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『雨でも晴れでも 2巻』あらすじとネタバレ感想!各カップルの丁寧な描写が見どころ

harutoautumn
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朝でも昼でも、静かな夜も――心騒ぐのはあなたのせいだ。

美古都と蓮を中心に寄せ集めメンバーで結成された”有頂天部”。
その部員である獅子丸 愛梨(ししまる あいり)と辺銀 律(ぺんぎん りつ)のふたりは
いつもケンカしてばかりだけれど、ほとんどの時間を二人で過ごす。
学年も、部活も、寝る部屋までも同じで、趣味はふたり揃って「昭和歌謡レコード」。
ケンカするほど仲が良いと周囲には思われていたけれど、ある日決定的な事件が起きて……!?

「おまえはこのことも……あのときみたいに忘れちゃうのかな」
「もう私たち、元の仲には戻れませんから――」

誰より近い距離にいたふたりが、ぶつかり合った先で見出したのは――。
全寮制の女子校を舞台に少女たちの交歓を描く百合恋愛群像劇、待望の第2巻登場!

Amazon商品ページより

本シリーズが単なるリニューアルではなく、パワーアップした新作であることを証明してくれた第一巻。

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そして二巻では、各カップルに様々な進展が見られます。

『とどのつまりの有頂天』では描かれなかったことが本書にはたくさん詰まっていますので、とどつまを読んだという人も読まないと損です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

それぞれの恋の行方

美古都×蓮

他人に心をあまり開かない蓮ですが、ルームメイトである椿とのやりとりから蓮にとって有頂天部が特別な場所であることが分かります。

もちろん、その中でも美古都は特別ですが。

美古都もまた蓮に友人以上の感情を持っていて、本書では勇気を出して一歩踏み込みます。

ところがこれが誤解を招く事態になり、説明する機会を持てないまま二人の関係が微妙なものになってしまいます。

蓮が追えば美古都が逃げて、美古都が追えば蓮が逃げる。

じれったさは作中No.1です。

その分、盛り上がりも一番なので、このカップルが好きな人であればかなり楽しめる話になっています。

辺銀律×獅子丸愛梨

上記カップルに加えて、本書では律×愛梨の出会い、そして恋の行方が描かれています。

まっすぐすぎるほど純粋な律と口が悪いけれど実は律儀な愛梨は口喧嘩が絶えませんが、本書では度が過ぎて大喧嘩に発展します。

そこから二人の出会いを描くことで二人の関係の特別性が分かり、律の純粋さゆえに恋は一気に加速します。

正直、恋愛感情と呼べるかどうかは現時点では微妙ですが、これからが非常に楽しみです。

あと、二人が抱き合うシーンで、律の身長が思いの外小さくて驚きました。

蓮の過去

前作でも蓮の過去は真っ黒で、それがとどつまのシリアス度が高い要員の一つになっていました。

本シリーズにおいてもそれは健在。もしくは前作以上です。

なんと蓮が中学生の時、父親を殺害したというのです。

あくまで本人の自白で、直接的な殺害とは限りませんが、事実であればシリアスとかそういう問題ですらない気がします。

その真偽を判断するために動いているのがましろ(シロ先生)で、蓮の母親らしき人と電話でやりとりするシーンも描かれています。

美古都との恋を成就させる上で、次巻以降でこの問題が表面化してきそうです。

椿とシロ先生

とどつまではカップルであることを匂わせつつもほとんど描かれなかった椿×シロ先生が、本書では主役級の描かれ方をしています。

椿は周囲のハチャメチャな人のせいで大人に見えますが、シロ先生の前では赤子も同然。

好き放題されています。

まあ、椿は振り回されることが好きなようなので、本書で最も安定したカップルといえます。

本書の最後では二人のなりそめが描かれているのですが、めちゃめちゃ恋愛しています。

個人的にはシロ先生の欲求そのままの行動がある意味誠実で、一気に好きになりました。

今後人気が出そうなカップルです。

感想

じっくり描写が多い

とどつまといえば有頂天部六人のドタバタなやりとりが売りで、コメディにかなり振り切れていました。

本書でもそういった部分は受け継がれ、随所に挟むことでテンポの良さを生み出しています。

しかし上述した通り、本書では各カップルの悩み、気持ちの表明などがメインで、一つの出来事がじっくりしっとり描かれています。

僕はこのおかげで恋愛要素、百合要素がかなり強まっているので、超好きなテイストです。

一方で、とどつま、あるいはあらたさんの作品に馴染んできた人の中にはこの展開が好みでないということもあると思うので、賛否両論は避けられないかもしれません。

難しい恋心

本書で感じたのが、みんな面倒臭いです。

思い悩んでは思い切り過ぎた行動に出て、新たな誤解や問題を生み出す。

物語を盛り上げる中で必要な要素ですが、それにしても登場人物のほとんどが上記の展開に加担するので、恋の難しさ、あるいは面倒臭さのようなものを感じました。

でも、誤解がないようにいうと、その面倒臭さがとても愛おしくて、乗り越えてからの恋は尊いの一言です。

シリアス度はまだ増す

あらすじでも書きましたが、蓮のやばい過去の片鱗が披露されました。

きっと本シリーズの核になる問題なし、これによって今以上のシリアスが生み出されるのはまず間違いありません。

シリアス度が増し、それでも百合作品としての恋愛部分はしっかり担保されるのか。

展開させるのがかなり難しそうですが、次巻以降への期待が一気に高まりました。

おわりに

前作よりも、メインである美古都×蓮以外の魅力がしっかり描かれていて嬉しい限りです。

このペースだとあと数巻は続きそうなので、じっくり本シリーズを楽しみたいと思います。

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