを順番に追っているとどうしても話が複雑になってしまうので、ここではパートごとに話をまとめました。

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文絵パート

再会

 

高村文絵は二十五歳で夫・敏行との間に子どもができ、それを契機に結婚。

二人の娘に恵まれ、傍から見れば幸せな人生を歩んでいました。

 

しかし、結婚してから敏行の嫉妬深い一面が見えてきて、さらに育児のストレスも加わり文絵は変わり果てた姿になってしまいます。

それに加えてストレスから過食症、解離性離人症を発症し、発作が起きると自分自身、外界のことを非現実感を覚えるようになります。

 

そんな文絵にとって唯一の楽しみは懸賞で、それで家族は明るさを取り戻します。

ある日、懸賞で人気タレントのディナーショーが当たり、文絵は息抜きも兼ねて束の間の贅沢を味わいます。

 

帰り道、彼女のことを『牟田さん』と旧姓で呼ぶ声がします。

相手は杉浦加奈子という中学時代の同級生で、強引にお茶に誘われます。

 

文絵は覚えていませんでしたが、加奈子は美しい彼女にずっと憧れていて、整形したことを告白。

さらにお礼がしたい、大事な話があると、文絵を鎌倉にある別荘に招待します。

 

最初は断るつもりでしたが、文絵は後日、加奈子の別荘を訪れます。

加奈子は改めて大事な話があるとして、その前にいつも着けているサングラスを外します。

 

彼女の右目のあたりにひどい痣がありました。

それはかつて交際していた男性にかけられた硫酸が原因で出来たもので、サングラスは欠かせないといいます。

 

この状態ではとても今まで通りに仕事をすることは出来ませんが、加奈子はこの後に行ったフランスで運命の出会いを果たします。

彼女はピエールという有名な化粧品の創業者一族の御曹司と出会い、彼の愛人となります。

 

加奈子は、ピエールの会社がヨーロッパでセレブ向けに販売している化粧品『フルール』を『リュミエール』という名前に変えて、日本でも会員向けに売り出そうとしていました。

しかし、加奈子は痣のせいで、人前でセミナーなどを行うことが出来ません。

 

そこで加奈子の代役を文絵に務めてほしいのだといいます。

拘束時間は短く、報酬として月に五十万円。

 

破格な条件に文絵は思わず迷いますが、それでもすぐには了承できません。

そこでまずは加奈子がこの化粧品を試し、自分自身が美しくなれるのか試すことにします。

 

するとあっという間に肌は潤いを取り戻し、目に見える効果で勢いづき、加奈子はダイエットにも励みます。

元々美しい顔立ちのため、加奈子はたちまちのうちに美しさを取り戻し、この感動を多くの人に知ってほしいと思うようになります。

 

解離性離人症のことが心配でしたが、加奈子は心配ないといい、一緒にビジネスをする仲間として飯田章吾を紹介してくれます。

魅力的な章吾の後押しもあり、文絵はこの話を了承します。

 

生まれ変わる

 

やる気になってますます綺麗になった文絵は、ついに初めてのセミナーに臨みます。

当日、与えられた名刺には『リュミエール化粧品 代表』の肩書があり、文絵は戸惑いますが、章吾の説明になんとか納得し、見事なプレゼンを披露します。

 

すると多くの聴講者が会員になり、文絵は様々な欲求を満たしていきます。

人生は順調なはずでした。

警察パート

殺人事件

 

鎌倉にある貸別荘で、田崎実の死体が発見されます。

家の中には女性用のパンプスがあり、事件への関与が疑われ、周辺の聞き込みからサングラスをかけた女が浮かび上がります。

 

刑事の秦は鎌倉署の女性刑事・中川と組み、捜査に当たります。

田崎は株式会社コンパニエーロという美容に関する会社の経営者で、二人はその会社のある住所をたずねます。

 

しかし、コンパニエーロは二週間前に賃貸契約を解約し、もぬけの殻でした。

次に二人は田崎の母親の入居している介護施設に向かいます。

 

母親のセツは重度の認知症で、情報はほとんど得られませんでしたが、ノガミのおじいちゃんという人物のことを何度か口にします。

それが彼女の兄・新岡正平であることが分かり、彼のもともたずねますが、そこでも大した情報は得られませんでした。

 

次に秦たちは、コンパニエーロで働いていた二人の女性派遣社員から話を聞きます。

そこでリュミエール化粧品の代表・高村文絵という人物がいることが判明し、さらに彼女の写った写真、名刺も入手することが出来ました。

 

ここにきて容疑者が浮上し、警察は文絵に照準を合わせます。

虚言?

 

順調に仕事をこなす文絵でしたが、九月になると加奈子と章吾がフランスに行くことになり、仕事は一時中断します。

束の間の休息を得る文絵ですが、そこに知らない番号からの電話が頻繁にかかってきます。

 

内容は全て同じで、リュミエール化粧品が上場するということで株式を買ったにもかかわらず、まだ上場していないのはどういうことなのか、というものでした。

文絵には全く身の覚えのないことで、慌てて加奈子と章吾に電話をしますが、繋がりません。

 

さらにコンパニエーロの入っているビルを直接たずねますが、もぬけの殻でした。

それからしばらくして、文絵の家を秦と中川が訪れます。

 

二人は田崎の写真を見せますが、その男は文絵の知る章吾でした。

つまり、偽名を使っていたのです。

 

警察署に連行され、文絵は田崎殺害事件について聞かれますが、何一つとして身に覚えなどありませんでした。

一方、警察はサングラスの女が目撃されていることから、加奈子が怪しいと捜査します。

存在するはずのない幽霊

 

極度のストレスで解離性離人症を発症し、文絵はみるみる消耗していきます。

さらに証言と実態が合わないことがあり、警察は夫の敏行にも事情を聞きます。

 

すると文絵の本当の病名は、解離性同一性障害だと判明。

二人の娘は三年前の事故ですでに亡くなっていて、文絵は子どもたちの幻覚を見ていたのです。

 

事件のあった時間帯、文絵は自宅に一人でいました。

さらに病気のこともあり、加奈子というのは文絵の幻覚で、本当は文絵がやったのでは、という見方が強まります。

 

しかし、秦と中川は加奈子について調べるために、彼女の通っていた中学のある岐阜に向かいます。

彼女の自宅の住所を入手することが出来ましたが、彼女は五年前に亡くなっていました。

 

自殺で、マルチ商法に引っ掛かって多額の借金を抱えたのだといいます。

そうなると、文絵に接触した加奈子は、誰なんだろうか?

 

今度は加奈子の同級生に接触し、彼女のことを聞きます。

すると、加奈子と接触したサングラスをかけた女がいるといいます。

 

相手は加奈子の小学校の同級生・園部だといい、秦と中川はその小学校に向かいます。

ところが、彼女もまた七年前に自殺していました。

 

両親を亡くした園部敦子は三億円という大金を手に入れ、それを『神光の恵み』という新興宗教に全て寄付してしまったのです。

さらにここでもサングラスの女が登場し、敦子と会っているところを目撃されています。

 

そして、ここで女の実態が見えてきます。

目撃者がATMで並んでいると、その前にサングラスの女がいて、彼女は明細書を落とします。

 

そこには振込先として『白鳩の園』という介護ホームの名前、そして振り込み名義人として『真野知世』という名前がありました。

見えてきた女の正体

 

ようやく見えてきたサングラスの女の正体。

秦と中川は白鳩の園に向かいます。

 

そこには真野修という人物が入居していて、施設のスタッフに加奈子の似顔絵を見せると、知世だといいます。

さらに知世は修を入居させるために、二十代後半で数千万円という大金を支払っていたことが判明します。

 

警察は知世の振り込み記録と、三つの自殺・殺人事件現場を照らし合わせ、全て彼女が関与していたことを突き止めます。

さらに知世は今、オーストラリアにいることが判明し、とうとう追い詰めます。

 

秦はこの時、知世がウツボカズラのようだと感じます。

甘い蜜で虫を誘い出し、中に落ちた虫を食べて生きる。

 

なんとしてでも逮捕しようと、秦と中川はオーストラリアに向かうのでした。

結末

 

オーストラリアでバカンスを楽しむ知世。

本田亮子という偽名で滞在していて、文絵が捕まったことをニュースで知り、自分の犯罪が完璧であることを確信していました。

 

知世は、これまでの人生を振り返ります。

修が立ち上げた塗装会社を守るために一緒に働きますが、修は資金繰りに苦しみ、練炭で自殺を図ります。

 

しかし失敗に終わり、しかも植物状態になってしまい、知世には多額の医療費が借金としてのしかかります。

返済のために水商売を始め、お金持ちと愛人契約を結びます。

 

すると贅沢が染みついてしまい、契約解消後も元の生活には戻れませんでした。

何度も騙され、ある時、衝動で人を殺害してしまいます。

 

死体を隠してなんとか発覚を防ぎますが、早急にお金を稼ぐ必要がありました。

そこで新興宗教『神光の恵み』に目をつけ、教祖を魅了してたちまちの内にナンバーツーまでのし上がります。

 

そこで見つけたカモが、敦子でした。

三億円を巻き上げると、教祖を事故と見せかけて殺害。

 

しばらくな海外で過ごします。

ところがお金がなくなると次の金づるを探さなければならず、敦子を装って彼女の小学校の同級生である加奈子と接触。

 

マルチ商法によって加奈子から三千万円を巻き上げ、ビルの屋上から突き落として殺害。

警察は借金を苦とした自殺だと判断し、知世の犯罪はさらにエスカレートします。

 

次に目をつけたのが、加奈子の中学時代の同級生である知世でした。

彼女の美しさ、幻覚妄想を利用しようと今回の計画を立案。

 

パリに滞在中に知り合った田崎と共謀し、大金を生み出します。

さらに田崎を殺害し、その罪も文絵にかぶってもらう計画でした。

 

例え文絵が加奈子の名前を出したところで、そんな人物はすでにこの世に存在しておらず、妄想として片づけられるはず。

知世は完璧な計画に酔いしれます。

 

ところが次の瞬間、秦や中川たちがやってきて、『真野知世』という捨てたはずの名前を口にします。

中川は逮捕状を持っていました。

 

知世は帰国途中、日本の領海に入るとそのまま逮捕。

中川に本名で呼ばれますが、そう呼ばれたのはいつ以来だろうといつまでも考えるのでした。

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

個人的には、警察の朝礼がいちいち挟まってリズムが良くないこと、真実を知世の心情で説明させたことがもったいないなと感じました。

 

最後は警察と知世で掛け合いがあると、ここまでの捜査の集大成という感じがして、より盛り上がったような気がします。

しかし、それを抜いても最初から最後まで一気に読みたくなるほど先の知りたくなる物語でした。

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